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モーリーン・フォレスター(Maureen Forrester)逝去

カナダのコントラルト歌手、モーリーン・フォレスター(Maureen (Katherine Stewart) Forrester: 1930.7.25,Montreal – 2010.6.16,Toronto)が亡くなった。
彼女は「大地の歌」をブルーノ・ヴァルター指揮で歌ったり、歌曲集「少年の魔法の角笛」を録音したりと、マーラー作品を得意にしていたようだ。
また、ヴァーグナーの「ラインの黄金」「トリスタンとイゾルデ」などオペラでも活躍していた。

私が彼女の名前を意識したのは、オランダのEtceteraレーベルから出ていたソプラノのリタ・シュトライヒとの二重唱曲集(Jerzy Machwilskyのピアノ)の録音である。
メンデルスゾーン、ブラームス、シューマンのなかなか聴けない二重唱曲の名作が集められており、貴重な録音だった。
現在は入手困難のようだが、以下のサイトで試聴できる。
 こちら(Reinhörenをクリック)
ちなみに私はブラームスの「海(Die Meere)Op.20-3」という曲が気に入っている。

コントラルト歌手はともすれば地味な印象を与えがちだが、じっくり聴きこむとなんともいえない包み込まれるような心地よさを感じる。
フォレスターはそのような包容力を感じさせてくれる歌手だったのではないだろうか。
来日したことがあるのかどうか分からないが、実演で聴けなかったのは残念である。

フォレスターの経歴やディスコグラフィについては以下のサイトが詳しい。
 こちら

彼女は1953年以来、ドイツ生まれのカナダ人ピアニスト、ジョン・ニューマーク(John Newmark: 1904.6.12,Bremen - 1991.10.14,Montreal)と共に歌曲リサイタルも多く催していたようだ。
このコンビの映像が以下で聴ける。

Blow the wind southerly
(イギリス民謡をジェラルド・ムーアが編曲したもの)
フォレスターの各節ごとの表情の付け方の細やかさと深みのある声が素晴らしい。

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コメント

モーリーン・フォレスターさんの映像をいくつか楽しませていただきました。我がことで恐縮ですが、若き頃イギリスでお世話になったランドレディに豊かな髪やその風貌がどこかしら似ていて妙に親しみを覚えたのですが、そうですか、逝去されましたか。因みにランドレディの名もモーリーンさんでした。イギリス人には珍しい料理の達人でした。
それにしてもネットでいくつか回ってみましたら、マーラーのUrlichtを見事に歌っていましたが、指揮があのグールドなので驚きました。同じカナダ人といってしまえばそれまでですが。
ところで、フォレスターさんも料理は上手だったのでしょうか・・・・・・。

投稿: Zu-Simolin | 2010年7月 7日 (水曜日) 15時52分

Zu-Simolinさん、おはようございます。
ご返事が遅くなりすみません。
Zu-Simolinさんはイギリスにいらっしゃったのですね。
フォレスターのイメージとだぶる女性がおられたとのこと、素敵な方だったのでしょうね。
フォレスターの容貌は確かにスターというよりもどこにでもいそうな親しみを感じさせるように思います。
料理の腕前はどうだったのでしょうね。

ところで「原光」の歌唱、素晴らしいですね。
グールドの指揮というのもはじめて映像で見ましたが、こんなのが残っていたとは貴重ですね。

投稿: フランツ | 2010年7月 8日 (木曜日) 05時29分

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