フィッシャー=ディースカウ日本公演曲目1974年(第4回来日)
第4回来日:1974年9~10月
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(BR)
ウォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)(P, C)
小林道夫(Michio Kobayashi)(P)
バイエルン国立歌劇場
フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner)(C)
9月25日(水)18:00 東京文化会館大ホール:<フィガロの結婚>(W.ブレンデルとダブルキャスト)
9月29日(日)18:30 東京厚生年金会館大ホール:「ミュンヘン・オペラ特別演奏会」
10月1日(火)18:30 大阪フェスティバルホール:<フィガロの結婚>(W.ブレンデルとダブルキャスト)
10月2日(水)大阪フェスティバルホール:「ミュンヘン・オペラ特別演奏会」
10月4日(金)19:00 東京文化会館:<シューベルトの夕>
10月6日(日)18:00 大阪フェスティバルホール:<フィガロの結婚>(W.ブレンデルとダブルキャスト)
10月8日(火)18:00 東京文化会館大ホール:<フィガロの結婚>(W.ブレンデルとダブルキャスト)
10月10日(木)19:00 大阪フェスティバルホール:<シューベルトの夕>
10月13日(日)19:00 東京文化会館:<シューマンの夕>
10月15日(火)19:00 愛知県文化会館:<シューマンの夕>
10月17日(木)19:00 東京文化会館:<シューマンの夕>
●バイエルン国立歌劇場<フィガロの結婚>
モーツァルト(Mozart)/<フィガロの結婚(Le nozze di Figaro)>
ギュンター・レンネルト(Günther Rennert) (演出)
ルドルフ・ハインリヒ(Rudolf Heinrich) (装置・衣装)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau)(アルマヴィーヴァ伯爵)
ウォルフガング・ブレンデル(Wolfgang Brendel) (アルマヴィーヴァ伯爵)
クレーア・ワトソン(Claire Watson) (伯爵夫人)
レオノーレ・キルシュタイン(Leonore Kirschstein) (伯爵夫人)
マーガレット・プライス(Margaret Price) (伯爵夫人)
トルードリーゼ・シュミット(Trudeliese Schmidt) (ケルビーノ)
スタッフォード・ディーン(Stafford Dean) (フィガロ)
ライムント・グルムバッハ(Raimund Grumbach) (フィガロ)
レリ・グリスト(Reri Grist) (スザンナ)
マルガレーテ・ベンツェ(Margarethe Bence) (マルチェリーナ)
ベンノ・クッシェ(Benno Kusche) (バルトロ)
デイヴィッド・ソー(David Thaw) (ドン・バジーリオ)
ゲルハルト・アウワー(Gerhard Auer) (アントニオ)
ゲルトルート・フレードマン(Gertrud Freedmann) (バルバリーナ)
ロレンツ・フェーエンベルガー(Lorenz Fehenberger) (ドン・クルーツィオ)
ドリス・リンザー&ユディット・アウワー(Doris Linser & Judith Auer) (2人の娘)
バイエルン国立歌劇場合唱団(Chorus of the Bavarian State Opera)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団(Orchestra of the Bavarian State Opera)
ウォルフガング・バウムガルト(Wolfgang Baumgart) (合唱指揮)
フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner) (C)
ウォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch) (C)
●ミュンヘン・オペラ特別演奏会 共演:バイエルン国立歌劇場管弦楽団;ウォルフガング・サヴァリッシュ(C)
R.シュトラウス(Strauss)/交響詩《ドン・ファン》
モーツァルト(Mozart)/娘よお前と離れている間にK.513
モーツァルト/手に口づけをK.541
モーツァルト/歌劇《にせの花作り女》K.196より“イタリア風にやりますと・・・”
モーツァルト/人は元来うまいものが好きK.433
モーツァルト/おれは皇帝になりたいK.539
ブラームス(Brahms)/交響曲第1番
●<シューベルトの夕> 共演:ウォルフガング・サヴァリッシュ(P)
シューベルト(Schubert)作曲
Ⅰ 歌曲集「白鳥の歌(Schwanengesang)」D.957より、ハイネの詩による六つの歌曲
アトラス(Der Atlas)
彼女のおもかげ(Ihr Bild)
漁師の娘(Das Fischermädchen)
まち(Die Stadt)
海べで(Am Meer)
影法師(Der Doppelgänger)
Ⅱ
さすらい人(Der Wanderer)D.493
ヴィルデマンの丘にて(Über Wildemann)D.884
臨終を告げる鐘(Das Zügenglöcklein)D.871
流れ(Der Strom)D.565
メムノン(Memnon)D.541
独りずまい(Der Einsame)D.800b
~休憩~
Ⅲ ゲーテの詩による七つの歌曲
月に(An den Mond)D.259
ひめごと(Geheimes)D.719
最初の喪失(Erster Verlust)D.226
馭者クローノスに(An Schwager Kronos)D.369
海の静けさ(Meeres Stille)D.216
プロメトイス(Prometheus)D.674
ミューズの子(Der Musensohn)D.764b
●<シューマンの夕> 共演:小林道夫(P)
シューマン(Schumann)作曲
Ⅰ ハイネの詩による三つの歌曲
海辺の夕べ(Abends am Strand) 作品45-3
春の夜に霜がおりた(Es fiel ein Reif in der Frühlingsnacht) 作品64-3b
ぼくの馬車はゆるやかに(Mein Wagen rollet langsam) 作品142-4
Ⅱ 歌曲集「リーダークライス(Liederkreis)」作品24
わたしが朝起きると
気もそぞろ
木陰をさまよい
いとしい恋人
悲しみのゆりかごよ
待て、あらくれた船乗りよ
山と城が水に映って
初めは望みもなく
ミルテとばらの花で
~休憩~
Ⅲ 歌曲集「詩人の恋(Dichterliebe)」作品48
美しい五月に
わたしの涙から
ばらを、ゆりを、はとを、太陽を
おまえの瞳を見つめるとき
私の心をひたそう、百合のうてなに
神聖なラインの流れの
私は恨むまい
花が知っていたら
鳴るのはフルートとヴァイオリン
あの歌がひびくのを聞くと
ひとりの若者がある娘を愛した
光りかがやく夏の朝に
夢の中で私は泣いた
夜ごとの夢に
昔話の中から
あのいまわしい昔の歌も
(上記の日本語表記は、「ミュンヘン・オペラ特別演奏会」以外はすべてプログラム冊子に従った)
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前回の来日から4年後の4回目の来日はバイエルン国立歌劇場(ミュンヘン・オペラ)の一員としてだった(当時49歳)。
今回は初来日時以来の「フィガロの結婚」アルマヴィーヴァ伯爵役が歌われたが、ヴォルフガング・ブレンデルとのダブルキャストで、F=ディースカウが実際に舞台に立ったのは全7回中たった1回だけだったそうだ(日付は今のところ特定できていない。上記のスケジュールではF=ディースカウが出演不可能な日程は省いている)。
そのほかに特別演奏会でサヴァリッシュとのモーツァルトのアリアが歌われたが、これらのレパートリーはいずれもDECCAレーベルに録音されており、現在もCD化されて聴くことが出来る(1969年10月ヴィーン録音:ラインハルト・ペータース指揮ヴィーン・ハイドン管弦楽団)。
今回の来日はどちらかというと歌曲の演奏に力を入れていたのだろう。
シューベルト・プログラムとシューマン・プログラムの2種類が歌われ、前者はサヴァリッシュ、後者は小林道夫が共演した。
2人とも日本でF=ディースカウのリートのパートナーとなるのは初めてだったが、小林については前回の来日時にバッハのカンタータなどで共演しており、その翌年の1971年10月にはパリ、ロンドンでのリーダーアーベントの共演者として小林を呼んだほど信頼していたようだ。
もちろんサヴァリッシュについても海外では来日公演以前にも様々な場面で共演していたのは言うまでもない。
なお、小林道夫との10月17日のシューマンの夕べはFM東京によって放送用に録音されていたが、13日公演のアンコール5曲も加えた形でCD化されたのは望外の喜びだった(TDKコア)。
このCD、あたかもスタジオ録音かと思うほど完璧な歌声が刻まれている。
清潔感に満ちた小林道夫のピアノもここぞという箇所でよく歌い見事である。
ちなみに、この時のバイエルン国立歌劇場の他の演目は「ドン・ジョヴァンニ」(モーツァルト)、「ワルキューレ」(ヴァーグナー)、「ばらの騎士」(R.シュトラウス)だった。
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