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METライブビューイング《ドン・パスクワーレ》(2010年12月5日 新宿ピカデリー)

METライブビューイング2010-2011
ドニゼッティ(Donizetti)/ドン・パスクワーレ(Don Pasquale)
上演日:2010年11月13日

2010年12月5日(日)10:00-13:07(休憩15分含む) 新宿ピカデリー スクリーン6(C列9番)

指揮:ジェイムズ・レヴァイン(James Levine)
演出:オットー・シェンク(Otto Schenk)
美術・衣裳デザイン:ロルフ・ランゲンファス(Rolf Langenfass)
照明:デュアン・シューラー(Duane Schuler)

ノリーナ(Norina):アンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)(S)
エルネスト(Ernesto):マシュー・ポレンザーニ(Matthew Polenzani)(T)
マラテスタ(Dr. Malatesta):マリウシュ・クヴィエチェン(Mariusz Kwiecien)(BR)
ドン・パスクワーレ(Don Pasquale):ジョン・デル・カルロ(John Del Carlo)(BSBR)

The Metropolitan Opera

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METライブビューイングの今期3作目を見に行った(2作目の「ボリス・ゴドゥノフ」は都合がつかず行けなかった)。
今回は新宿で見たが、前回よりも客の入りが良かったようで、前から3列目の若干見上げるような席ぐらいしか残っていなかったので、首が疲れた。

今回は「ラインの黄金」とはうってかわって、ドニゼッティのオペラブッファ「ドン・パスクワーレ」。
指揮者は同じくジェイムズ・レヴァインで、「ラインの黄金」の時のげっそりとした体格が嘘のようにたった1ヶ月で立派な体格に戻っていた。
まぁ健康を取り戻したということなのだろう。

筋は単純明快で、ノリーナという未亡人と若いエルネストが、裕福な老人ドン・パスクワーレに愛を妨げられそうになるが、仕返しをしながら最後には認めさせるという内容。
ドン・パスクワーレを歌ったジョン・デル・カルロがなんとも細かいところまでコミカルな表情や演技が染み付いていて楽しい。
決してタイトルロールが主役というわけではないのだろうが、今回デル・カルロの歌唱と演技に最も惹かれた。

ノリーナ役のネトレプコはソプラノだが重みというか太さのある声である。
これまで悲劇が多かったそうだが、今回のようなコミカルな歌唱にもぴったり合っていた。
おきゃん(死語?)な美貌の娘に見事になりきって魅力的に演じながら技巧的な歌もものの見事に決めていた。

エルンスト役のテノール、ポレンザーニと、タイトルロールの担当医マラテスタ役、クヴィエチェンも若々しい表現がぴったり役にはまっていていたように感じた。
エルンスト役はいつも悩んでいるような役柄だが、それがこの喜劇に奥行きを与えていたように感じられた。

あまり難しく考えずに気楽に芝居と歌を楽しめたオペラだった。
アリアも親しみやすく華やかで美しい曲がそろっていた。
演出も奇をてらわず、設定に忠実なものだったのではないだろうか。

なお、途中にはさまれたインタビューでは、スーザン・グレアムがインタビュアーとなって、出演者にマイクを向けていたが、グレアムもこういう仕事に手馴れた感じだったのは見事だった。

余談だが、最近Hyperionレーベルでジュリアス・ドレイクのピアノでスタートしたリスト歌曲全集の第1巻を買ってきたところ、エルンストを歌っていたマシュー・ポレンザーニがこの巻の担当で、ドイツ語、イタリア語の歌曲(「ペトラルカのソネット」も含む)を素敵に歌っていた。
オペラでのベルカントとは異なる細やかなドイツリートの表現にも対応できる優れた歌手なのだと感銘をあらたにしたところである。

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