« ジョーン・サザランド逝去 | トップページ | 三原剛&晋友会&尾高忠明指揮日本フィル/ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」ほか(2010年10月23日 サントリーホール) »

ブレハッチ/ピアノ・リサイタル(2010年10月19日 東京オペラシティコンサートホール)

Blechacz_20101019

ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル
ショパン生誕200周年記念<オール・ショパン・プログラム>

2010年10月19日(火)19:00 東京オペラシティコンサートホール(2階R1列11番)
ラファウ・ブレハッチ(Rafał Blechacz)(ピアノ)

ショパン(Chopin)作曲

バラード第1番ト短調 作品23
Ballade No.1 in G minor Op.23

3つのワルツ 作品34
Three Waltzes Op.34
 変イ長調
 イ短調
 ヘ長調

スケルツォ第1番ロ短調 作品20
Scherzo No.1 in B minor Op.20

~休憩~

2つのポロネーズ 作品26
Two Polonaises Op.26
 嬰ハ短調
 変ホ短調

4つのマズルカ 作品41
Four Mazurkas Op.41
 嬰ハ短調
 ホ短調
 ロ長調
 変イ長調

バラード第2番ヘ長調 作品38
Ballade No.2 in F major Op.38

~アンコール~
マズルカ第31番変イ長調 作品50-2
ポロネーズ第6番変イ長調「英雄」
ノクターン第20番嬰ハ短調

--------------------------

本当はラドゥ・ルプーのチケットを入手していて、そちらに行く予定だったのだが、京都での公演後に体調を崩したとのことでキャンセル(京都で聞けた人がうらやましい)。
せっかくなので、いつか聴こうと思っていたポーランドのピアニスト、ラファウ・ブレハッチのコンサートを当日券で聴いてきた。
舞台右側の真横の2階席で、演奏者の顔を真正面から見れると思ったら、ピアノの蓋が邪魔をして表情はたまにちらっと見える程度。
しかし、演奏する様子ははっきり分かったので充分楽しめた。

それにしてもあの巨大なオペラシティのコンサートホールの客席が見事なほどに埋まっている。
しかもいつも私が行くコンサートよりも明らかに若年層の割合が多い。
ショパンコンクール優勝(2005年)の威力をまざまざと見せ付けられた形だ(つい先日開かれた今年のコンクールの優勝者はロシア出身のユリアンナ・アブデーエワ)。

プログラム構成は最初と最後にバラードを置き、その間にワルツ、スケルツォ、ポロネーズ、マズルカといった様々なスタイルの作品を織り込んだ、ショパンの多様さを味わえる内容。

登場したブレハッチは華奢で繊細な印象。
ブレハッチの演奏を聴いた印象はとても清潔感のある端正な表現をする人だなぁということ。
余韻を非常に大切にして演奏する。
テクニックは万全と感じられたが、決してスタンドプレーに走らず、あくまで作品重視の姿勢に好感をもった。
丁寧な姿勢は一貫して感じられ、ショパン弾きにありがちな自己主張という名の歪みがないのが心地よい。
一方、作品から滲み出る味わいとか深みといった要素は、ブレハッチが年齢を重ね経験を積むことによって徐々に加わっていくことだろう。
彼はまだ25歳とのこと。
今現在の等身大のショパンを魅力的に聴かせてくれたということで充分に感銘を受けたコンサートだった。

残念だったのは、最後の「バラード第2番」の終わり寸前あたりの静かな箇所で客席から携帯の着信音が響いたこと!
毎回開演前に耳にたこが出来るほど聞かされる「携帯の電源はあらかじめ切っておいてください」という案内ももうそろそろいいだろうと思っていたが、まだ必要なようだ。

Blechacz_20101019_chirashi

アンコール2曲目の「英雄」ポロネーズは乗りに乗った演奏で素晴らしかった(今年は沢山のショパンのコンサートに出かけたが、「英雄」ポロネーズを実演で聴けたのは何故か今年はじめてだった)。
聴衆の熱狂も凄く、アンコールではスタンディングオーベーションをしている人もいた。
だがアンコール最後の「戦場のピアニスト」で有名な「ノクターン第20番」では最後の音が消える前に拍手が起きてしまったのはちょっと残念だ。

今後の活躍が楽しみなピアニストをまた知ることが出来たコンサートだった。

|

« ジョーン・サザランド逝去 | トップページ | 三原剛&晋友会&尾高忠明指揮日本フィル/ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」ほか(2010年10月23日 サントリーホール) »

コンサート」カテゴリの記事

ショパン」カテゴリの記事

ピアニスト」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

私もブレハッチの名古屋での演奏会へ行きましたが、プログラムはもちろん、アンコールの3曲までまったく一緒とは驚きました。昔からなのか、最近のことなのか、コンクールで優勝した若き演奏家がマスコミによって過大に評価、宣伝されて、チケットの値段が高騰しているのには、違和感を覚えています。日本では無名でチケットは安くても、とてもいい演奏家はいるのに・・・。

投稿: anator | 2010年10月24日 (日曜日) 22時58分

anatorさん、こんばんは。
anatorさんのご感想もブログで拝見しました。
確かにコンクール優勝という箔がつくことで、せっかくの才能を商売のために酷使してしまうのはよくないですね。ブレハッチはそうならないことを願っています。
無名の人の中に素晴らしい演奏家が沢山いるという点、全く同感です。ただ、全く知らない人のコンサートに出かけるのは一つの賭けでもあり、チケットを買って聴くほど素晴らしい演奏者かどうか迷うこともあります。そのへんは難しいなぁとよく思います。

投稿: フランツ | 2010年10月24日 (日曜日) 23時22分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/150976/49834373

この記事へのトラックバック一覧です: ブレハッチ/ピアノ・リサイタル(2010年10月19日 東京オペラシティコンサートホール):

« ジョーン・サザランド逝去 | トップページ | 三原剛&晋友会&尾高忠明指揮日本フィル/ウォルトン「ベルシャザールの饗宴」ほか(2010年10月23日 サントリーホール) »