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ゼークラー&松山 優香/シューベルト「冬の旅」(2010年2月2日 東京文化会館 小ホール)

クリストフ・ゼークラー「冬の旅」

Soekler_matsuyama_20100202

2010年2月2日(火) 19:00 東京文化会館 小ホール

クリストフ・ゼークラー(Christoph Sökler)(バリトン)
松山 優香(Yuka Matsuyama)(ピアノ)

シューベルト/「冬の旅」

アンコールはなし

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未明まで雪の降った日の夜に「冬の旅」を聴いた。

クリストフ・ゼークラーという名前を私は初めて聞いたのだが、シュトゥットガルト国立オペラ座の専属バリトン歌手とのこと。
声の質はハイバリトン。
ビブラートが薄く、あたかも古楽歌手のようだ。
正直なところ声量が必ずしも充分ではなく、テクニック的には発展途上の印象。
低音が弱く、第1曲「おやすみ」から低声域に限界を感じさせた。
ただ音程は全体的にしっかりとれていたと思う。
いわば無技巧の直球勝負とでもいったらいいか。
おそらく今後伸びていく可能性を秘めた歌手なのだろう。
数年後に再度ゼークラーの歌唱に接してみたい。

一方、はじめて聴く松山優香のピアノはとても彩り豊かな音色と自在なタッチで魅了された。
「辻音楽師」最後のピアノの主張はめったにないぐらい強かったのが印象的であった。
彼女のピアノを聴くことが出来ただけでもこの晩会場に出かけた甲斐があった。
彼女の衣裳は男性用のタキシードみたいだったが、「冬の旅」のモノトーンの世界に合わせたというところだろうか。
良いピアニストを新たに知ることが出来た一夜だった。

Soekler_matsuyama_20100202_chirashi

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コメント

まだ、技術的にも発展途上で、勉強中の段階のゼークラーという、無名の若手歌手に、歌う機会を与えた企画に、好印象を持ちますね。ドイツでも、まだ、オペラ座では、大量の脇役級を与えられ、修行中といったところだと見受けられます。ただ、批評としてテクニックや声量、音程だけを評価するのは、いかがなものでしょうか。内容がどうだったか、詳しく教えてください。

投稿: | 2010年2月11日 (木曜日) 04時03分

コメント、興味深く拝見しました。
私の見解はこうです。
聴衆はチケット代を支払って、都合をつけて会場に向かいます。無料で聴く場合はどんな演奏でもそれ相応のものとあきらめもつきますが、安くない料金を支払って、時間も都合をつけて聴いた演奏にはやはり一定のレベルを保っていてほしいと思うのです。
私は批評家ではないので一素人の備忘録として公開しております。ですから、内容の詳細は専門の音楽雑誌や新聞をご覧になってください。私には今回の内容を云々することは出来ません。

投稿: フランツ | 2010年2月11日 (木曜日) 09時11分

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