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ラ・フォル・ジュルネ・ジャポン2009「バッハとヨーロッパ」第1日目(2009年5月3日 東京国際フォーラム)

今年も昨年に引き続き、ラ・フォル・ジュルネ・ジャポンに出かけてきた。
テーマは「バッハとヨーロッパ」。
不況の影響か、今年は会期も短縮され東京国際フォーラムでは5月3日~5日の3日間。
私はそのうち、3日(日)と4日(月)の2日間聴いてきた。
普段歌曲ばかり聴いているので、著名なバロック時代の作品や演奏家をこれだけまとめて聴けるのはやはり貴重な機会である。
チケットは相変わらず入手が大変だったが、なんとか5公演づつ、計10公演を確保することが出来たのは幸運だった。
3日も4日も好天に恵まれ、親子連れやカップルなどですし詰め状態だった。

5月3日(日)に聴いたのはヴィヴァルディとヘンデルの器楽曲、それにバッハの声楽曲の計5公演だった。

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2009/5/3(日)
11:30~12:15 142 ホールC 3階4列2番(L6扉)
エウローパ・ガランテ
ファビオ・ビオンディ(バロック・ヴァイオリン、指揮)

ヴィヴァルディ/シンフォニア ト長調 RV149(カンタータ「ミューズたちの合唱」序曲)
ヴィヴァルディ/ヴァイオリンとチェロのための協奏曲 変ロ長調 RV547
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集作品4「ラ・ストラヴァガンツァ」より第4番イ短調RV357
ヴィヴァルディ/オペラ「テルモドンテのヘラクレス」RV710よりシンフォニア
ヴィヴァルディ/セレナータ「セーヌ川の祝典」ハ長調 RV693よりシンフォニア

アンコール
コレッリ/コンチェルト・グロッソOp.4~第3楽章

ヴィヴァルディの音楽にどっぷりひたった45分だった。
古楽演奏に疎い私でも知っていたビオンディ率いるエウローパ・ガランテをはじめて聴けたのは幸運だった。
こういう魅力的な演奏で聴くと古楽器の響きがとても身近に聴こえてくる。
古楽ファンがモダン楽器の演奏を聴かなくなる気持ちが少しだけ分かったような気がした。

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2009/5/3(日)
13:45~14:30 113 ホールA 2階26列95番(R11扉)
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ジャン=ジャック・カントロフ(指揮)

ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲「四季」作品8

あまりにも耳に馴染んだヴィヴァルディの「四季」だが、実演を聴くのははじめてで楽しみだった。
はじめて聴くセルビアのヴァイオリニスト、ラドゥロヴィチはかなり大きな起伏の感情表現を盛り込んでいた。
その濃厚な情念の表出はあたかも演歌の世界。
「春」の第3楽章があれほど静かに始まったのには驚いたが、次第にこのような表現が序の口であることが分かり、強弱、テンポ、間合いと、いい意味で次々と予測が裏切られ、楽しかった。
聴きなれた「四季」の各曲が新鮮な表情を見せていて、ラドゥロヴィチの超絶技巧も充分堪能できた。
指揮のカントロフも同じヴァイオリニストだけあって、ラドゥロヴィチの伸縮自在な演奏に臨機応変についていったのはさすがだと思った。
私の席は、ホールAの一番天井に近い列の最も右端だった。
つまり、舞台から最も遠い席だったわけだが、ステージの両脇に大型スクリーンが映し出され、演奏者の顔の表情などもよく見れたのは有難かった。
それにしても、開演前に1階前方左端でスタッフの女性が「会場内での飲食、・・・はご遠慮ください」というアナウンスをマイクなしで言っていたのが一番遠い3階の私の席まではっきり聞こえたのには驚いた。
余談だが、「飲食」という言葉、「いんしょく」の「い」が一番高く発音されていたが、それが正しい発音なのだろうか。
私は普段平坦に発音しているのだが・・・。

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2009/5/3(日)
15:30~16:15(実際は16:30に終演) 124 ホールB7 14列44番
吉野直子(ハープ)
香港シンフォニエッタ
イプ・ウィンシー(指揮)

“オール・ヘンデル・プログラム”
ヘンデル/オラトリオ「ソロモン」HWV67 より「シバの女王の入城」
ヘンデル/ハープ協奏曲 変ロ長調 作品4-6 HWV294
ヘンデル/管弦楽組曲「水上の音楽」より抜粋
第1組曲 ヘ長調 HWV348 より
「序曲:ラルゴ―アレグロ」
「アダージョ・エ・スタッカート」
「アレグロ―アンダンテ―アレグロ」
「エア(アリア)」
「ブーレ」
「ホーンパイプ」
第3組曲 ト長調 HWV350 より
「メヌエット」
「カントリー・ダンス」
第2組曲 ニ長調 HWV349 より
「アラ・ホーンパイプ」

ヘンデルの可愛らしい側面が出たハープ協奏曲では鮮やかな緑のドレスを着た吉野直子の見事に安定感のある美しい響きが堪能できて良かった。
「水上の音楽」も耳に心地よい作品ばかりだが、この日3つ目のコンサートでそろそろ疲れが出たのかまぶたが重くて仕方なく、無駄な抵抗はやめて目を閉じて聴いていた。
ハープの出し入れ時に奏者が全員引っ込んで時間をとられたせいか、本来の予定より15分もオーバーしたため、最後の曲が終わり、指揮者が袖に引っ込んで余韻を味わう間もなく、すぐに席を立って次の会場に向かわなければならなかったのは残念だった(アンコールはあったのだろうか?)。

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2009/5/3(日)
16:45~17:45 145 ホールC 3階1列40番(R6扉)
マリア・ケオハネ(ソプラノ)
サロメ・アレール(ソプラノ: BWV243)
カルロス・メナ(カウンターテナー)
ハンス=イェルク・マンメル(テノール)
ステファン・マクラウド(バス)
リチェルカール・コンソート
フィリップ・ピエルロ(指揮)

J.S.バッハ/ミサ曲 ト短調 BWV235
J.S.バッハ/マニフィカト ニ長調 BWV243

3日の演目の中でとりわけ感銘を受けたコンサートだった。
歌手は粒揃いでみな素晴らしかった。
ケオハネはコケティッシュな愛らしさがあり、アレールは真摯に歌う。
メナはアルトのパートを見事に歌いこなし、マンメルも美声で堅実にこなす。
マクラウドはどっしりした安定感がありながら重すぎずに聴きやすい。
ピエルロ指揮リチェルカール・コンソートはバッハの2つの作品を深い共感をもって表現していたと感じた。

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2009/5/3(日)
18:45~21:00(第1部の後に15分の休憩あり) 146 ホールC 3階8列15番(L6扉)
シャルロット・ミュラー=ペリエ(ソプラノ)
ヴァレリー・ボナール(アルト)
ダニエル・ヨハンセン(テノール)
クリスティアン・イムラー(バリトン)
ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル
ミシェル・コルボ(指揮)

J.S.バッハ/ミサ曲 ロ短調 BWV232

ソプラノのミュラー=ペリエが深みのある表現で素晴らしかった。
アルトのボナールは、第2ソプラノとアルトの両方を担当しており、アルトにしては高音がよく響いていたが、一方低音は弱さが感じられた。
バリトンのイムラーはしっかりとした歌唱だった。
もう70代半ばのコルボだが、指揮台の椅子にはほとんど座らず8割方は立ったままよく動きながら元気に指揮していた(すごいエネルギー!)。
アンサンブルをしっかりまとめ、きびきびしたテンポで進めていた。
演奏後の聴衆の拍手喝采もものすごかった。

だが、ピエルロ指揮で聴いた短いミサ曲ト短調に比べると、このロ短調ミサ曲の規模の大きさは演奏者にも聴き手にも集中力が要求されるだろう。
私も今後何度か繰り返し聴くうちにこの大作の良さが分かる時がくるかもしれない。
だが、今の段階ではとっつきにくさを感じたのが正直な感想である。
プロテスタントのバッハがカトリック式のミサを書いた唯一の作品らしいが、実際のミサで演奏することを意図していたかははっきりしていないようだ。
晩年のバッハが新たな境地に踏み出そうとして書いたのだろうか。

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4日の公演の感想は次の記事で。

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