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ポール・ルイス/“シューベルト・チクルス”Vol.5(2013年2月2日 王子ホール)

ポール・ルイス“シューベルト・チクルス”Vol.5
2013年2月2日(土)15:00 王子ホール(G列10番)
ポール・ルイス(Paul Lewis)(piano)

ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D958
 Ⅰ.アレグロ
 Ⅱ.アダージョ
 Ⅲ.メヌエット:アレグロ
 Ⅳ.アレグロ

ピアノ・ソナタ第20番イ長調 D959
 Ⅰ.アレグロ
 Ⅱ.アンダンティーノ
 Ⅲ.スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ
 Ⅳ.ロンド:アレグレット

~休憩~

ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D960
 Ⅰ.モルト・モデラート
 Ⅱ.アンダンテ・ソステヌート
 Ⅲ.スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ・コン・デリカテッツァ
 Ⅳ.アレグロ・マ・ノン・トロッポ

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イギリスのピアニスト、ポール・ルイスによる“シューベルト・チクルス”の最終回に出かけた。
このシリーズ、王子ホールの人気企画で、私もチケットがとれなかった回もあったのだが、こうして最終回を聴くことが出来たのは感無量である。
今回はシューベルトが死の数か月前に書いた3つの最後のソナタが演奏されたが、ポール・ルイスが現在望みうる最も見事なシューベルト演奏家の一人であることをあらためて実感した時間だった。
ポール・ルイスは、シューベルトをやわに弾かない。
彼はベートーヴェンを弾くかのように決然とシューベルトを演奏する。
しかも、シューベルトの「歌」をそこにしっかりと浮かび上がらせながら、スタイルも維持する。
孤独と喧騒の間を行き来しながら。
ルイスは概して早めにさくさくと進めていくが、その旅の途中の花々を愛でるのを決して忘れない。
また、途中の心情の変化もおおげさではなく、そこにあるべき姿で提示する。
そのありのままの表情がシューベルト晩年のデリカシーを見事に浮かび上がらせる。
こういうシューベルトが聴けるのはなかなか無いことだろう。
時折師匠のブレンデルの影響が感じられる箇所もあったが(強調する箇所での音のずらし方など)、ルイスの場合はそれが鼻につかない。
シューベルトって、こんなに親しみやすく、デリカシーに富み、大胆だったのかと、ルイスの演奏を聴きながら、あらためて思いを馳せた。
そんな素敵な楽興の時であった。

アンコールはなし。
次はどんな企画で聴き手を楽しませてくれるのか、楽しみでならない。

Paul_lewis_20130202


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