高橋節子&丸山滋/リサイタル(2009年7月4日 津田ホール)
高橋節子ソプラノリサイタル
2009年7月4日(土) 18:30 津田ホール(自由席)
高橋節子(Setsuko Takahashi)(S)
丸山滋(Shigeru Maruyama)(P)
シューベルト(Schubert)
1.薔薇のリボンD280
2.最初の喪失D226
3.糸を紡ぐグレートヒェンD118
ブラームス(Brahms)
4.セレナーデOp. 106-1
5.恋人のもとへOp. 48-1
6.君がときどき微笑んでくれさえしたらOp. 57-2
7.ああ、このまなざしをそらしてOp. 57-4
8.永遠の愛についてOp. 43-1
~休憩~
ヴォルフ(Wolf)
《ゲーテ歌曲集》より
9.花の挨拶
10.アナクレオンの墓
11.とりすました娘
12.心とけた娘
13.ミニョンI:語れとはいわないで
14.ミニョンII:ただ憧れを知るひとだけが
15.ミニョンIII:このままの姿でいさせてください
16.ミニョン:あの国をご存知ですか
~アンコール~
1.シューベルト/ミニョンの歌:このままの姿でいさせてくださいD877-3
2.ブラームス/五月の夜Op. 43-2
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津田ホールで非常に魅力的なプログラミングのリーダーアーベントを聴いてきた。
ソプラノの高橋節子とピアニストの丸山滋によるシューベルト、ブラームス、ヴォルフの珠玉の作品によるリサイタルである。
演奏者は二人とも札幌出身とのことで、この東京公演に先立って6月13日には同じプログラムで札幌コンサートホール小ホールでも演奏したそうだ。
事前に予告されていた曲目と若干の変更はあったものの、どの曲も私の大好きな作品ばかりで、次々と披露されるのを心から楽しんだ。
特にブラームスの「ああ、このまなざしをそらして」やヴォルフのミニョン歌曲群、ペアの関係にある「とりすました娘」「心とけた娘」などはなかなか実演で接する機会がない為、嬉しい選曲だった。
グリーンのドレスをまとって歌った高橋の声はソプラノ特有の清澄さと、聴き手を包み込むような深みを合わせもった魅力を備えていた。
どの音域でもその特色は保たれ、アンコールの前に聞くことの出来た地声による話し声も低めで、落ち着いたメゾソプラノのようだった。
シューベルトやブラームスでの彼女の歌唱は完璧と感じた。
スタイリッシュで美しく、かつ深みもあり、発音も明瞭で、どこをとっても安定している。
ヴォルフも前半に歌われた4曲では優しく、時にコケティッシュな表情で、彼女の幅の広さを感じた。
後半のミニョン4曲は全く破綻のない優れた歌唱だったが、多少早めのテンポ設定だった為か、私の好みではちょっとあっさりした印象を受けた。
ピアニストの丸山滋は手は大きな方ではないように見えたが、ペダルを制御した端正で引き締まった響きは、素晴らしかった。
ピアノの蓋は全開だったが、常に声に配慮しつつ、決して臆することなく起伏に富んだ響きを作り出していた。
それにしてもデリカシーに富んだ細やかなピアノの響きがどれほど歌の奥行きを深めていたことか。
特にブラームスでのちょっとした表情づけは絶妙だった(ショパン風の「恋人のもとへ」や劇的な「永遠の愛について」など)。
また、ヴォルフ「ミニョンII」や「あの国をご存知ですか」でのドラマティックな表現も、度を越えずに雄弁さを発揮した演奏だった。
アンコールの2曲もしっとりとした情感が素敵で、後味のよい締めくくりだった。
なお、配布された歌詞対訳は高橋さん自身によるもので、その意欲のほどがうかがえた。
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