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アントニー・ロルフ=ジョンソン(Anthony Rolfe-Johnson)逝去

SNSサイトの方の日記で知ったのだが、イギリスの名テノール、アントニー・ロルフ=ジョンソン(Anthony Rolfe-Johnson)が亡くなったそうだ(1940.11.5, Tackley, Oxfordshire – 2010.7.21)。
長いことアルツハイマーを患っていたそうだが、直接の原因についてはどのサイトにもはっきり記されていないようだ。

オペラや宗教曲で多くの名演を残していることはよく知られているだろうが、私にとってロルフ=ジョンソンというと、Hyperionのシューベルト歌曲全集第6巻で夜に因んだ作品を歌っていたCDが最も印象深い。
また、この全集の最終巻でも再び登場して歌曲集「白鳥の歌」の中のハイネ&ザイドル歌曲を担当していたのも思い出される。
先日のラングリッジといい、今回のロルフ=ジョンソンといい、シューベルト歌曲全集で知った歌い手が続々と去っていくのは寂しいことだ。

合掌

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シューベルト歌曲全集6(The Hyperion Schubert Edition - 6)
「夜のシューベルト(Schubert & the Nocturne I)」

ミュージック東京: Hyperion: NSC156 (CDJ33006)
録音:1989年9月29-30日, Rosslyn Hill Unitarian Chapel, Hampstead, London, United Kingdom

アントニー・ロルフ・ジョンスン(Anthony Rolfe-Johnson)(テノール)
グレアム・ジョンスン(Graham Johnson)(ピアノ)

3&16
with Alan Armstrong(T) Jason Balla(T) Mark Hammond(T) Philip Lawford(T) Arthur Linley(T) Richard Edgar-Wilson(T)
David Barnard(BR or BS) David Beezer (BR or BS) Duncan Perkins(BR or BS) James Pitman(BR or BS) Christopher Vigar(BR or BS)

シューベルト作曲
1~2.夜(Die Nacht)D534('Ossian' translated by Harold)(completed by Anton Diabelli)(8'28/4'58)
3.狩の歌(Jagdlied)D521(Werner:詩)(1'34)
4.夕星(Abendstern)D806(Mayrhofer:詩)(2'45)
5.夕暮れにぼだい樹の木の下で(Abends unter der Linde)(第1作)D235(Kosegarten:詩)(2'41)
6.夕暮れにぼだい樹の木の下で(Abends unter der Linde)(第2作)D237(Kosegarten:詩)(4'37)
7.揺りかごのなかの子供(Der Knabe in der Wiege 'Wiegenlied')(第1稿)D579(Ottenwalt:詩)(3'50)
8.はるかな恋人に寄す夕べの歌(Abendlied für die Entfernte)D856(August Wilhelm von Schlegel:詩)(8'23)
9.逢瀬と別れ(Willkommen und Abschied)(第1稿)D769(Goethe:詩)(3'31)
10.これがわたしの揺りかごだった(Vor meiner Wiege)D927(Leitner:詩)(5'31)
11.子供を抱く父(Der Vater mit dem Kind)D906(Bauernfeld:詩)(4'34)
12.漁夫の愛の幸せ(Des Fischers Liebesglück)D933(Leitner:詩)(7'19)
13.星(Die Sterne)D939(Leitner:詩)(3'30)
14.アリンデ(Alinde)D904(Rochlitz:詩)(4'44)
15.リュートに寄す(An die Laute)D905(Rochlitz:詩)(1'35)
16.お休みの挨拶(Zur guten Nacht)D903(Rochlitz:詩)(3'52)

(日本語表記はCD付属の日本語帯に従った)

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ロルフ・ジョンソンの歌は基本的に言葉の内容を丁寧なディクションで、細やかな声色、表情を加えて表現していくというものである。
絞り込んだ弱声や声の粘りの使用など、ネイティヴの人とは異なる視点から詩を表現していく。
また、聴くほどに味わいを増していく人間味あふれた歌でもあった。
イギリス歌曲も含めて、彼の遺してくれた録音にこれからも耳を傾けてみようと思う。

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