ジ・アート・オブ・アルド・チッコリーニ ピアノ・リサイタル(2012年12月1日 すみだトリフォニーホール)
ジ・アート・オブ・アルド・チッコリーニ ピアノ・リサイタル
ドビュッシー生誕150年記念
《ドビュッシーとセヴラック》
2012年12月1日(土)15:00 すみだトリフォニーホール(1階11列6番)
アルド・チッコリーニ(Aldo Ciccolini)(Piano)
デオダ・ド・セヴラック(Déodat de Séverac: 1872-1921)作曲
春の墓地の片隅(Coin de cimetière au printemps)~組曲《ランドックにて》より(from Suite "En Languedoc")
《休暇の日々から》第1集(En vacances I)
1.シューマンへの祈り(Invocation à Schumann)
2.おばあさまが撫でてくれる(Les caresses de Grand'-maman)
3.小さなお隣さんたちが訪ねてくる(Les petites voisines en visite)
4.教会のスイス人に扮装したトト(Toto déquisé en suisse d'église)
5.ミミは侯爵夫人の扮装をする(Mimi se déguise en "Marquise")
6.公園でのロンド(Ronde dans le parc)
7.古いオルゴールが聞こえるとき(Oû l'on entend une vielle boîte à musique)
8.ロマンティックなワルツ(Valse romantique)
リヴィアのキリスト像の前のラバ引きたち(Les muletiers devant le Christ de Llivia)~《セルダーニャ》5つの絵画的練習曲より(from "Cerdaña" - 5 Etudes pittoresques)
演奏会用の華麗なワルツ「ペパーミント・ジェット」(Valse brillante de concert "Pipperment-get")
~休憩~
クロード・ドビュッシー(Claude Debussy: 1862-1918)/前奏曲集第1巻(Préludes I)
1.デルフィの舞姫たち(Danseuses de Delphes)
2.帆(ヴェール)(Voiles)
3.野を渡る風(Le vent dans la plaine)
4.音と香りは夕暮れの大気に漂う(Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir)
5.アナカプリの丘(Les collines d'Anacapri)
6.雪の上の足あと(Des pas sur la neige)
7.西風の見たもの(Ce qu'a vu le vent d'ouest)
8.亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)
9.とだえたセレナード(La sérénade interrompue)
10.沈める寺(La cathédrale engloutie)
11.パックの踊り(La danse de Puck)
12.ミンストレル(Minstrels)
~アンコール~
D.スカルラッティ/ソナタ ホ長調K380
グラナドス/スペイン舞曲第5番「アンダルーサ(祈り)」
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高名なピアニストで録音も多いアルド・チッコリーニの実演をはじめて聴いた。
1925年8月15日ナポリ生まれというから御年87歳!
実はこの日は新国の「セビリアの理髪師」のチケットを持っていたのだが、チッコリーニを選んで大正解だった(ちなみに「セビリア…」は後日聴いた)。
こんな凄い体験はめったに出来るものではない。
杖をついて登場したチッコリーニを見て、ある程度はミスに目をつぶる演奏を想像していたのだが、とんでもない!
全くもって現役ばりばりのみずみずしく豊かな音楽が見事なタッチを保ちつつ演奏されたのである。
私の不明を恥じた。
しかもありきたりの選曲ではなく、前半をすべてセヴラックのピアノ作品で埋めるというたくましい姿勢。
人間の能力の限りのなさを目の当たりにして、ただ頭を垂れるのみである。
ここでチッコリーニが豊かなタッチと正確な運指による素晴らしい演奏を聴かせてくれたことについてこまごまと言葉にする気がしない。
はじめから終りまで全体がこの上ない体験だった。
本物の音楽を聴いたという感覚-これは一生忘れえないコンサートの一つとなった。
アンコールで弾かれたスカルラッティのソナタ ホ長調は、チッコリーニのみに照明を当て、客席を真っ暗闇にした演出がされ、誰もが自分のために弾いてくれている感覚を味わえたのではないか。
出来ることならばもう一度体験したい。
セヴラックでもドビュッシーでも他の作品でも何でも構わない。
ぜひともお元気で生涯現役を貫いていただけたらどんなに素敵なことだろう。
すみだトリフォニーホールさん、お願いいたします!!
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