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フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1989年(第10回来日)

第10回来日:1989年4~5月

Fdieskau_1989ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(バリトン)
ユリア・ヴァラディ(Julia Varady)(ソプラノ)
ハルトムート・ヘル(Hartmut Höll)(ピアノ)
NHK交響楽団
ウォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)(指揮)

4月28日(金)19:00 サントリーホール:N響マーラー・スペシャル
4月30日(日)19:00 サントリーホール:ゲーテの詩による歌曲の夕べ
5月4日(木)19:00 サントリーホール:ハイネの詩による歌曲の夕べ
5月7日(日)19:00 サントリーホール:ティークの「マゲローネ」によるロマンスの夕べ
5月11日(木)19:00 NHKホール:N響第1083回定期公演
5月12日(金)19:00 NHKホール:N響第1083回定期公演

●N響マーラー・スペシャル 共演:ユリア・ヴァラディ(S) NHK交響楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(C)

マーラー(Mahler)

1. さすらう若人の歌

2. 交響曲第4番ト長調

●ゲーテの詩による歌曲の夕べ(Liederabend nach Gedichten von J. W. v. Goethe) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューベルト(Schubert)

1. 竪琴弾きの歌(Gesänge des Harfners)D478
 "寂しさに身を任せる者は"(Wer sich der Einsamkeit ergibt)
 "戸毎に私はそっと歩みよろうと思う"(An die Türen will ich schleichen)
 "涙とともにパンを食べたことのない者は"(Wer nie sein Brot mit Tränen aß)
2. プロメテウス(Prometheus)D674
3. 海の静けさ(Meeres Stille)D216
4. 人間の限界(Grenzen der Menschheit)D716
5. トゥーレの王(Der König in Thule)D367
6. 魔王(Erlkönig)D328

~休憩~

7. いこいなき恋(Rastlose Liebe)D138
8. ねずみ捕り(Der Rattenfänger)D255
9. 野ばら(Heidenröslein)D257
10. 耽溺(Versunken)D715
11. ひめごと(Geheimes)D719
12. 月に寄す(An den Mond)D259
13. 悲しみの喜び(Wonne der Wehmut)D260
14. 馭者クロノスに(An Schwager Kronos)D369
15. 希望(Hoffnung)D295
16. ミューズの子(Der Musensohn)D764

~アンコール~
1. シューベルト/川辺で(Am Flusse)D766
2. シューベルト/月に寄せて(An den Mond)D296
3. シューベルト/湖上で(Auf dem See)D543
4. シューベルト/さすらい人の夜の歌Ⅱ(Wanderers Nachtlied II)D768

●ハイネの詩による歌曲の夕べ(Liederabend nach Gedichten von H. Heine) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

シューベルト(Schubert)/歌曲集《白鳥の歌》D957より(Lieder aus <Schwanengesang>)
1. アトラス(Der Atlas)
2. 彼女のおもかげ(Ihr Bild)
3. 漁師の娘(Das Fischermädchen)
4. まち(Die Stadt)
5. 海辺にて(Am Meer)
6. 影法師(Der Doppelgänger)

~休憩~

シューマン(Schumann)/歌曲集《詩人の恋》作品48(Dichterliebe)
1. 美しい五月に
2. ぼくの涙はあふれ出て
3. ばらや,百合や,鳩や,太陽や
4. きみの目に見入れば
5. ぼくの心にひそめてみたい
6. ラインの聖なる流れの
7. わたしは恨むまい
8. 小さな花がわかってくれるなら
9. あれはフルートとヴァイオリンのひびきだ
10. あの歌がまたきこえると
11. ある若ものが娘を愛し
12. 明るい夏の朝に
13. ぼくは夢のなかで泣きぬれた
14. 夜ごとの夢にきみを見る
15. 古い童話の世界から
16. あのいまわしい昔の歌も

●ティークの「マゲローネ」によるロマンスの夕べ(Liederabend der Romanzen aus Tiecks Magelone von J. Brahms) 共演:ハルトムート・ヘル(P)

ブラームス(Brahms)/《ティークの「マゲローネ」によるロマンス》作品33(Romanzen aus L. Tiecks Magelone)
1. 後悔した者などありはしない
2. そうとも!敵には弓矢こそがふさわしい
3. 苦痛だろうか,喜びだろうか?
4. 愛ははるばると遠い国から来ました
5. おん身はこの哀れな者を
6. この喜びを,この歓喜を,ぼくはどうやって支えたらいいのだろう
7. この唇がふるえたのはおん身に対してだったのか
8. ぼくらは別れなければならない
9. いこえ,やさしい恋びとよ
10. [絶望]泡立つ大波よ,とどろけ
11. なんとすばやく消えるのでしょう
12. 別離などというものがなぜあるのだろう?
13. [スリマ]恋びとよ,どこを踏み迷って
14. なんといきいきと楽しげにぼくの心は高揚を覚えることだろう
15. 誠実な愛はいつまでも続き

●N響第1083回定期公演 共演:ユリア・ヴァラディ(S) 東京芸術大学(合唱) NHK交響楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(C)

ブラームス(Brahms)/ドイツレクイエム 作品45

(上記の歌曲の夕べの日本語表記は、アンコール曲目以外はプログラム冊子の表記に従った)

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前回から2年後の第10回来日公演では、サントリーホールでの歌曲シリーズ全3回と、N響とのマーラー、ブラームスを披露した。
リサイタルでのピアノは、日本公演で3回目の共演となるハルトムート・ヘル。

前回の歌曲リサイタルが作曲家に焦点をあてたものだったのに対して、今回は各回を1人の詩人に統一したシリーズとなった。
しかし、ハイネの詩による第2回がシューベルトとシューマンの2人の作曲家であるのを除くと、ゲーテの日はオール・シューベルト、そしてルートヴィヒ・ティークの日はブラームスの歌曲集で統一されている。
私はゲーテの詩によるシューベルト歌曲の日に実演を聴いたが、ステージ左横の2階席からディースカウの横顔を見る形となった。
前半が重くドラマティックな曲が多いのに対して、後半は気軽に聴けるアンコールピース的な曲が多い。
当時私が書いていたメモによると、休憩時間中にヘルが数人を引き連れて舞台にやってきて、ピアノの位置を客席により近づけたようだ。
「聴衆との親密な心の交流のためには、距離も短くする必要があったのではないか」と、当時の私は感じたらしい。
演奏についても素晴らしかったようで、「魔王」では本当にppのような抑えた声も使って歌い分けていたことに感銘を受けていた。
ヘルは「魔王」を物凄いスピードで破綻なく弾いていたようで(左手をうまく組み込んで工夫していたが)、そのことにも感銘を受けたようだ。

ハイネの夕べとティークの詩によるブラームスの夕べを聴かなかったことが今となっては悔やまれる。

サヴァリッシュ指揮NHK交響楽団との共演では、マーラー「さすらう若人の歌」とブラームス「ドイツレクイエム」を歌った。
今回も共演している夫人のヴァラディは、マーラー交響曲第4番の第4楽章と、ブラームス「ドイツレクイエム」のソプラノソロを歌っている。

それにしてもN響とは毎回のように共演し、初来日以前のパリ万博以来、随分長い信頼関係を築いていたようだ。

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