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ヴォルフ/朝の気分(Morgenstimmung)

Morgenstimmung
 朝の気分

Bald ist der Nacht ein End' gemacht,
Schon fühl' ich Morgenlüfte wehen.
Der Herr, der spricht: »Es werde Licht!«
Da muß, was dunkel ist, vergehen.
Vom Himmelszelt durch alle Welt
Die Engel freudejauchzend fliegen;
Der Sonne Strahl durchflammt das All.
Herr, laß uns kämpfen, laß uns siegen!
 じきに夜が明ける、
 すでに朝の風が吹くのを私は感じている。
 主は言われる「光あれ!」
 すると暗きものは消えねばならない。
 天空から全世界を通り
 天使たちが歓呼して飛び回る。
 太陽の光は万物を輝かせる。
 主よ、我らが闘って、勝利するよう導きたまえ!

詩:Robert Reinick (1805-1852)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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「ローベルト・ライニクの三つの詩(Drei Gedichte von Robert Reinick)」は、異なる時期に作曲されたライニクの詩による歌曲を3曲まとめた歌曲集であり、「朝の気分」はその第2曲目で1896年9月8日~10月23日に作曲された。
ライニクは詩人と画家の二足の草鞋を履いた人で、ヴォルフが生まれる8年前に亡くなっている。

詩は文字通り朝を迎えた心境を歌ったもので、信仰深い印象を受ける。

曲は静謐で神秘的に始まり、神が「光あれ!」と言う箇所で一度盛り上がる。
その後、再び冒頭の音楽に回帰し、天使が舞い降りる様を模すような宗教的な響きを経て、最後に一日の闘いに勝利できますようにと高らかに歌い上げ、ピアノパートのファンファーレで壮大に締めくくる。

Mässig、8分の6拍子、ホ長調。
全60小節。
歌声部の最高音は2点嬰ト音、最低音は嬰ロ音。

Dietrich Fischer-Dieskau (baritone) Gerald Moore (piano)
 明晰なディースカウの歌とぴったり寄り添うムーアのピアノ。名演である。

Christa Ludwig (mezzosopran) Charles Spencer (Klavier)
 1994年10月28日 東京でのルートヴィヒ引退公演より。
 2曲目が「朝の気分」(2:18~)。
 まだまだルートヴィヒの母性あふれる豊かな声は健在だった。

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コメント

こんにちは。
最近のヴォルフに関するお記事と、紹介の動画を楽しませていただいております。ドイツ語についてはホント無知ですので、英語がそえられていることでなんとか聴いていますが、何より記事にお載せの翻訳がありがたいというものです。
それにしても、クリスタ・ルードヴィッヒの姿、懐かしい!

投稿: Zu-Simolin | 2010年4月20日 (火曜日) 17時19分

Zu-Simolinさん、こんばんは。
楽しんでいただけて、こちらこそ有難く思います。
私のドイツ語は公開するようなレベルではないかもしれませんが、なるべく原詩に近い日本語に置き換えることを心掛けています。
そうすることで作曲家がある言葉にどのような音楽を付けているかが分かるのではないかと思います。
クリスタ・ルートヴィヒのフェアウェル・コンサートは私も聴きに行ったのですが、まだまだ引退するとは思えないほど立派な声だったのを懐かしく思い出します。

投稿: フランツ | 2010年4月20日 (火曜日) 21時34分

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