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ヴォルフ/ペンナに住んでる恋人がいるの(Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen)

Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen
 ペンナに住んでる恋人がいるの

Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen,
In der Maremmenebne einen andern,
Einen im schönen Hafen von Ancona,
Zum Vierten muß ich nach Viterbo wandern;
Ein andrer wohnt in Casentino dort,
Der nächste lebt mit mir am selben Ort,
Und wieder einen hab' ich in Magione,
Vier in La Fratta,zehn in Castiglione.
 ペンナに住んでる恋人がいるの、
 マレンマの平野にも一人いるし、
 アンコーナの素敵な港にだって一人いるわ、
 四人目はヴィテルボまで行かなきゃなんないけどね。
 カセンティーノの方にはさらに一人いて、
 もう一人はあたしと同じ町にいるのよ。
 それから、マジョーネにもう一人いて、
 ラ・フラッタには四人、カスティリオーネには十人もいるんだから。

訳詩:Paul Johann Ludwig von Heyse (1830-1914)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ヴォルフの歌曲集「イタリアの歌の本(Italienisches Liederbuch)」はイタリア起源の詩にパウル・ハイゼが独訳した詩をテキストにしており、2巻全46曲の小さな歌曲から成っている。
この「あたし、ペンナに住んでる恋人がいるの」は歌曲集の最後を飾る第2巻第24曲目に置かれている。
1896年4月25日作曲。

モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」中のレポレッロのアリア「カタログの歌」の女性版と言われるが、この女性、文字通りにとらえれば現在21股をかけていることになる。
しかし、浮気者の単なる自慢というよりは、目の前にいる彼氏の嫉妬心をかきたてて喜んでいるようにも見える。
どこか憎めない愛嬌のある女性がイメージされる。

ヴォルフの音楽は急速なテンポで早口に歌われ、1分に満たない短い曲だが、ピアノの技巧的で華麗な後奏がついており、歌手、ピアニストともに見せ場をつくって曲集を締めくくる。

Elisabeth Schwarzkopf(soprano) Geoffrey Parsons(piano)
1976年アムステルダムでのライヴ映像。
せっかくのパーソンズの名人芸的なピアノ後奏が拍手でかき消されて気の毒だが、当時の歌曲リサイタルはピアノの最後の音を待ってから拍手という慣習がなかったのだろうか。

私がかつて、この曲の訳詩とコメントを「詩と音楽」に投稿した記事がありますので、参考までにリンクしておきます。
 こちら

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