ラジオのDJをするエリー・アーメリング
オランダのインターネットラジオ局Radio4で、もうすぐ80歳を迎えるソプラノ歌手、エリー・アーメリング(Elly Ameling)が自分の好きな音楽を選んで紹介を交えながら放送した番組が聴けるようになっていました(約2時間)。
久しぶりにアーメリングの話し声が聞けるのは"Een goedemorgen met..."という番組で、リンク先ページの再生ボタンをクリックして最初の3分ほどはニュースやCMで、その後から始まります。
最初の方はアナウンサーによるアーメリングの経歴が読み上げられますが(3:31頃-5:50頃まで)、情報として文字だけでは知っていても正式な発音を聞いたことのなかった彼女のオランダでの師匠たちの名前の発音(ヨー・ボレンカンプ、ヤコーバ・ドレスデン・ドーント、ボーディ・ラップ)も聞くことが出来るので、アーメリング・ファンにとってはここも聞きどころの一つです。
共演のピアニストについては以下のように発音していました(オランダ人以外もおそらくかなり忠実な発音と推察されます)。
フェーリクス・ドゥ・ノーブル(オランダ人)
ヘルマン・ウルホーン(オランダ人)
イェルク・デームス(オーストリア人)
アーウィン・ゲイジ(アメリカ人)
ドルトン・ボールドウィン(アメリカ人)
グレアム・ジョンスン(ローデシア人だがイギリスに移住)
ロジャー・ヴィニョールス(イギリス人)
ルドルフ・ヤンセン(オランダ人)
さて、紹介が終わると、いきなり演奏が始まりますが、一瞬アーメリングが歌っているのかと錯覚しますが、実は同じオランダ出身のエルナ・スポーレンベルフの歌唱でした。
その後も“歌もの”が多い選曲ですが、アーメリング自身の録音はそれほど多くありません(45分ぐらい経ってようやくフォレの二重唱曲で登場するほどです)。
アーメリング・ファンにとってはうれしいサプライズもありました。
13のヴォルフ「スペイン歌曲集」からの2曲(55:15頃から)はHyperion盤のCD音源かと思ったら演奏を聴くとどうも違うような…。
そして最後にいたって拍手が鳴ったところで、この録音がライヴであることが判明するのです(詳しいデータは不明ですが)。
1.モーツァルト/エクスルターテ・ユビラーテ~アレルヤ
エルナ・スポーレンベルフ(ソプラノ)
ネヴィル・マリナー(指揮)他
2.ブリテン/A Charm of Lullabies "The nurse's song"
キャロライン・ワトキンソン(メッゾソプラノ)
タン・クローネ(ピアノ)
3.ガーシュウィン/「ポーギーとベス」~「サマータイム」
ロバータ・アレグザンダー(ソプラノ)
レナード・スラトキン(指揮)他
4.デイヴィッド・シャイア/With You
ロバータ・アレグザンダー(ソプラノ)
タン・クローネ(ピアノ)
5.ビゼー/「カルメン」~「ハバネラ」
コーラ・カンネ・メイエル(メッゾソプラノ)
ガーボル・エトヴェス(指揮)他
6.ラヴェル/「マダガスカル島民の歌」~「アウア!」
ベルナール・クラウセン(バリトン)
フランス・フェスター(フルート)
アンナル・ベイルスマ(日本で普及している読み方はアンナ・ビルスマ)(チェロ)
ジェラール・ファン・ブレルク(ピアノ)
7.ラヴェル/「博物誌」~こおろぎ
ベルナール・クラウセン(バリトン)
ジェラール・ファン・ブレルク(ピアノ)
8.ヒデオン・クレイン/ピアノ・ソナタ第1部より
エト・スパンヤールト(ピアノ)
9.ラフマニノフ/兵士の妻op.8-4;夢op.8-5;わが友よ、私を信じるなop.14-7
クリスタ・プファイラー(メッゾソプラノ)
ルドルフ・ヤンセン(ピアノ)
10.フォレ/黄金の涙
エリー・アーメリング(ソプラノ)
リュート・ファン・デル・メール(バリトン)
ルドルフ・ヤンセン(ピアノ)
11.フォレ/牢獄
リュート・ファン・デル・メール(バリトン)
ルドルフ・ヤンセン(ピアノ)
12.ルイ・アンドリッセン/ヴェロニック
リュート・ファン・デル・メール(バリトン)
ルドルフ・ヤンセン(ピアノ)
13.ヴォルフ/「スペイン歌曲集」~私を花で覆ってください;ねえ、あなたでしたの、素敵なお方
エリー・アーメリング(ソプラノ)
ルドルフ・ヤンセン(ピアノ)
この後はWebサイトに曲目が掲載されていない為、アーメリングのアナウンスによく耳を澄まさなければなりません。
ヘンツェ/「5つのナポリ歌曲集」より
エリザベト・コーイマンス(ソプラノ)他
リチャード・ロジャーズ/With the song in my heart
ガーシュウィン/I got rhythm
エリー・アーメリング(ヴォーカル)
ルイ・ファン・デイク(ピアノ)
ヴォルフ/「イタリア歌曲集」より
~セレナーデをあなたに捧げるために来ました;
あなたは一本の糸で私を釣ろうと思っているのね;
ダメよ、若い方、そんなふうにしては;
お高くとまっておいでだな、美人ちゃんよ;
あなたの頭をあげて;
そしてあなたの恋人が死ぬのを見たいのなら
エレン・ファン・リール(ソプラノ)
ローベルト・ホル(バスバリトン)
ダーヴィット・ルッツ(ピアノ)
ヴォルフ/「イタリアのセレナーデ」
プロ・アルテ・カルテット・ザルツブルク
モーツァルト/Se ardire, se speranza K 82
レネケ・ラウテン(ソプラノ)
エト・スパンヤールト(指揮)他
フェーリクス・ドゥ・ノーブル編曲/合唱曲
バメストラス・コレクティーフ(Bamestra's Collectief)
マリア・ロンデル(Maria Rondèl)(指揮)
ヘンリ・ザッフヴェイン(Henri Zagwijn)/"Galgenlieder"~Das Hemmed
ヘイン・メーンス(Hein Meens)(テノール)他
R.シュトラウス/「4つの最後の歌」~夕映えの中で
エリー・アーメリング(ソプラノ)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
ヴォルフガング・サヴァリシュ(指揮)
ベルク/「ワイン」より抜粋
エリー・アーメリング(ソプラノ)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)
アーメリングが今もお元気で音楽を楽しんでおられる様子が伺えて、ファンにとってはうれしい放送でした。
そして彼女がとりわけ故国オランダの演奏家、作曲家を好んで聴いておられるのも微笑ましく感じられました。
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コメント
フランツさんこんばんは。
アメリング、80歳でご健在なのですね。
実は、外国人アーティストで一番最初に好きになったのは、アメリングなのです。
1980年ころ、NHKテレビから流れてきたなんとも美しいメロディとソプラノの声!
アメリングの歌う「水の上で歌う」でした。
幸い、曲名と歌手名を字幕で出してくれていましたので、早速レコード店へ行きアメリングの「シューベルト歌曲集」を買い求めました。
あの時の清らかでチャーミングな歌声は今も新鮮な記憶としてこっています。
別項でご紹介くださっているラジオDJも是非聴いてみたいと思います。
いつも素敵な記事をありがとうございます。
投稿: 真子 | 2013年2月 3日 (日曜日) 22時37分
真子さん、こんばんは。
真子さんもアーメリングを聴かれていたのですね。
1980年ごろの来日公演はテレビで放送されたらしいので、真子さんがご覧になったのはその時の放送かもしれませんね。
私はアーメリングが好き過ぎて、このブログを始めたようなものなので、ちょっとマニアックな記事になってしまいました。
投稿: フランツ | 2013年2月 4日 (月曜日) 21時28分