ティベルギアン/ピアノ・リサイタル(2010年12月7日 浜離宮朝日ホール)
セドリック・ティベルギアン ピアノ・リサイタル
2010年12月7日(火) 19:00 浜離宮朝日ホール(1階3列9番)
セドリック・ティベルギアン(Cédric Tiberghien)(piano)
ショパン(Chopin)作曲
スケルツォ第1番ロ短調op.20(Scherzo No.1 in B minor)
マズルカ第11番ホ短調op.17-2(Mazurka in E minor)
マズルカ第13番イ短調op.17-4(Mazurka in A minor)
3つのマズルカop.59(Three mazurkas)
イ短調
変イ長調
嬰ヘ短調
「幻想ポロネーズ」変イ長調op.61(Polonaise-Fantaise in A-flat major)
~休憩~
ラヴェル(Ravel)作曲
夜のガスパール(Gaspard de la Nuit)
オンディーヌ(水の精)
絞首台
スカルボ
ドビュッシー(Debussy)作曲
仮面(Masques)
スケッチ帳より(D'un Cahier d'Esquisses)
喜びの島(L'Isle Joyeuse)
~アンコール~
ドビュッシー/「前奏曲集第一集」より第10曲「沈める寺(La cathédrale engloutie)」
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ピアニストのセドリック・ティベルギアンのリサイタルを当日券で聴いてきた。
前半がショパン、後半がラヴェルとドビュッシーという内容で、変化に富んだ音楽を堪能できた一夜だった。
ショパンではマズルカを中心に、スケルツォとポロネーズを両端で挟み込んだ流れになっている。
ティベルギアンの実演を聴くのはすでに三度目。
登場したティベルギアンは外出先からそのまま来たようなベージュの一見ラフっぽい格好だったが、それすら決まって見えるほどだ。
彼の演奏は、長身を折り曲げて弾く姿勢が個性的で、かなり鼻息荒く、時には言葉のようなものすら聞こえてくる。
往年のカナダのカリスマピアニストを意識しているのだろうか。
恵まれた細長い指を持っているが、時に勢いに任せる箇所もあるものの、基本的には内面に向かう表現をしていたように感じた。
バリバリ弾くタイプではなく、むしろ弱音を主体にした演奏だった為、沸き立つようなリズム感覚よりも沈潜した方向を目指している印象だ。
ショパンも繊細で良かったが、後半のラヴェルでは彼のテクニックの冴えもあってさらに印象的だった。
ドビュッシーも悪くなかったが、アンコールで弾かれた「沈める寺」では連続して出てくる低音が芯のあるずっしりとした音で、しかもうるさくならず、こういう音が出せるのはすごいと思った。
なお、会場内にはマイクが何本も立っていて、カメラらしきもの(無人)も数台確認できたので収録されていたのかもしれない。
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