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ヴォルフ/炭焼き女が酔っ払って(Das Köhlerweib ist trunken)

Das Köhlerweib ist trunken
 炭焼き女が酔っ払って

Das Köhlerweib ist trunken
Und singt im Wald,
Hört,wie die Stimme gellend
Im Grünen hallt!
 炭焼き女が酔っ払って
 森の中で歌っているわ。
 聞いて、あの耳も割れんばかりの声が
 緑の中に響きわたっているでしょう!

Sie war die schönste Blume,
Berühmt im Land;
Es warben Reich' und Arme
Um ihre Hand.
 彼女は最も美しい名花として
 国中に聞こえていたの。
 富める者も貧しい者も
 彼女を手にいれようと必死だったわ。

Sie trat in Gürtelketten
So stolz einher;
Den Bräutigam zu wählen,
Fiel ihr zu schwer.
 彼女は鎖のベルトをしめて、
 乙に澄まして歩いていた。
 でも婿選びは
 苦手だったのね。

Da hat sie überlistet
Der rote Wein -
Wie müssen alle Dinge
Vergänglich sein!
 それで彼女は
 赤ワインに溺れてしまった。
 万事が
 なんてはかない定めなのでしょう!

Das Köhlerweib ist trunken
Und singt im Wald;
Wie durch die Dämmrung gellend
Ihr Lied erschallt!
 炭焼き女が酔っ払って
 森の中で歌っているわ。
 黄昏の中、耳をつんざく
 彼女の歌が響きわたっている!

詩:Gottfried Keller (1819-1890)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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「古き調べ、ケラーの六つの詩(Alte Weisen, sechs Gedichte von Keller)」の第5曲。

詩は、かつて美貌を誇り、おつに澄まして男を寄せ付けなかった炭焼きの女性が、伴侶選びにしくじり、酒に溺れて聴くにたえない歌を歌うようになったという話を第三者の立場で語る。

ヴォルフは、昔日の面影を残さない哀れな酔っ払いの女性を、強烈な音楽で徹底的に皮肉った。
ピアノパートは前打音付きのオクターブの動機が耳をつんざくような女性の金切り声を描写し、酔っ払っている様を得意のトリルや急速なパッセージで表現する。
歌い手は、詩に従って第三者の視点を保ち、婿選びに失敗した箇所やワインに溺れたくだりも特に強調することなく、一つの話として急速なテンポの流れにのせてあっという間に歌いきる。

一度聴いたら忘れられない強烈な印象を残す音楽である。

Wild und sehr lebhaft(荒々しく、非常に生き生きと)
8分の3拍子
ニ短調
全102小節(うち前奏4小節、後奏12小節)
歌声部の最高音:2点ト音
歌声部の最低音:1点ハ音

以前、この歌曲を投稿サイト「詩と音楽」に掲載していただいたので、よろしければそちらもご覧下さい。
 「詩と音楽」

キルヒシュラーガー(MS)&ドイチュ(P)
以下のサイトの26曲目の"reinhören"をクリックするとかなり長く試聴できます。
 こちら

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