岡田博美(ピアノ)×ディアベリ変奏曲(2011年4月21日 トッパンホール)
岡田博美(ピアノ)×ディアベリ変奏曲
2011年4月21日(木)19:00 トッパンホール(C列4番)
岡田博美(Hiromi Okada)(piano)
ベートーヴェン(Beethoven)/ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 Op.26
Ⅰ Andante con Variazioni
Ⅱ Scherzo and Trio. Allegro molto
Ⅲ Marcia funebre sulla morte d'un eroe
Ⅳ Allegro
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109
Ⅰ Vivace, ma non troppo - Adagio espressivo
Ⅱ Prestissimo
Ⅲ Andante molto cantabile ed espressivo
~休憩~
ベートーヴェン/ディアベリの主題による33の変奏曲 ハ長調 Op.120
~アンコール~
シューベルト(Schubert)/楽興の時 第3番 ヘ短調 D780-3
-----------------
岡田博美のベートーヴェンのリサイタルを聴いた。
昨年はじめて彼の実演に接してすっかり魅了され、今回再び聴くことが出来るのを楽しみにしていた。
今回は「ディアベリ変奏曲」をメインに置き、その前に変奏曲を含むソナタ2曲を演奏するというプログラム。
よく考えられたプログラミングは、彼ならではだろう。
登場した岡田はいつもながら飄々としたもの。
演奏ぶりもベートーヴェンだからという気負いは全くない様子。
前半のソナタ2曲をなんでもないように演奏しながら、そこに込められた味わいは深い。
今回演奏する手がよく見える席だったのだが、指がとても細長く、それ自体が生き物のように鍵盤を這う。
手指に恵まれているということもピアニストとしては有利に働くだろうが、あくまで作品第一の姿勢を崩さない真摯な姿勢こそが岡田博美の演奏の魅力かもしれない。
今回後半のメインプロの「ディアベリ」は睡魔に襲われてしまいもったいないことをしたが、これは演奏の問題ではもちろんなく、私の体調管理が到らなかった為である。
演奏者に申し訳ないことをしてしまった。
いつか再度「ディアベリ」を演奏する時には私も万全の状況で聴かせていただくつもりである。
アンコールで弾かれた「楽興の時 第3番」のなんと愛らしかったことか。
| 固定リンク | 0
« 大萩康司&浦井健治/『プラテーロとわたし』ほか(2011年4月23日 川口リリア・音楽ホール) | トップページ | ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2011(2011年5月3日~4日 東京国際フォーラム&よみうりホール) »
「音楽」カテゴリの記事
「コンサート concert」カテゴリの記事
- 東京春祭 歌曲シリーズ vol.44:アドリアナ・ゴンサレス(ソプラノ)&イニャキ・エンシーナ・オヨン(ピアノ)(2025年4月8日 東京文化会館 小ホール(ネット席))(2025.05.10)
- リーズ・ソング(旧:リーズ・リーダー) Leeds Song (formerly:Leeds Lieder) 2025(2025.04.12)
- 東京春祭 歌曲シリーズ vol.43:クリスティアン・ゲルハーヘル(バリトン)&ゲロルト・フーバー(ピアノ) II(2025年3月22日 東京文化会館 小ホール(ネット席))(2025.03.28)
- エディット・マティス(Edith Mathis)来日公演(2025.03.07)
「ピアニスト pianist」カテゴリの記事
「ベートーヴェン Ludwig van Beethoven」カテゴリの記事
- ベートーヴェン「喜びに満ちては、苦しみにあふれ(Freudvoll und leidvoll, Op. 84/4)」(悲劇『エグモント』のための音楽("Egmont" Musik zu J. W. von Goethes Trauerspiel, Op. 84)より)(2023.04.15)
- ベートーヴェン「太鼓が鳴る(Die Trommel gerühret, Op. 84/1)」(悲劇『エグモント』のための音楽("Egmont" Musik zu J. W. von Goethes Trauerspiel, Op. 84)より)(2023.04.15)
- ベートーヴェン「ロプコヴィツ・カンタータ(Lobkowitz-Cantate, WoO 106)」(2023.01.20)
- ベートーヴェン「結婚式の歌(Hochzeitslied, WoO 105 (Hess 125, 124))」(2023.01.13)
- ベートーヴェン「修道僧の歌(Gesang der Mönche, WoO 104)」(2023.01.06)
コメント
実は今朝たまたまディアベリ変奏曲を、出勤前に聴いていました。これも素敵なコンサートですね。
投稿: 田中文人 | 2011年5月 2日 (月曜日) 22時49分
田中さん、こんばんは。
岡田博美さんはプログラミングにかなりこだわる人のようです。
今回も変奏曲という共通項で見事な選曲だったと思います。
それにしても、1曲だけ依頼された時には気乗りのしなかったテーマから33もの変奏曲を作ってしまうベートーヴェンはやはり只者ではないですね!
投稿: フランツ | 2011年5月 2日 (月曜日) 23時22分
フランツさんこんにちは。
わたしは岡田さんのアルベニスの「イベリア」のCDが好きで,実演も一度聴きました。ピアノに坐っていていると,まるで楽器と一体化しているように見え,生まれながらのピアニストのように思えますね。
「イベリア」はなんと言ってもラローチャの最後の録音が素晴らしいですが,岡田さんのもそれに迫る見事な出来栄えです。まだでしたら是非お聴きになってください。
投稿: 甲斐 | 2011年5月 7日 (土曜日) 09時39分
甲斐さん、こんにちは。
甲斐さんも岡田さんの実演を以前に聴かれていたのですね。おっしゃるように指を通して楽器と結びついているような感じですね。
岡田さんの録音は少しずつ集めているのですが、まだ「イベリア」は入手していません。
どんな国の作品でも変幻自在に対応してしまう岡田さんのことですからきっといい演奏なのでしょう。
ぜひ聴いてみたいと思います。ご紹介ありがとうございました。
投稿: フランツ | 2011年5月 7日 (土曜日) 19時20分