三原剛&晋友会&尾高忠明指揮日本フィル/ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」ほか(2010年10月23日 サントリーホール)
日本フィルハーモニー交響楽団
第624回定期演奏会
2010年10月23日(土) 14:00 サントリーホール(1階2列28番)
三原剛(MIHARA Tsuyoshi)(バリトン:ウォルトン)
晋友会合唱団(Shin-yu kai Choir)(合唱:ウォルトン)
日本フィルハーモニー交響楽団(Japan Philharmonic Orchestra)
尾高忠明(OTAKA Tadaaki)(指揮)
オネゲル(Honegger)/交響詩《夏の牧歌》(Pastorale d'ete)
ラヴェル(Ravel)/《マ・メール・ロワ》(Ma mere l'Oye)
眠りの森の美女のパヴァーヌ
親指小僧
パゴダの女王レドロネット
美女と野獣の対話
妖精の園
~休憩~
ウォルトン(Walton)/オラトリオ《ベルシャザールの饗宴》(Belshazzar's feast)
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ウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」を目当てに先週の土曜日、日本フィルの定期公演に出かけてきた。
日本フィルのコンサートは一体何年ぶりだろうか。
この「ベルシャザールの饗宴」は随分昔に一度生で聴いたことがあるはずだが、誰がいつ演奏したものか記憶が定かでない。
ところで「ベルシャザール」といえば、シューマンも同じ題材のハイネの詩により歌曲を書いているが、ウォルトンは独唱、合唱、オーケストラという大きな編成でドラマティックなオラトリオに仕上げている。
今回の歌手は三原剛。
名前は随分前から知っていたもののこうしてじっくり生で聴くのははじめてかもしれない。
巧みな言葉さばきで聴き手を魅了し、歌声もバリトンの重みと軽やかさの両者を兼ね備えた、なかなかの実力者と感じた。
尾高忠明の細やかで説得力に満ちた指揮によって、日本フィルは実に雄弁に表現していて素晴らしかった。
合唱も男女とも迫力に満ち、充分な満足感を味わうことが出来た(舞台反対側のP席が合唱団で埋め尽くされるのは視覚的にも珍しく、壮観であった)。
ただ私にとって音楽と同じぐらいに目当てにしていたのが配布されるプログラムに掲載された歌詞対訳。
国内盤CDがすべて廃盤になっている現状では、定期演奏会の無料パンフレットは有難い資料となる。
ちなみに前半最初のオネゲルの「夏の牧歌」という曲ははじめて聴いたが、静謐な曲。
非常に清涼感に満ちていて、素敵な作品だった。
「マ・メール・ロワ」は配布プログラムの記載に7曲からなるバレエ組曲と掲載されてしまったが、実際はピアノ連弾版をオーケストレーションした5曲版である旨、プレトークで國土潤一氏が説明していた。
なんでも初日はプログラム記載の誤りに気付かず、事前のアナウンスもないまま5曲版を演奏してしまったとのこと。
バレエ版を期待していたお客さんは落胆されたことだろう。
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