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ヴォルフ/俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!(Trunken müssen wir alle sein!)

Trunken müssen wir alle sein!
 俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!

Trunken müssen wir alle sein!
Jugend ist Trunkenheit ohne Wein;
Trinkt sich das Alter wieder zu Jugend,
So ist es wundervolle Tugend.
Für Sorgen sorgt das liebe Leben,
Und Sorgenbrecher sind die Reben.
 俺たちゃみんな酔っ払わなくちゃ!
 若さとはワインなしで酩酊すること。
 老いたら若返るために酒を飲む。
 このように素敵な効能があるのだ。
 人生では心配事に気を揉んでは、
 憂さ晴らしにワインを飲むというわけ。

Da wird nicht mehr nachgefragt!
Wein ist ernstlich untersagt.
Soll denn doch getrunken sein,
Trinke nur vom besten Wein!
Doppelt wärest du ein Ketzer
In Verdammnis um den Krätzer.
 それならもう聞かないでくれ!
 ワインは厳格に禁止されているのだ。
 それでも飲みたいというのなら
 最高級のワインだけを飲め!
 さもないと二重の意味で劫罰を受ける異端者となってしまうぞ、
 安物のワインを飲んだかどで。

詩:Johann Wolfgang von Goethe (1749-1832)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ヴォルフ作曲の歌曲集「ゲーテの詩」の第35曲。
1889年1月18日夕方, Döbling作曲。

ゲーテの「西東詩集(West-östlicher Divan)」の"Schenkenbuch"に含まれる詩による。

この歌曲をはじめて聴いたのは、F=ディースカウとバレンボイムによる録音だったが、私にとっては本当に衝撃的だった。
歌もピアノも乱痴気騒ぎに徹して、最初から聴き手を興奮の渦に巻き込んでしまう。
こういうタイプの歌曲はヴォルフによってはじめて聴くことの出来るタイプの作品だった。
瞬発力とリズムの切れが歌手にもピアニストにも求められるため、そう頻繁に聴くことが出来ないのが残念である。

Bacchantisch(酔っ払って)
8分の6拍子 - 4分の2拍子 - 8分の6拍子
嬰ヘ短調
全82小節
歌声部の最高音:2点嬰ヘ音
歌声部の最低音:1点嬰ホ音

動画サイトでは今のところ以下の1件のみ見つかった。

Reina Boelens & Vaughan Schlepp
この曲の女声による歌唱は珍しい。
歌の入りを間違えてはいるが、全体的に魅力的な演奏。

シュライアーとサヴァリッシュによる録音がかなり良かったので機会があればぜひ!

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