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ハイドン/鋭い目

Piercing Eyes, Hob. XXVIa no. 35
 鋭い目

Why asks my fair one if I love?
Those eyes so piercing bright
Can ev'ry doubt of that remove,
And need no other light.
 どうして僕のきれいな恋人は愛しているのなんて聞くのだろう?
 その両目はこれほど鋭く明るいのだから、
 そのようなあらゆる疑いを取り払うことが出来て、
 ほかのいかなる光も必要としないはずだ。

Those eyes full well do know my heart,
And all its workings see,
E'er since they play'd the conq'ror's part,
And I no more was free.
 その丸い両目は僕の心を知り、
 心の動きすべてを見ている、
 その両目が征服者の役割を演じて
 僕がもはや自由でなくなってからというもの。

詩:不明
曲:Franz Joseph Haydn (1732-1809)

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「6つのオリジナル・カンツォネッタ 第2集」の第5曲目。
詩の作者は不明。
恋人の目は自分の心の動きをすべて見通してしまうという内容である。

完全な通作形式で出来ている。
13小節の前奏は歌のエッセンスを表現したものといえる。
ピアノパートは8分音符や4分音符で歌を支える箇所と、16分音符の細かい動きで盛り上がる箇所が交互にあらわれ、変化に富んでいる。
歌は基本的に軽快で明るいが、"Why(なぜ)"という言葉を繰り返したり、疑問形をフェルマータで引き伸ばして流れをとめたりして、詩の内容への細やかな配慮が感じられる。
だが一方で、同じ詩句を何度も繰り返すのは、詩句の反映という以上に音楽上の創意を優先させているようにも感じられる。
総じてかなり良く出来た魅力的な作品だと私には感じられた。

8分の6拍子、Allegretto、ト長調
歌声部の最高音は2点ト音、最低音は1点ホ音で1オクターブ強の音域に収まってしまう。
全56小節。

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エインスリー(T)ヴィニョールズ(P):Hyperion:2001年録音:エインスリーはその声の美しさと発音、それに軽快なテンポによる表現力とまさに理想的な名唱。最後の2行を繰り返す際の装飾も印象的。ヴィニョールズも生き生きと表情豊かな演奏で良かった。

F=ディースカウ(BR)ムーア(P):EMI(ODEON):1959年録音:歌、ピアノともにドラマティックで歯切れがよい。両者の演技力が良い方向に向かった。

ホルツマイア(BR)クーパー(P):PHILIPS:1997年録音:ほかの演奏と比べてホルツマイアはかなり速めのテンポで歌っていた。クーパーは純粋なピアノ曲のように豊かな音楽を聴かせてくれて素晴らしかった。

オージェー(S)ヴェルバ(Hammerklavier):ORFEO:1978年ライヴ録音:オージェーはどこまでも美しい声と明瞭な発音でうっとりと聴き惚れてしまう。ヴェルバは音の粒がそろっていない感はあるものの古楽器ならではの味わいが感じられる。

アーメリング(S)デームス(P):PHILIPS:1980年録音:アーメリングはふくよかな声でただ明るいだけではない憂いを含んだ味わいを感じさせる。デームスは情緒豊かな名演。

なお、オージェー&ヴェルバの演奏は以下のサイトで聴けます。
 こちら

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