若かりしアーメリングの歌う「マタイ受難曲」ライヴ(1963年)
今年の1月28日朝にオランダのRadio4で若かりしアーメリングの参加した「マタイ」のライヴ音源が放送された。
私は放送後に知ったので、全曲を聴くことは出来なかったが(金曜日の午前なので知っていたとしてもリアルタイムでは聴けなかったが)、その中の最初の1時間45分ほどは以下のリンク先で現在も聴くことが出来る。
(1)第1曲~第4曲合唱"Wozu dienet dieser Unrat?(なにゆえにかかる濫費をなすか)"の前半(目盛りの01:14:50から約15分間)
(2)第4曲合唱後半~(1時間半)
J.S.バッハ(Bach)/「マタイ受難曲(Matthäus Passion)」 BWV244
録音:1963年4月11日, Grote Kerk, Naarden
エリー・アーメリング(Elly Ameling)(ソプラノ)
アーフィエ・ヘイニス(Aafje Heynis)(アルト)
トム・ブラント(Tom Brand)(福音史家:テノール)
アヤン・ブランケン(Arjan Blanken)(テノール)
ラウレンス・ボフトマン(Laurens Bogtman)(イエス:バス)
ダーヴィト・ホレステレ(David Hollestelle)(バス)
マックス・ファン・エフモント(Max van Egmond)(バリトン)
オランダ・バッハ協会合唱団(Nederlandse Bach Vereniging Koor)
アムステルダム平和学校合唱団(Vredesschool Koor Amsterdam)
バッハ管弦楽団(Bach Orkest)
アントン・ファン・デル・ホルスト(Anthon van der Horst)(指揮)
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アーメリングが国際的に活動を始める前(当時30歳)の貴重なライヴ。
テクニックはすでに完成されており、声は若々しく伸びやかで非常に美しい。
また、同じオランダ出身のアルト歌手、ヘイニスの温かみのある声と表現も聞きもの。
(2) 03:14~ 第6曲アルト・アリア"Buss' und Reu'(悔いの悲しみは)"
(2) 9分過ぎ~ 第8曲ソプラノ・アリア"Blute nur, du liebes Herz!(血を流せ、わが心よ!)"
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(2014年5月6日追記)
オランダのRadio4 Concerthuisで期間限定の全曲配信がされています。
こちら(←2019年4月7日現在、こちらのリンクで聞くことが出来ます)
お早目にどうぞ。
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コメント
いいものを聴かせていただきました、この曲の中間部をアーメリング以上に情感をこめて歌う歌手をほかに知りません、ちょっと鬼気迫る歌唱でもありますよね。
投稿: sbiaco | 2011年6月 6日 (月曜日) 00時18分
sbiacoさん、こんばんは。
喜んでいただけてうれしいです。
"Blute nur"の痛切な歌詞をアーメリングの無垢な声で聴くと、一層心に突き刺さってくるような気がします。声のボリュームもかなり余裕があった若い時期なのでおっしゃるように「鬼気迫る」ような表現も感じとれますね。
投稿: フランツ | 2011年6月 6日 (月曜日) 01時17分
アメリングとプライが聴きたいというだけの理由でミュンヒンガーの64年のマタイを買ったのを思い出しました(笑)
投稿: たか | 2011年6月19日 (日曜日) 10時06分
たかさん、こんにちは。
私もアーメリング目当てにミュンヒンガー盤を買ったくちです(笑)。
プライもヴンダーリヒもいて豪華なソリストでしたね。
投稿: フランツ | 2011年6月19日 (日曜日) 11時15分
私はアメリングのディスコグラフィーを持っていないので良く分からないのですが、私の知る限りでは1964年のマタイは同年のハルモニアムンディへのバッハのカンタータと並んでアメリングの最初期の録音だと思います。もっと前の録音ってありましたっけ?
ひょっとしてこの1963年のマタイの放送がレコードデビューのきっかけになったのかもしれませんね。
投稿: たか | 2011年6月20日 (月曜日) 22時52分
たかさん、こんばんは。
おっしゃるようにミュンヒンガーとの「マタイ」は彼女のメジャーレーベルへの最初期の録音と思われます。
しかし、CNRというレーベルへのリート録音というのもすでにありまして、Sandmanさんのディスコグラフィーのサイトに詳細があります(動画サイトでも聴くことが出来ます)。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~im_abendrot/AmelingDiscographyHP/Disk/CNR/HV532.html
1959年にオランダのピアニスト、ユールホルンと共に録音した歌曲集です。
彼女は1950年代後半に「魔笛」の第一の童子でも出演していて、最近ようやく全曲盤がMYTOレーベルからリリースされたようです(私も注文中です)。
オランダの放送局用には1950年代の録音も沢山残っているようですので、私も少しずつ整理して聴いていこうと思っています。
投稿: フランツ | 2011年6月20日 (月曜日) 23時25分
情報ありがとうございます。このマイナーレーベルは知りませんでした。正規盤でCD化してほしいですね。このHPの作者の方が持っているのだとしたら相当なお宝です。
投稿: たか | 2011年6月21日 (火曜日) 00時08分
たかさん、こんばんは。
たかさんもご存知ないレーベルとは相当レアですね。私もこのレコード、出来ることならば欲しいのですが、動画サイトにアップされているだけでも有難いことです。
投稿: フランツ | 2011年6月21日 (火曜日) 21時57分
フランツさん、こんにちは。
またまた、昔の記事へのコメントで申し訳ないですが・・・。
アメリングは、リートもとても素晴らしいですが、マタイをはじめとするバッハの宗教音楽で、声の美しさが際立っているように感じます(あくまで、私が聞いた範囲ですが)。
とても澄んでいるけれど温かい音質が、バッハの祈りの音楽をさらに癒しのあるものにしている気がします。
フィリップスにもヘルマン・プライさんと共演しているカンタータがあって、美声同士、温かい声同士でお気に入りです。
私はどうしても「声」で聴いてしまいます。
投稿: 真子 | 2013年7月19日 (金曜日) 16時11分
追伸
私も、プライさん目当てにミュンヒンガーの64年のマタイを買いました。
皆さん指揮者で買われると思っていたのでほっとしました(笑)
投稿: 真子 | 2013年7月19日 (金曜日) 16時19分
真子さん、こんにちは。
アーメリングは宗教曲の歌手としても人気がありましたね。
「とても澄んでいるけれど温かい音質」というのは全く同感です。聴きてを癒す力を彼女の歌唱は持っていたと思います。
プライとのバッハのデュエットの録音も素敵な演奏でしたね。
真子さんもミュンヒンガー指揮の「マタイ」をプライ目当てで買われたのですね。ひいきの歌手が歌っていれば聴きたくなりますよね。
投稿: フランツ | 2013年7月20日 (土曜日) 12時20分