26日までパソコンの前を離れます
皆様、いつもご愛顧有難うございます。
さて、私は4月24日午後~26日夕方ごろまで、パソコンの前を離れますので、コメントをいただいた場合、ご返事はそれ以降になります。あらかじめご了承ください。
それでは皆様、(ちょっと早いですが)良い週末をお過ごしください!
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第1回来日:1962年2月
ハンス・ホッター(Hans Hotter)(BSBR)
ワルター・クリーン(Walter Klien)(P:プログラムA~C)
NHK交響楽団(NHK Symphonie Orchester)(プログラムD)
ウイルヘルム・シュヒター(Wilhelm Schüchter)(C:プログラムD)
2月8日(木)18:30 東京・産経ホール:プログラムB
2月10日(土)18:30 東京・産経ホール:プログラムC
2月12日(月)18:30 札幌市民会館:プログラムA
2月16日(金)19:00 大阪・毎日ホール:プログラムA
2月20日(火)18:30 名古屋市公会堂:プログラムA
2月21日(水)19:00 京都会館:京響と共演
2月24日(土)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムA
2月27日(火)18:30 神奈川県立音楽堂:プログラムD
2月28日(水)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムD
●プログラムA 共演:ワルター・クリーン(P)
シューベルト(Schubert)/《冬の旅》(Winterreise)
(おやすみ;風見の旗;凍った涙;かじかみ;菩提樹;あふれる涙;川の上で;回顧;鬼火;休息;春の夢;孤獨;郵便;霜おく髪;鴉;最後の希望;村で;嵐の朝;幻影;道しるべ;宿;勇気;幻の太陽;辻音楽師)
●プログラムB 共演:ワルター・クリーン(P)
シューベルト(Schubert)/《白鳥の歌》より(Aus dem "Schwanengesang")
~愛の使い(Liebesbotschaft);春の憧れ(Frühlingssehnsucht);君が像(Ihr Bild);都会(Die Stadt);海辺にて(Am Meer);影法師(Der Doppelgänger)
ヴォルフ(Wolf)/《ミケランジェロによる三つの歌》(Drei Gedichte von Michelangelo)
シューマン(Schumann)/《詩人の恋》(Dichterliebe)
●プログラムC 共演:ワルター・クリーン(P)
シューマン(Schumann)作曲
1.新緑(Erstes Grün)
2.誰がお前を悩ますのだ(Wer machte dich so krank)
3.[古いリュート](Alte Laute)
4.ひそかな恋(Stille Liebe)
5.旅心(Wanderlust)
6.二人の擲弾兵(Die beiden Grenadiere)
ブラームス(Brahms)作曲
7.四十路に(Mit vierzig Jahren)
8.知ることが出来たら(O wüsst ich doch)
9.日曜日(Sonntag)
10.サッフォー頌歌(Sapphische Ode)
11.とく来りませ(Komm bald)
12.使い(Botschaft)
ウォーロック(Warlock)作曲
13.通りすぎる(Passing by)
14.正義と真実(Fair and true)
アイルランド(Ireland)作曲
15.祈り(Adoration)
ヴォーン-ウィリアムズ(V-Williams)作曲
16.放浪児(The Vagabond)
ヴォルフ(Wolf)作曲
17.散歩(Fussreise)
18.満されざる恋(Nimmersatte Liebe)
19.鼓手(Der Tambour)
20.音楽師(Der Musikant)
21.望みなき恋(Die verzweifelte Liebhaber)
22.兵士Ⅰ(Der Soldat I)
23.船乗の別離(Seemanns Abschied)
R.シュトラウス(R.Strauss)作曲
24.わが心のきみ(Du meines Herzens Krönelein)
25.天の使い(Himmelsboten)
26.たそがれの夢(Traum durch die Dämmerung)
27.わが恋をいだいて(Ich trage meine Minne)
28.少年の誓い(Junggesellenschwur)
●プログラムD 共演:NHK交響楽団;ウイルヘルム・シュヒター(C)
ヴェルディ(Verdi)作曲
《運命の力》(L Forza del Destino)序曲(Overture)
《ドン・カルロ》(Don Carlo)第3幕 フィリポ二世のアリア(Philip's Aria)
《椿姫》(La Traviata)第1幕 前奏曲(Prelude)
《オテルロ》(Otello)第2幕 イヤーゴの信条(Jago's credo)
ワーグナー(Wagner)作曲
《タンホイザー》(Tannhäuser)序曲(Overture)
《ニュルンベルクの名歌手》(Die Meistersinger von Nürnberg)第2幕 ザックスの独白(Sachs' monologue)
《ニュルンベルクの名歌手》第3幕 徒弟達の踊りと職人達の入場(Tanz der Lehrbuben und Auftritt der Zünfte)
《ワルキューレ》(Walküre)第3幕 ウォータンの告別と魔の火の音楽(Wotan's farewell and fire spell)
(上記の日本語表記は原則としてプログラム冊子に従いました。)
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ドイツの名バスバリトン歌手である故ハンス・ホッター(Hans Hotter: 1909.1.19, Offenbach am Main – 2003.12.6, Grünwald)が今年で生誕100周年にあたるのを記念して、彼の過去の来日公演を調べていきたいと思う。
ヘルマン・プライの初来日が1961年、F=ディースカウの初来日が1963年であり、その間の1962年にホッターははじめて日本を訪れた。
モーツァルトの名手として名高かったヴァルター・クリーン(1928.11.27, Graz - 1991.2.10, Wien)を共演者に迎えてリートのプログラムを3種類、さらにシュヒター指揮N響とは十八番のヴェルディとヴァーグナーのアリアの夕べも歌った。
ホッターの声が日本ではじめて鳴り響いたのは東京・産経ホールでのシューベルト「愛の使い」だったことになる。
《冬の旅》はもちろん、《白鳥の歌》抜粋も、ヴォルフ《ミケランジェロによる三つの歌》も、《詩人の恋》もみなホッター十八番のレパートリーであるが、最も目をひくのが、プログラムCの途中に含まれるイギリス歌曲の数々である。
ウォーロック、アイアランド、ヴォーン=ウィリアムズの歌曲をホッターはオリジナルの英語で歌ったのだろうか。
そもそもイギリス歌曲をホッターの録音で聴いたことがなかったので、この選曲には驚かされた。
ホッターの英語の発音もそういえば聞いたことがない。
当時の人たちはどのような思いでこれらの歌曲を聴いたのか興味深いところである。
様々な作曲家によるオムニバス・プログラムのBとCは東京で各1回ずつで、他はすべて《冬の旅》であるところは、この歌曲集のわが国での愛好者の多さを考えれば納得できる選曲といえるだろう。
定評あるヴァーグナーを含むオペラアリアのプログラムも横浜と東京で1回ずつ歌われた。
なお、ヴァルター・クリーンは当時からソリストとしてもすでに著名だったとみえる。
2月26日(月)に東京文化会館で奥田道昭指揮日本フィルハーモニー交響楽団とモーツァルトの協奏曲ニ長調「戴冠式」K.537を演奏し、ホッターも客席で聴いていたようである。
さらにNHK弦楽四重奏団(海野良夫/坂本玉明/奥邦夫/堀江泰氏)とは3月8日(木)に同じ会場でブラームスのピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34を披露している。
ホッターとクリーンが共演した録音といえばR.シュトラウス歌曲集が残されているぐらいだろうか。
初期の頃クリーンは積極的にリートを演奏していたようで、プライとの「白鳥の歌」やイルムガルト・ゼーフリートとのリサイタルなどの録音も作られている。
この初来日時の「二人の擲弾兵」を演奏した貴重な映像が以下にアップされていました。
http://www.youtube.com/watch?v=UB7uXIWfxGU
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Dido's Lament, Z. 626, from the opera Dido and Aeneas, no. 37
ダイドーの嘆き(歌劇「ダイドーとエネアス(ディドとアエネアース)」より)
Thy hand, Belinda, darkness shades me;
On thy bosom let me rest.
More I would, but death invades me:
Death is now a welcome guest.
あなたの手を貸しておくれ、ベリンダよ、暗闇が私を隠しています。
あなたの胸の上で私を休ませておくれ。
もっと生きていたかった、だが死が私を侵蝕しています。
死は今や歓迎すべき客なのです。
When I am laid in earth,
May my wrongs create
No trouble in thy breast.
Remember me, but ah! forget my fate.
私が地中に寝かされるとき、
私の過ちが
あなたの胸に苦しみをうみ出さないことを願います。
私のことを覚えていておくれ、だが、ああ!わが運命は忘れておくれ。
詩:Nahum Tate (1652-1715)
曲:Henry Purcell (1658/9-1695)
----------------------------
Nahum Tateの台本にパーセルが作曲したオペラ「ダイドーとエネアス」は全3幕演奏しても1時間ほどの短い作品だが、この時代の重要な作品とみなされている。
カルタゴの女王ダイドーはトロイの王子エネアスと結婚して幸せになるはずが、魔女たちの策略でエネアスは船出することになり、それゆえに自らの命を絶つ。
その瀕死の状況で、彼女の侍女であり姉妹でもあるベリンダに支えられながら歌われるのがこの曲である(第3幕の終盤)。
このうえなく感動的なこの作品は誰が歌っても聴き手の心にしみこんでくる。
また悲しい気分を反映した下降する伴奏音型が胸にしみる。
私はアーメリングが80年代前半にクルト・マズア指揮ゲヴァントハウス管とPhilipsに録音したCDでのなんとも悲痛さのこもった歌声が忘れられない。
動画は以下のようなものが素晴らしかった。
Tatiana Troyanos:楽譜つき。とても感動的なトロヤノスの名唱!
http://www.youtube.com/watch?v=3FIRDl1OpC0
Janet Baker:英国の名アルト、ジャネット・ベイカーの若かりし頃の舞台での演技と非凡な歌唱が聴ける。
http://www.youtube.com/watch?v=D_50zj7J50U&feature=related
Emma Kirkby:古楽の女王健在!衰えを知らないカークビーの清楚な声で素直に曲の良さを伝えてくれる。
http://www.youtube.com/watch?v=iTV6F3lTU7o&feature=related
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wikipediaのDido and Æneasの記事
http://en.wikipedia.org/wiki/Dido_and_Aeneas
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昨夜NHK教育テレビで藤村実穂子&ヴィニョールズ、ボストリッジ&ドレイクの来日公演の録画を続けて放送していた。
藤村たちのリサイタルは私も会場で聴いたので以前このブログでも触れたが、ボストリッジたちの方は別プログラムを聴いたので、この王子ホールでのリサイタルは今回はじめて聴いたことになる。
藤村の歌唱も会場で聴くのとはまた違った良さを感じ、あらためてこの歌手の声の鍛錬の見事さと作品に向き合った真摯な姿勢に感銘を受けた。
リサイタル放映の前に10分ほど彼女のインタビューが放送されたが、もともとリートを歌いたかったが、名もない日本人の歌手がリーダーアーベントを開いても誰も聞きに来ないという助言を素直に受け入れて、まずはオペラの世界で名を挙げようとしたことなど興味深い話が聞けて良かった。
ボストリッジはブリテンの歌曲からクルト・ヴァイル、さらにコール・ポーターまで披露していたが、特にブリテンの歌曲が素晴らしかった。
ドイツリートでの名声が強調されがちなボストリッジだが、どちらかというとイギリス歌曲の方がより本領を発揮しているように感じたのは、単にネイティヴだからというだけではないような気がする。
ところでこの2つの公演、図らずも(あるいは意図的に?)イギリスを代表する名手2人のピアノを立て続けに聴ける絶好の機会にもなった。
ロジャー・ヴィニョールズ(Roger Vignoles)は1945年英Cheltenham生まれ。
ジェラルド・ムーアの演奏に触発されて歌曲ピアニストを志し、パウル・ハンブルガーに師事した。
エリサベト・セデルストレムやキリ・テ・カナワ、トマス・アレンなどとの共演で知られるようになり、その他のベテランや若手の多くの歌手たちと共演してきた。
Brilliant ClassicsのGrieg EDITIONのボックスCDを歌曲全集目当てに購入したら、グリーグのチェロ・ソナタOp.36をRobert Cohenというチェリストと共にヴィニョールズが演奏しているものが収録されており、器楽曲も演奏していることを知った(1980年録音)。
意外なところでは、ドラティがDECCAに録音したハイドンのオラトリオ「四季」のチェンバロ奏者としても参加している(1977年録音)。
初期の頃に彼の演奏する歌曲を録音で聴いた限りでは、とても誠実だが、音の魅力やドラマティックな要素に若干不足するような印象をもっていた(前述のグリーグのチェロ・ソナタはかなり雄弁な演奏だったが)。
その後、シュテファン・ゲンツの来日公演で初めて彼の実演に接し、Hyperionレーベルへのヴォルフ「メーリケ歌曲集」全曲や「アイヒェンドルフ歌曲集」全曲といった快挙ともいえる録音を聴き、さらにパリ・シャトレ座でボストリッジと共演したDVD(シューベルトとヴォルフ)を見るにいたって、彼の持ち味である作品への謙虚な姿勢はそのままで、さらに音に魅力を増した演奏になったと感じるようになった。
そして昨日放映された藤村との来日公演。
実演でも音自体の魅力と、作品への目の行き届いた解釈が感じられたが、テレビで聴いてあらためてこの名手の精進ぶりが伝わってきて感銘を受けたのだった。
ジュリアス・ドレイク(Julius Drake)は1959年ロンドン生まれ。
日本ではもっぱらボストリッジの共演者として知られているようだが、Amazonのサイトなどを検索するといかに多くの演奏家(楽器奏者も含めて)と共演しているかに驚かされる。
来日公演でもボストリッジのある意味自由な歌いぶりにぴったり合わせるだけでなく、ピアノの音を充分に鳴らす一方、繊細なタッチで微細な表情まで表現して、まさに完成されたピアニストとの印象を強く受けた。
実演でもマーラーの「死んだ鼓手(起床合図)」の雄弁な演奏(リズムとテクニックの安定感に裏付けられた)やシューマンのハイネ歌曲での繊細な演奏が印象に残っているが、昨夜の放送でもクルト・ヴァイルの歌曲集など、彼の全力を投じた演奏にすっかり魅了された。
ムーアの客観性と温かみ、パーソンズの高度なテクニックと音の美しさのどちらも備えたピアニストとして、偉大な先達たちの後継者の道を突き進んでいるように感じる。
今後、ボストリッジ以外の演奏家との共演も日本で聴いてみたいものである。
Julius Drake共演者リスト (リンク先はExcelで表示されます)
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Every Little Thingの持田香織が昨年の11月にELTとしての活動と並行してソロ活動を本格的に開始すると公表した時には、そこそこ話題になったものだった。
そして今年に入り、1月28日にソロ名義で初のシングルがとうとうリリースされた。
「雨のワルツ」と題された3曲入りのシングルの内容は、
持田がリスペクトしているインストグループのSAKEROCKと組んだ「雨のワルツ」、
持田の歌唱をフィーチャーした「Drop」、
そしてすでに長年共演歴のあるおおはた雄一との「こころ」である。
「雨のワルツ」のまったりしたゆるい曲調はELTとは明らかに異なる音楽を意識して作られたことが感じられ、インストグループの管楽セクションがその曲調を助長する。
第2曲のサプリメントのCMにも起用された「Drop」は従来のELTの路線とあまり離れないところで、力みを除いた彼女の声の可能性が追求されており、薄い伴奏のうえで持田の多重録音がハーモニーの美しさを引き出している。
最後の「こころ」ははじめて韓国が公式に認めた日本語の歌として沢知恵(さわともえ)が歌った作品のカバーで、おおはたはコーラスではなく純粋にギター演奏で持田をサポートしている。
「雨のワルツ」だけでなく、「Drop」も雨と涙の雫であり、「こころ」も「わたしのこころは湖水です」と歌われ、3曲ともに「水」というテーマが共通項になっているのも単なる偶然ではないだろう。
個人的には「こころ」を歌うもっちーの優しい声と表現力が最も心にしみた。
なお、「雨のワルツ」と「Drop」は持田の作詞作曲である。
「雨のワルツ」発売の際はほとんど派手なプロモーションは行われず、テレビでの楽曲披露もなかったのは彼女の自信のあらわれだろうか。
その露出の少なさにもかかわらず1万枚を越す売り上げとなった。
そして、その後、映画の主題歌を依頼された持田は、オリジナル・ラヴの田島貴男に声をかけユニットを組む。
それが香織(カオリ)の「カオ」と貴男(タカオ)の「カオ」に由来するCaocao(カオカオ)である。
映画は4月18日公開の綾瀬はるか主演「おっぱいバレー」で、綾瀬演じる新任教師が弱小バレー部を奮い立たせるために、もし試合に一勝したらおっぱいを見せてほしいという生徒たちの要望を受け入れることからはじまる青春映画で、実話がもとになっているそうだ。
映画では懐かしいピンクレディーやユーミン、杏里、ツイストなどの歌謡曲が流れるようだが、主題歌としてCaocaoが歌うのもフィンガー5の「個人授業」のカバーである。
私が子供の頃、すでにフィンガー5は解散していたと思うが、この曲や「学園天国」などは何故かよく覚えている(懐メロ番組やものまね番組で聞いたのかもしれない)。
さて4月8日にリリースされたばかりのCaocaoの歌う「個人授業」であるが、この楽曲がピンクレディーなどであまたの名曲を送り出してきた阿久悠&都倉俊一コンビの作品だとはこれまで知らなかった。
そのメロディーの簡潔でありながら心にひっかかる音の選び方のすごさ、そして阿久悠の情景の浮かぶ言葉の力にあらためて驚かされた。
そして自画自賛している田島貴男のアレンジが、心憎いほど原曲の良さに新しい衣を着せることに成功している。
インストだけで聞いても成立するほどの楽しいアレンジである。
田島のパンチのきいた歌声は曲の性格に大いにマッチしているが、彼の助言を受け入れながら歌ったというもっちーの声の魅力にもあらためて聞き惚れた。
テレビやライヴなどでは時に声の不安定さを露呈してしまうこともある最近の彼女だが、スタジオ録音では彼女の最良の部分が掬い取られていて安心して聞くことが出来る。
プロモーションビデオはすでに多くのサイトで公開されていて、映画のような凝った楽しいつくりになっているのでまだ見ていない方はぜひ!
今年はELTとしての活動もすでに予定されているようで、精力的な彼女の活動から目が離せない。
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動画サイトを検索していたら、こんなものを見つけた。
http://www.youtube.com/watch?v=OdnPk9ET7fw
舞台から引退して久しいエリー・アーメリングの最近の映像である。
おそらく以下のイベント(今年の4月4日のコンサート)の一場面であろう。
http://www.vol-libanonlyceum.nl/100jaar/4april.htm
"Libanon Lyceum 100 jaar"のイベントで、上記の情報によればアーメリングは過去の放送録音を流して、実際には歌う予定はなかったのだろう。
しかし、このプログラムの最後に"Slotakkoord!!??"(終止和音!!??)という項目がある。
おそらくこの時に歌われたのがこの映像ではないだろうか。
アーメリングがクララ・ウレマンというメゾソプラノと「2匹の猫の滑稽な二重唱」(伝ロッシーニ)を披露しているのだ。
彼女はこの曲をスタジオ録音しなかったと思うので貴重な映像である。
相変わらずの芸達者ぶりは健在であり、細かい装飾箇所や最後に声を張るところでも往年の輝きの片鱗が聴けたことは嬉しい。
ファンならずとも2人の歌手の猫芸が楽しめると思うので、よろしければご覧になってみてください。
Rossini (?) / Duetto buff in due gatti
Elly Ameling(S)
Klara Uleman(MS)
Marlies van Gent(P)
Jan van Lier(P)
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東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2009-
ディートリヒ・ヘンシェル~バリトン・リサイタル
2009年4月9日(木) 19:00 東京文化会館 小ホール
バリトン:ディートリヒ・ヘンシェル(Dietrich Henschel)
ピアノ:岡原慎也(Shinya Okahara)
シューベルト/《ゲーテ歌曲集》
1.プロメテウス D.674
2.ガニュメート op.19-3 D.544
3.御者クローノスに op.19-1 D.369
4.ミューズの子 op.92-1 D.764
5.野ばら op.3-3 D.257
6.秘めごと op.14-2 D.719
7.たゆみなき愛 op.5-1 D.138
8.月に寄す D.[296](D.259とプログラムには書かれているが、実際には第2作のD.296の方が歌われた)
9.歓迎と別れ op.56-1 D.767
~休憩~
マーラー/《子供の魔法の角笛》より
10.ストラスブルクの砦に
11.塔の中の囚人の歌
12.美しいトランペットが鳴り響く所
13.死んだ鼓手
14.夏に小鳥はかわり
15.私は緑の森を楽しく歩いた
16.だれがこの歌を作ったのだろう
17.魚に説教をするパドヴァの聖アントニウス
18.高い知性への賛美
~アンコール~
19.マーラー/ラインの伝説
20.シューベルト/鱒 D.550
21.シューベルト/魔王 D.328
22.R.シュトラウス/万霊節 op.10-8
-----------------------------------
ディートリヒ・ヘンシェルと岡原慎也のコンビによる実演は、随分前にR.シュトラウスばかりのリサイタルを聴いたことがあり、それ以来久しぶりである。
だがドイツリート歌手として大きな名声をほこる中堅バリトンのリサイタルにしてはあまりにも空席の目立つ状況だったのはもったいなく、広報にさらなる改善の余地があるのではないだろうか。
ヘンシェルはとても顔の表情が豊かでころころ変わる表情が「見せる」舞台人としての確かな適性を感じさせた。
声は高音から低音までうまくコントロールされていたように感じたが、若干疲れが声に出ていた瞬間もあった。
それぞれの曲の性格を損なわない範囲内ではあるが、どの曲もかなりドラマティックな起伏に富んだ歌いぶりだった(しばしばつばを飛ばしていたのもはっきり見えるほどだった)。
私は必ずしも歌曲において歌手の国籍にはこだわらないのだが、ヘンシェルのドイツ語の実に切れのいい美しい発音を聞くと、やはりネイティヴならではの強みを感じずにはいられなかった。
ハイバリトンの心地よい響きも健在だった。
前半がシューベルトのゲーテ歌曲集、後半がマーラーの《子供の魔法の角笛》からの選集だったが、さらにそれぞれのブロックが2つに分けられ、重めの曲を前半に、気軽でユーモラスな曲を後半に配した、なかなか考えぬかれたプログラミングだったと感じた。
シューベルトでは例えば「野ばら」において早めのテンポで民謡調の簡素さを切り捨て、詩に盛り込まれたドラマを前面に押し出した(好き嫌いの分かれる歌唱だっただろう)。
一方「ガニュメート」最後の息の長いフレーズではヘンシェルの声のコントロールは見事だったものの、このフレーズがあまりに淡白に響き過ぎたのは惜しまれた。
だが「ミューズの子」では生気にあふれ、「たゆみなき愛」では情熱的に歌い上げ、「秘めごと」では豊かな顔の表情も加えて恋人同士の"秘めごと"を魅力的に表現していた。
「プロメテウス」「御者クローノスに」「歓迎と別れ」のような実演でなかなか聴く機会に恵まれない曲をヘンシェルのドラマティックな歌唱で聴けたのが個人的にはうれしかった。
マーラーでは「美しいトランペットが鳴り響く所」や「私は緑の森を楽しく歩いた」でヘンシェルの抑えた弱声の美しさに惹かれた。
一方「塔の中の囚人の歌」「死んだ鼓手」では師匠ディースカウ譲りの劇性で全力で表現していた。
マーラーの後半グループは肩の力を抜いて楽しめるものばかりだが、最後の2曲ではマーラーの強烈な皮肉も込められているのだろう。
説教を有難がって聞いていた魚たちも説教が終わった途端に元の木阿弥になってしまうと歌われる「魚に説教をするパドヴァの聖アントニウス」は結構身につまされる内容で、かつて「リートを聴く前と聴いた後では別人になっていなければならない」と言っていたシュヴァルツコプフの言葉が思い出されるのである。
岡原慎也のピアノはシューベルトでは叙情的な柔らかさ、音色のコントロールが際立っていたが、それ以上に後半のマーラーでの雄弁な出来栄えが素晴らしかった。
若干シューベルトでは聞かれたミスタッチもマーラーでは殆どなく、難曲ゆえにかえって準備が万全になされたのだろうと感じられた。
「ストラスブルクの砦に」でのアルペンホルン、あるいは「美しいトランペットが鳴り響く所」での静謐なトランペットの響きなど、デリカシーに富んだ岡原のピアノは研ぎ澄まされた美しさだった。
また「死んだ鼓手」での立体感あふれる雄弁な演奏はヘンシェルの歌唱と拮抗して手に汗にぎる響きをつくり出していた。
1曲ごとに起こる拍手に最初は演奏者も戸惑っていたようだが、次第に慣れたようだ。
だが、マーラー前半の悲壮感漂うグループでは曲間で拍手が起こっても表情を変えずに連続して一つのグループを形成しようとしていたのが感じられ、「曲間の拍手はご遠慮ください」といういつものアナウンスが無かったことが惜しまれた。
「ラインの伝説」に続き、アンコールの2曲目でヘンシェルが"Noch ein Fisch"(魚をもう1匹)と言って歌い始めたのが「鱒」だった。
ここではヘンシェルも流麗な流れを優先しながら曲のドラマをさらりと織り込んでいて、岡原のタッチが絶妙な美しさだった。
それにしても3曲目のアンコールでまさか「魔王」が聴けるとは思ってもいなかった。
歌い手もだが、ピアニストにとってもどこにこれだけのスタミナが残っていたのかと思ったが、岡原ほどの名手ならば「魔王」を全曲弾ききる術を会得していたに違いない。
左手をうまく織り込み、ペダルを有効に使いながら、全く見事に「魔王」を弾ききっていた。
ヘンシェルは魔王のパートではあまり声色を変えていなかったが、子供のパートではオペラのように激しく、時にオリジナルの音を意図的にはずしながらドラマティックに表現していた。
最後を締めくくったのはR.シュトラウスの「万霊節」。
彼の十八番なのだろう、歌いこまれた余裕も感じさせながら静謐な美しさをもって感動的に表現していた。
東京・春・音楽祭の一環ということもあってか普段リートのコンサートに来ない人も多かったのだろう。
それ自体はいいことだが、曲中に歌詞カードをぺらぺら大きな音をたててめくる人がいつも以上に多かったのは気になった。
とはいえ久しぶりに聴いたヘンシェルの声と表現、脂ののった歌唱を堪能できたのがうれしかった。
ヘンシェルが来日公演の際にドイツ人ピアニストを連れてこないのが良く理解できるほどの岡原の細やかな感性にあふれたピアノもさらに磨きがかかっていたように感じられた。
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Music for a while, Z. 583 no. 2
しばしの間の音楽
Music for a while
Shall all your cares beguile:
Wond'ring how your pains were eas'd
And disdaining to be pleas'd
Till Alecto free the dead
From their eternal bands,
Till the snakes drop from her head,
And the whip from out her hands.
しばしの間の音楽が
あなたのあらゆる心配事を紛らすでしょう、
自分の苦痛がどうやって取り除かれたのか訝りつつ、
喜ぶことを潔しとせずに、
アーレークトー(復讐の女神)が死者を
永遠の束縛から解放するときまで、
蛇が彼女の頭から落ち、
鞭が彼女の手から落ちるときまで。
詩:John Dryden (1631-1700) & Nathaniel Lee (1653?-1692)
曲:Henry Purcell (1659?-1695)
----------------------------------
パーセルの歌の中でもとりわけよく知られたこの曲は、もとはドライデンとリーの台本による悲劇「オイディプース王(Oedipus)」のための付随音楽(第3幕第1場)として書かれたものである。
その後「イギリスのオルペウス」という歌曲集の第2巻(Orpheus Britannicus, Vol. II)にも収められた。
落ち着いたゆったりとしたテンポで静かに歌われる音楽は魅力的だが、詩の内容をじっくり見てみると結構物騒なことを歌っている。
アーレークトーとは、エリーニュースという3人の復讐の女神のうちの1人で、頭髪が蛇で出来ていて、鞭で罪人を打ち殺すという。
劇の主役オイディプースは実の父をそれと知らずに殺し、王位についてからそれと知らずに実の母を娶り子供を授かった。
後に自分が父殺しの張本人であることを知り、自らの目をつぶして、放浪し、アテーナイで最期を迎えた。
ドライデンとリーの台本を見たわけではないので、上の詩がどの状況で歌われるのかは分からないが、おそらく最期を迎えた場面で歌われたのではないかと想像している。
パーセルの曲は、"eternal"(永遠の)という語を装飾しながら文字通り長く伸ばしたり、"drop"(落ちる)という語を休符をはさみながら何度も繰り返したりといった言葉に反応した歌のメロディが印象的である。
以下の2つの動画で魅力的な歌を味わうことが出来ます。
Philippe Jaroussky(Countertenor) Yoko Nakamura(Clavecin)
http://www.youtube.com/watch?v=JCrbTBEeiyQ
Sylvia McNair(S)(楽譜付き)
http://www.youtube.com/watch?v=WPdP4cDLomI
----------------------------------
参照:復讐の女神エリーニュースに関するwikipediaでの記述
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9
参照:オイディプースに関するwikipediaでの記述
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%97%E3%82%B9
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