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ヴォルフ/口の悪い連中はみんな(Mögen alle bösen Zungen)

Mögen alle bösen Zungen
 口の悪い連中はみんな

Mögen alle bösen Zungen
Immer sprechen, was beliebt:
Wer mich liebt, den lieb' ich wieder,
Und ich lieb' und bin geliebt.
 口の悪い連中はみんな
 ずっと好き勝手に言っていればいいわ、
 私を愛してくれる人のことを私もまた愛しているの、
 私は愛しているし、愛されているのよ。

Schlimme, schlimme Reden flüstern
Eure Zungen schonungslos,
Doch ich weiß es, sie sind lüstern
Nach unschuld'gem Blute bloß.
 ひどい、ひどいひそひそ話をするのね、
 あんたたちの容赦ない口は。
 でも私には分かっているわ、あんたたちは
 純真な彼氏が欲しくてたまらないだけだってことをね。

Nimmer soll es mich bekümmern,
Schwatzt so viel es euch beliebt;
Wer mich liebt, den lieb' ich wieder,
Und ich lieb' und bin geliebt.
 私を悩まそうとしても無駄よ、
 あんたたちが好き放題にたっぷりくっちゃべってもね。
 私を愛してくれる人のことを私もまた愛しているの、
 私は愛しているし、愛されているのよ。

Zur Verleumdung sich verstehet
Nur, wem Lieb' und Gunst gebrach,
Weil's ihm selber elend gehet
Und ihn niemand minnt und mag.
 中傷するしかないのね、
 愛や好意を得られなかった人って、
 だって、そういう人ってみじめだし、
 誰にも愛されたり好かれたりしないのだから。

Darum denk' ich, daß die Liebe,
Drum sie schmähn, mir Ehre giebt;
Wer mich liebt, den lieb' ich wieder,
Und ich lieb' und bin geliebt.
 だから私は思うの、愛は、
 それゆえに奴らは誹謗してくるのだけれど、私に栄光を与えてくれるのだと。
 私を愛してくれる人のことを私もまた愛しているの、
 私は愛しているし、愛されているのよ。

Wenn ich wär' aus Stein und Eisen,
Möchtet ihr darauf besteh'n,
Daß ich sollte von mir weisen
Liebesgruß und Liebesflehn.
 もし私が石や鉄で出来ていたなら
 あんたたちは言いたがるでしょうね、
 私に
 愛の挨拶や愛の願いなんかはねつけなきゃ駄目って。

Doch mein Herzlein ist nun leider
Weich, wie's Gott uns Mädchen giebt,
Wer mich liebt, den lieb' ich wieder,
Und ich lieb' und bin geliebt.
 でも私の心は残念ながら
 やわなのよ、神が私たち女の子に与えてくれたようにね。
 だって私を愛してくれる人のことを私もまた愛しているの、
 私は愛しているし、愛されているのよ。

訳詩:Emanuel von Geibel (1815-1884)
曲:Hugo Wolf (1860-1903)

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ヴォルフの歌曲集「スペインの歌の本(Spanisches Liederbuch)」はスペイン起源の詩にハイゼとガイベルが独訳した詩をテキストにしており、宗教的歌曲(Geistliche Lieder)と世俗歌曲(Weltliche Lieder)から成る。
この「口の悪い連中はみんな」は世俗歌曲編の第13曲目。
1890年4月3日作曲。

いつの世にも他人の悪口が大好物という人はいるらしい。
この女性は恋人がいることで周りの嫉妬を買っているようだ。
だが、愛の力は誹謗中傷より強かった。
軽い世俗歌曲だが、この詩の主人公の考え方から現代人も学ぶことがあるかもしれない。

ヴォルフの音楽はぺちゃくちゃ噂話に興じている様をピアノパートで表現し、歌声はそんな中傷に全く動じない余裕に満ちた姿勢を貫く。
むしろ愛の幸せに陶酔している感すらあるのが、なんとも頼もしい。

Elisabeth Schwarzkopf(soprano) Wilhelm Furtwängler(piano)
1953年8月ザルツブルク音楽祭でのライヴ音源。
若きシュヴァルツコプフの表現力の冴えが際立っている素晴らしい歌唱。
フルトヴェングラーのピアノは、ミスはあるものの健闘している。

Ella Ait(soprano) Tatiana Andronikova(piano)
こもった声だが悪くない演奏だった。

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