Every Little Thing/15th Anniversary Concert Tour 2011-2012“ORDINARY”(2011年10月9日 パシフィコ横浜国立大ホールほか)
Every Little Thing
15th Anniversary Concert Tour 2011-2012“ORDINARY”
2011年10月9日(日)17:30-20:00頃終演 パシフィコ横浜 国立大ホール(2階2列8番)
Every Little Thing
(以下セットリスト等ネタバレがあるのでご注意ください)
Set List
1. アイガアル
2. スイミー
~MC~
3. tomorrow
4. 恋文
5. fragile(別アレンジ)
~MC~
6. あたらしい日々(別アレンジ)
~MC~
7. 響-こえ-(別アレンジ)
8. またあした(別アレンジ)
9. Time goes by(別アレンジ)
10. STAR
11. Pray For East (Instrumental)
12. Medley: Someday, Someplace ~ FOREVER YOURS ~ Rescue me
13. Shapes Of Love
14. jump(金銀テープ発射)
~MC~
15. BEGIN
~Encores~
16. ORDINARY
17. 出逢った頃のように(別アレンジ)
18. Dear My Friend
19. ありがとうはそのためにある
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Every Little Thingの15周年記念ツアーは10月1日の浦安市文化会館からスタートしたが、その2本目の横浜公演を聴いた。
はじめて行くパシフィコ横浜はみなとみらい線の「みなとみらい」駅から徒歩で数分。
海沿いのなんとも雰囲気のあるロケーションである。
横浜には幼いころから長く住んでいた私だが、ここ10年前後ですっかりひらけてしまって、地元というよりはむしろ馴染みの薄い場所に来てしまったという印象。
駅に着くとちょうど横浜のジャズ祭のようなものが開かれていて、オープンスペースで演奏していたのを少しの間だが楽しむことが出来た。
西洋の町並みのような簡素なセットの中で、白いブラウスにひらひらしたスカートで登場した持田さんは、傘を手にして可愛らしいことこのうえない(数回衣裳替えがあった)。
月9の主題歌「アイガアル」で明るく始まったが、次に「スイミー」を聴けたのは個人的にうれしかった。
オリジナルのアレンジで、やはりとても魅力的な作品だ。
9月に発売されたばかりの10枚目のオリジナルアルバム“ORDINARY”の楽曲をところどころに挟みながら、過去のヒット曲も惜しみなく披露してくれて私にとっては大満足のセットリストだった。
特に大好きな「Someday, Someplace」のイントロが流れた時のうれしさといったらなかった。
出来ればメドレーではなく全曲フルで聴きたかったところだが、ほかの「FOREVER YOURS」も「Rescue me」も懐かしいイガちゃんサウンドであり、いやがおうにもテンションが上がる。
「Rescue me」はメドレーに含まれてはいたが、殆どフルの形で歌われたのではないか。
私個人としてはこのメドレー、最もわくわくしながら楽しんだ。
震災の前後に制作したという話の後に歌われた「響-こえ-」は、アコースティックバージョンでしっとりと聴かせてくれた(「宙-そら-」ではなくあえてこの曲を選んだのが意外!)。
本編の最後はアルバム曲の「BEGIN」だったが、この曲、最近のアルバム曲の中でも出色の出来ではないか。
詩・曲ともにこれほど感動を与えてくれるアルバム曲は久しぶりだ。
アルバムではファンのコーラス入りだったが、今回のライヴでもその箇所はマイクを聴衆に向けていた。
毎回お馴染みの「Shapes Of Love」も「Dear My Friend」も、聴衆にマイクを向ける箇所がいつもと異なり、久しぶりに彼女が歌ってくれたフレーズは新鮮だった。
「Dear My Friend」の“いつまでもそんな仲で、いたいゼー”というライヴ特有の歌詞変更もなく、今回はオリジナル通りの“いつまでもそんな仲でいたいよ”と歌っていた。
原点に立ち返ったということか、どの曲も大切に接しているのが感じられて感動的だった。
「出逢った頃のように」は今年のa-nationの映像で聴いたのと同じアレンジで、野性的なリズムと節回しが新鮮だ。
聴衆をも巻き込んで、一緒に歌って、さらに一体感が生まれた。
このようなライヴパフォーマンスのうまさはベテランの余裕が感じられた。
もっちーの声は非常に好調できれいな状態で高音も気持ちよく出ていたし、声量もかなりのものだった。
「恋文」のサビが若干不安定になったほかは、どの曲もほぼ安定した歌いぶりで充分満足できた。
今回は神奈川出身のいっくんの地元トークや、もっちーの10周年から15周年にかけての歌手としてのメンテナンスの話など、MCで笑いと涙を誘っていた。
毎回恒例のアホコールが今回なかったのは残念だが、ひょっとしたら、意図的というよりはうっかり忘れていたのではないか(観客をあおるMCはしていたので)。
私の席は2階の前から2列目で、比較的見やすい席だったが、2人のメッセージ入り金銀テープは2階席まで飛んでこなかったので今回も手に入らなかった。
まぁ次の機会の楽しみにとっておくことにしよう。
ライヴの成功に貢献したサポートメンバーは、バンマスがいつものナムナム氏ではなく十川氏だった他は、お馴染みのマッシー、ガッサン、鷹さんというメンツ。
温かく元気になれる素敵な時間を与えてくれたELTのメンバー、サポート陣、スタッフ、そして当日一緒に盛り上がった聴衆に感謝!
終了後に流れるエンディング曲はまた「Over and Over」のインストに戻っていた。
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(2012年1月21日追記)
大宮公演にも参加してきた。
2012年1月20日(金)19:00-21:45頃終演 大宮ソニックシティ 大ホール(1階32列28番)
セットリストは横浜公演のアンコールの「ORDINARY」と「出逢った頃のように(別アレンジ)」の間に新曲の「Landscape」が追加された以外は全く同じだった。
今回は前回よりもさらに素晴らしく持田さんの声はほぼ完璧でパワフルだった。
高音があれほど気持ちよく伸びるのを聴くのは生でははじめてかもしれない。
「Dear My Friend」は最高に盛り上がり、ステージと会場が完全に一体になったと思う。
衣裳も冒頭の可愛らしいひらひらスカート以外は横浜とは異なっていたように記憶するが、今回もまた実に魅力的。
MCでは伊藤さんも持田さんもベテランの余裕を感じて終始温かいコンサートだった。
これまで聞いたELTライブの中で私にとっては最高の一夜となった!
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(2012年3月17日追記)
ツアーも終盤にかかり、東京公演初日を聴いてきた。
2012年3月16日(金)19:00-22:00頃終演 東京国際フォーラム ホールA(1階43列5番)
今回は大宮公演と全く同じセットリスト。
ただ、震災から1年を過ぎたということもあり、持田さん、伊藤さん共に他の会場では見られなかった真剣な表情で話をする場面もあった。
「響-こえ-」は「宙-そら-」と同じサビ、別アレンジで作られたが、「宙-そら-」が震災前に音録りを終えていたのに対し、「響-こえ-」は震災後、余震の続く中制作されたとのこと。
持田さんの思いの深さが反映された作品となった。
今回も持田さんの声はパワフルでエネルギッシュ。
高音は楽々出て、回復した声で気持ち良さそうに歌う姿はファンにとって最高に嬉しい。
会場が一つになり、温かく楽しい空間を今回も味わえて、心に残るライヴとなった。
ただ、横浜、大宮公演でも感じたことだが、「恋文」のサビはどうも音程が不安定になりがちのようだ。
爆音の中で歌うので、聴力が弱くなっているのだとしたら心配だが、杞憂であってほしい。
MCも加えて3時間、一時も弛緩することのないELTの魅せるパフォーマンスはますます磨きがかかってきた。
今後のさらなる進化を見続けていきたい。
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