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METライブビューイング《オリー伯爵》(2011年5月7日 新宿ピカデリー)

METライブビューイング2010-2011
ロッシーニ(Rossini)/《オリー伯爵(Le Comte Ory)》(新演出)(フランス語)
上演日:2011年4月9日
上映時間:2時間56分

2011年5月7日(土)10:00-(休憩1回含む) 新宿ピカデリー スクリーン6(B列6番)

指揮(Conductor):マウリツィオ・ベニーニ(Maurizio Benini)
演出(Production):バートレット・シャー(Bartlett Sher)
美術:マイケル・ヤーガン(Michael Yeargan)
衣裳デザイン:キャサリン・ズーバー(Catherine Zuber)
照明:ブライアン・マクデヴィット(Brian MacDevitt)

オリー伯爵(Count Ory):フアン・ディエゴ・フローレス(Juan Diego Flórez)(テノール)
女伯爵アデル(Countess Adèle):ディアナ・ダムラウ(Diana Damrau)(ソプラノ)
イゾリエ(Isolier):ジョイス・ディドナート(Joyce DiDonato)(メゾ・ソプラノ)
ランボー(Raimbaud):ステファン・ドゥグー(松竹の表記は“デグー”)(Stéphane Degout)(バリトン)
養育係(tutor):ミケーレ・ペルトゥージ(Michele Pertusi)(バス)
ラゴンド夫人(Ragonde):スサネ・レーズマーク(Susanne Resmark)(メゾ・ソプラノ)

The Metropolitan Opera

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「ニクソン・イン・チャイナ」以来久しぶりに、METライブビューイングを見てきた(ナタリ・ドゥセの歌う「ルチア」は見逃してしまったのでアンコール上映してくれることを期待)。
ロッシーニのオペラ「オリー伯爵」である。

いつもは始まる30分ぐらい前にこのシネコンに到着するのだが、今回は1時間前に到着したのが幸いだった。
当日券を購入したのだが、すでに前の2列の数席しか残っておらず、購入後ロビーで待っていると、開演30分前には完売とのアナウンスが流れた。
このオペラ(オリー伯爵)自体はそれほど頻繁に上演される作品ではないと思われるが、METの来日も近づき一度映画館で見ておこうというお客さんが多かったのだろうか。

「オリー伯爵」は私にとって初めて見る作品だった。
第1幕のほとんどは「ランスへの旅」からの流用なのだとか。
同じ音楽を自作の中で使い回すというのはいずこの時代にもあるのですね。
しかし、それが単なる繰り返しではなく、新しい筋の中で有効に生かされるように使われるのはやはりロッシーニの凄いところなのだろう。

十字軍遠征のために男不在となった城内の女性たち目当てに伊達男オリー伯爵一団が悩み相談をしたり、女巡礼者に変装してお城にまんまと入り込むという完全なるコメディー。
今回は、ロッシーニ時代の舞台を再現しようということで、裏方の装置を操作する人を俳優に演じさせたりしていたが、特に出ずっぱりだった年配の俳優がなかなか味わい深い。

主役を歌うフローレスもダムラウも実に芸達者。
仕草や顔の表情、歌い方も完全にコメディーに徹していながら、超絶技巧をこれでもかと繰り出してくるのは圧倒される凄さだった。
二人とも持っている声が澄んだ美しさと力強さを持っているので、コロラトゥーラでない場面の歌唱も非常に魅力的なのだ。
映画館の中だが、拍手したくなる場面もしばしば(もちろん我慢したが)。

ジョイス・ディドナート演じるイゾリエはいわゆるズボン役だが、容姿も含めてまさにはまり役。
普通の女性の役でも見てみたい才色兼備のメゾである。
伯爵のお付きランボー役のドゥグーも、伯爵の養育係役のペルトゥージも役になりきっていい歌手たちだったが、とりわけアデルと共に主人不在の城を守るラゴンド夫人役のレスマークというスウェーデンのメゾが貫禄を示して見事。
主役だけでなく全部の役に適材をあてた上質な素晴らしいコメディーを楽しめた。

ベニーニ指揮のオケ、合唱も美しく、奇をてらわないバートレット・シャーの演出も好感をもてた。

なお、今回の案内役はソプラノのルネ・フレミング。
次回作の「カプリッチョ」でマドレーヌを歌うことになっているが、彼女も他の歌手たち同様実に巧みなインタビュアーであった。
なお、この日の開演30分前になんとオリー伯爵を歌うフローレスが父親になったとのこと。
自宅で赤ちゃんを抱き上げてから急いで劇場に駆けつけたそうだ。

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