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ヴォルフ/隠遁(Verborgenheit)

Verborgenheit
 隠遁

Laß, o Welt, o laß mich sein!
Locket nicht mit Liebesgaben,
Laßt dies Herz alleine haben
Seine Wonne, seine Pein!
 おお世間よ、私を放っておいてくれ!
 施し物でおびき出そうとしないでおくれ、
 この心だけに
 喜びや苦しみを味わわせておくれ!

Was ich traure, weiß ich nicht,
Es ist unbekanntes Wehe;
Immerdar durch Tränen sehe
Ich der Sonne liebes Licht.
 何が悲しいのか自分でも分からない、
 未知の悲しみなのだ。
 いつも涙を流しながら
 私は太陽のいとしい光を見る。

Oft bin ich mir kaum bewußt,
Und die helle Freude zücket
Durch die Schwere, so mich drücket,
Wonniglich in meiner Brust.
 しばしばほとんど意識しないまま
 明るい歓喜が
 私を圧迫する困難を通り抜けて
 胸の中で喜びに満ちて光ることがある。

Laß, o Welt, o laß mich sein!
Locket nicht mit Liebesgaben,
Laßt dies Herz alleine haben
Seine Wonne, seine Pein!
 おお世間よ、私を放っておいてくれ!
 施し物でおびき出そうとしないでおくれ、
 この心だけに
 喜びや苦しみを味わわせておくれ!

詩:Eduard Friedrich Mörike (1804-1875)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ヴォルフの53曲からなる歌曲集「メーリケの詩(Gedichte von E.Mörike)」の第12曲。
1888年3月13日(ヴォルフ28歳の誕生日!)作曲。

ヴォルフの歌曲の中で最もポピュラーなものの1つで、歌声部の旋律は素直で親しみやすい。
一見ヴォルフらしさの薄い作品にも思えるが、ピアノパートには半音階進行も見られ、紛れもなくヴォルフの刻印が刻まれている。

動画サイトには世界各国の若者たちの演奏が多くアップされており、いかによく歌われているかが感じられた。

Lotte Lehmann(S)(静止画)
ここで往年の名ソプラノ、ロッテ・レーマンはヴォルフの歌曲を3曲歌っているが、2曲目「隠遁」は2分40秒ぐらいから始まる。
ポルタメントがなんともいいようのない味わいを加味している。

Tiziana Portoghese(mezzosoprano), Francesco Basanisi(piano)(動画)
ポルトガルの演奏者のようだが、深みのある声で素晴らしく、ピアノもいい演奏だった。

ピアノパートのみ(動画)
歌なしで聴くと、ヴォルフがピアノパートにどのような役割を与えていたのかがよく分かる。

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