フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1992年(第11回来日)
第11回来日:1992年11月
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(バリトン、朗読)
ルチア・ポップ(Lucia Popp)(ソプラノ)
ウォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)(ピアノ、指揮)
小林道夫(フォルテピアノ)
バイエルン国立歌劇場合唱団(Der Chor der Bayerischen Staatsoper)
バイエルン国立管弦楽団(Das Bayerische Staatsorchester)
11月12日(木)19:00 王子ホール:《シューベルトを詠む》
11月16日(月)19:00 東京芸術劇場:シューベルト歌曲の夕べ
11月24日(火)19:00 東京芸術劇場:シューベルト歌曲集「美しき水車屋の娘」
11月27日(金)19:00 サントリーホール:バイエルン国立歌劇場特別コンサート
11月29日(日)14:00 サントリーホール:バイエルン国立歌劇場特別コンサート
●ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ《シューベルトを詠む》 共演:小林道夫(フォルテピアノ)
シューベルトの自作の詩、友人たちとの書簡を集めたフィッシャー=ディースカウの著作『シューベルトをたどって』を中心にした朗読
●シューベルト歌曲の夕べ(SCHUBERT PROGRAMM) 共演:ウォルフガング・サヴァリッシュ(P)
シューベルト(Schubert)
1. 月に寄す(An den Mond) D296
2. 希望(Hoffnung) D295
3. 流れ(Der Strom) D565
4. さすらい人(Der Wanderer) D649
5. 自ら沈みゆく(Freiwilliges Versinken) D700
6. 小人(Der Zwerg) D771
7. 憂い(Wehmut) D772
8. 墓掘人の郷愁(Totengräbers Heimweh) D842
9. ブルックの丘で(橋の上で)(Auf der Bruck) D853
10. 歌手の財産(Des Sängers Habe) D832
11. 窓辺に(Am Fenster) D878
12. 漁夫の歌(Fischerweise) D881
13. 弔いの鐘(Das Zügenglöcklein) D871
14. 十字軍(Der Kreuzzug) D932
15. 漁夫の恋の幸せ(Des Fischers Liebesglück) D933
16. 星(Die Sterne) D939
~アンコール~
1. シューベルト/ハナダイコン(Nachtviolen) D752
2. シューベルト/ギリシャの神々(Die Götter Griechenlands) D677
3. シューベルト/独り暮らしの男(Der Einsame) D800
●シューベルト歌曲集「美しき水車屋の娘」(Die schöne Müllerin) 共演:ウォルフガング・サヴァリッシュ(P)
シューベルト(Schubert)/歌曲集「美しき水車屋の娘(Die schöne Müllerin)」D.795
1. さすらい
2. どこへ?
3. 止まれ!
4. 小川に寄せる感謝の言葉
5. 仕事を終えた宵の集いで
6. 知りたがる男
7. いらだち
8. 朝の挨拶
9. 水車職人の花
10. 涙の雨
11. 僕のものだ!
12. 休息
13. 緑色のリュートのリボンを持って
14. 狩人
15. 嫉妬と誇り
16. 好きな色
17. 邪悪な色
18. 枯れた花
19. 水車職人と小川
20. 小川の子守歌
●バイエルン国立歌劇場特別コンサート(KONZERT DER BAYERISCHEN STAATSOPER) 共演:ルチア・ポップ(S) バイエルン国立歌劇場合唱団;バイエルン国立管弦楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
ブラームス(Brahms)/ドイツ・レクイエム(EIN DEUTSCHES REQUIEM) op.45
(上記の歌曲の夕べの日本語表記は、アンコール曲目以外はプログラム冊子の表記に従った)
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前回から3年後の第11回来日公演は、バイエルン国立歌劇場公演の一環として企画された。
サヴァリッシュのピアノでシューベルトの夕べを2夜、それにルチア・ポップとの共演でサヴァリッシュ指揮バイエルン国立管弦楽団と「ドイツ・レクイエム」を披露した。
「ドイツ・レクイエム」は一緒に来日していた夫人のユリア・ヴァラディとの共演でないのが珍しいが、ヴァラディは他の特別演奏会に出演している。
私は16日のシューベルト歌曲の夕べを聴いたが、これが彼の実演を聴く最後となった。
サヴァリッシュの歌曲演奏を生で聴くのはトマス・ハンプソンのリサイタル以来2回目だった。
ディースカウらしい選曲で、渋みあふれる歌唱が披露された。
ただ、どの曲の後で休憩となったのかプログラム冊子には明記されておらず、私の記憶も定かではない(「墓掘人の郷愁」の後だっただろうか)。
彼は1970年代のある時期からしばらく「美しき水車屋の娘」を歌わなかったのだが、引退前の数年は心境の変化があったのか、再び取り上げるようになり、日本でも1970年に歌われて以来久しぶりの披露となった。
また、開館したばかりの王子ホールでは珍しく朗読を披露している。
シューベルトの書簡をディースカウが朗読し、その合間に小林道夫がフォルテピアノでシューベルトの「即興曲」を演奏するという内容だったようだ。
F=ディースカウは1992年12月31日のコンサートを最後に歌手活動から引退した。
従って、歌手としての来日はこの時が最後となり、その後に来日したのは指揮者としてだった。
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コメント
いつも興味深く拝見しています。
フィッシャー・ディースカウの公演の詳細をアンコールまで含めて掲載くださったこと本当にありがとうございました。
プライやシャライアーも好きですが、第1回の来日の冬の旅のエアチェック以来、私にとってのドイツリートはフィッシャー・ディースカウとともにありました。(これで年齢をご推察ください)
来日のたびにどれだけホールに足を運んだことでしょうか。8回以来は、公演のほとんどすべてを聞きました。
この偉大な歌手と同時代に生き、その肉声を聞くことができたことは、今でも大きな喜びです。
公演曲目を見ながら思い出に浸ることができました。ありがとう!
投稿: kei | 2010年2月 8日 (月曜日) 00時56分
はじめまして。北海道・札幌から発信しています。昨日、NHKでエディット・マティスの「思い出の名演奏」を観て、とても感動し、あちこち検索していて、こちらのサイトと出会いました。
2009年2月20日 (金曜日) のエディト・マティス関連記事を興味深く読ませていただきました。
心よりお礼申し上げます。
投稿: 明道 元 | 2010年2月 8日 (月曜日) 05時01分
keiさん、こんばんは。
keiさんはフィッシャー=ディースカウを初来日のエアチェックから聴き続けておられるとはすごいですね。
初来日の時は最もディースカウの声が美しかった頃と思われますので、その頃の公演がいつか商品化されないものかと思ったりします。
私はディースカウを初めて生で聴いた時はまだ学生だったので、すべてのプログラムを聴くことは難しかったのですが、それでも毎回1種類のプログラムだけでも聴いて、またとない体験をさせてもらったと感じています。
keiさんも数々の思い出があることでしょうね。そういう思い出が遠い過去になっても、よい思い出であり続けるといいですね。
「同時代に生き、その肉声を聞くことができたことは、今でも大きな喜び」というご指摘、全く同感です。
投稿: フランツ | 2010年2月 8日 (月曜日) 20時12分
明道さん、はじめまして。
素敵なHPを発信しておられるのですね。
マティスのテレビ放送、私も聴きました。
愛くるしい表情と、魅力的な歌唱は本当にチャーミングでしたね。
特にブラームス編曲のドイツ民謡集はとても美しい曲で、マティスの表情がとても生き生きとしていて素敵でした。
こういう過去の名演を倉庫に眠らせたままにしないで、どんどん放送してほしいですね。
投稿: フランツ | 2010年2月 8日 (月曜日) 20時21分