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ホッター日本公演曲目1962年(初来日)

第1回来日:1962年2月

ハンス・ホッター(Hans Hotter)(BSBR)
ワルター・クリーン(Walter Klien)(P:プログラムA~C)
NHK交響楽団(NHK Symphonie Orchester)(プログラムD)
ウイルヘルム・シュヒター(Wilhelm Schüchter)(C:プログラムD)

2月8日(木)18:30 東京・産経ホール:プログラムB
2月10日(土)18:30 東京・産経ホール:プログラムC
2月12日(月)18:30 札幌市民会館:プログラムA
2月16日(金)19:00 大阪・毎日ホール:プログラムA
2月20日(火)18:30 名古屋市公会堂:プログラムA
2月21日(水)19:00 京都会館:京響と共演
2月24日(土)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムA
2月27日(火)18:30 神奈川県立音楽堂:プログラムD
2月28日(水)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムD

●プログラムA 共演:ワルター・クリーン(P)

シューベルト(Schubert)/《冬の旅》(Winterreise)
(おやすみ;風見の旗;凍った涙;かじかみ;菩提樹;あふれる涙;川の上で;回顧;鬼火;休息;春の夢;孤獨;郵便;霜おく髪;鴉;最後の希望;村で;嵐の朝;幻影;道しるべ;宿;勇気;幻の太陽;辻音楽師)

●プログラムB 共演:ワルター・クリーン(P)

シューベルト(Schubert)/《白鳥の歌》より(Aus dem "Schwanengesang")
~愛の使い(Liebesbotschaft);春の憧れ(Frühlingssehnsucht);君が像(Ihr Bild);都会(Die Stadt);海辺にて(Am Meer);影法師(Der Doppelgänger)

ヴォルフ(Wolf)/《ミケランジェロによる三つの歌》(Drei Gedichte von Michelangelo)

シューマン(Schumann)/《詩人の恋》(Dichterliebe)

●プログラムC 共演:ワルター・クリーン(P)

シューマン(Schumann)作曲
1.新緑(Erstes Grün)
2.誰がお前を悩ますのだ(Wer machte dich so krank)
3.[古いリュート](Alte Laute)
4.ひそかな恋(Stille Liebe)
5.旅心(Wanderlust)
6.二人の擲弾兵(Die beiden Grenadiere)

ブラームス(Brahms)作曲
7.四十路に(Mit vierzig Jahren)
8.知ることが出来たら(O wüsst ich doch)
9.日曜日(Sonntag)
10.サッフォー頌歌(Sapphische Ode)
11.とく来りませ(Komm bald)
12.使い(Botschaft)

ウォーロック(Warlock)作曲
13.通りすぎる(Passing by)
14.正義と真実(Fair and true)

アイルランド(Ireland)作曲
15.祈り(Adoration)

ヴォーン-ウィリアムズ(V-Williams)作曲
16.放浪児(The Vagabond)

ヴォルフ(Wolf)作曲
17.散歩(Fussreise)
18.満されざる恋(Nimmersatte Liebe)
19.鼓手(Der Tambour)
20.音楽師(Der Musikant)
21.望みなき恋(Die verzweifelte Liebhaber)
22.兵士Ⅰ(Der Soldat I)
23.船乗の別離(Seemanns Abschied)

R.シュトラウス(R.Strauss)作曲
24.わが心のきみ(Du meines Herzens Krönelein)
25.天の使い(Himmelsboten)
26.たそがれの夢(Traum durch die Dämmerung)
27.わが恋をいだいて(Ich trage meine Minne)
28.少年の誓い(Junggesellenschwur)

●プログラムD 共演:NHK交響楽団;ウイルヘルム・シュヒター(C)

ヴェルディ(Verdi)作曲
《運命の力》(L Forza del Destino)序曲(Overture)
《ドン・カルロ》(Don Carlo)第3幕 フィリポ二世のアリア(Philip's Aria)
《椿姫》(La Traviata)第1幕 前奏曲(Prelude)
《オテルロ》(Otello)第2幕 イヤーゴの信条(Jago's credo)

ワーグナー(Wagner)作曲
《タンホイザー》(Tannhäuser)序曲(Overture)
《ニュルンベルクの名歌手》(Die Meistersinger von Nürnberg)第2幕 ザックスの独白(Sachs' monologue)
《ニュルンベルクの名歌手》第3幕 徒弟達の踊りと職人達の入場(Tanz der Lehrbuben und Auftritt der Zünfte)
《ワルキューレ》(Walküre)第3幕 ウォータンの告別と魔の火の音楽(Wotan's farewell and fire spell)

(上記の日本語表記は原則としてプログラム冊子に従いました。)

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ドイツの名バスバリトン歌手である故ハンス・ホッター(Hans Hotter: 1909.1.19, Offenbach am Main – 2003.12.6, Grünwald)が今年で生誕100周年にあたるのを記念して、彼の過去の来日公演を調べていきたいと思う。

ヘルマン・プライの初来日が1961年、F=ディースカウの初来日が1963年であり、その間の1962年にホッターははじめて日本を訪れた。
モーツァルトの名手として名高かったヴァルター・クリーン(1928.11.27, Graz - 1991.2.10, Wien)を共演者に迎えてリートのプログラムを3種類、さらにシュヒター指揮N響とは十八番のヴェルディとヴァーグナーのアリアの夕べも歌った。

ホッターの声が日本ではじめて鳴り響いたのは東京・産経ホールでのシューベルト「愛の使い」だったことになる。
《冬の旅》はもちろん、《白鳥の歌》抜粋も、ヴォルフ《ミケランジェロによる三つの歌》も、《詩人の恋》もみなホッター十八番のレパートリーであるが、最も目をひくのが、プログラムCの途中に含まれるイギリス歌曲の数々である。
ウォーロック、アイアランド、ヴォーン=ウィリアムズの歌曲をホッターはオリジナルの英語で歌ったのだろうか。
そもそもイギリス歌曲をホッターの録音で聴いたことがなかったので、この選曲には驚かされた。
ホッターの英語の発音もそういえば聞いたことがない。
当時の人たちはどのような思いでこれらの歌曲を聴いたのか興味深いところである。

様々な作曲家によるオムニバス・プログラムのBとCは東京で各1回ずつで、他はすべて《冬の旅》であるところは、この歌曲集のわが国での愛好者の多さを考えれば納得できる選曲といえるだろう。
定評あるヴァーグナーを含むオペラアリアのプログラムも横浜と東京で1回ずつ歌われた。

なお、ヴァルター・クリーンは当時からソリストとしてもすでに著名だったとみえる。
2月26日(月)に東京文化会館で奥田道昭指揮日本フィルハーモニー交響楽団とモーツァルトの協奏曲ニ長調「戴冠式」K.537を演奏し、ホッターも客席で聴いていたようである。
さらにNHK弦楽四重奏団(海野良夫/坂本玉明/奥邦夫/堀江泰氏)とは3月8日(木)に同じ会場でブラームスのピアノ五重奏曲ヘ短調Op.34を披露している。

ホッターとクリーンが共演した録音といえばR.シュトラウス歌曲集が残されているぐらいだろうか。
初期の頃クリーンは積極的にリートを演奏していたようで、プライとの「白鳥の歌」やイルムガルト・ゼーフリートとのリサイタルなどの録音も作られている。

この初来日時の「二人の擲弾兵」を演奏した貴重な映像が以下にアップされていました。
http://www.youtube.com/watch?v=UB7uXIWfxGU

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