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ブリュッヘン&新日本フィル/ハイドン「ロンドン・セット」第4回(2009年2月28日 すみだトリフォニーホール)

フランス・ブリュッヘン・プロデュース
Bruggen_haydn_2009HAYDN PROJECT
「ロンドン・セット」全曲演奏会 第4回

2009年2月28日(土)15:00開演 すみだトリフォニーホール(1階6列3番)

新日本フィルハーモニー交響楽団(New Japan Philharmonic)
フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen)(C)

ハイドン(Franz Joseph Haydn: 1732-1809)作曲

交響曲第102番変ロ長調Hob.I-102
 I.  Largo - Vivace
 II. Adagio
 III.Menuetto: Allegro
 IV. Finale: Presto

交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103
 I.  Adagio - Allegro con spirito
 II. Andante più tosto Allegretto
 III.Menuetto
 IV. Finale: Allegro con spirito

~休憩~

交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104
 I.  Adagio - Allegro
 II. Andante
 III.Menuetto: Allegro
 IV. Finale: Spiritoso

~アンコール~
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」~第4楽章

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ハイドン没後200年を記念したブリュッヘンのプロデュースによる新日本フィル・ハイドン・プロジェクトの最終回を当日券で聴いてきた。
第3回は右寄りの席だったが、今回は左端の席。
従って、第1ヴァイオリンやコントラバス奏者がよく見える一方、ブリュッヘンの指揮姿は若干見にくい位置だった。

今回は「ロンドン・セット」の最後であると同時に、ハイドン最後の交響曲でもある3曲が演奏された。

ブリュッヘンはいすに腰掛けて(すでに74歳という高齢だそうだ)最低限の動きで指揮をしていたように見えたが、充分に練習を積んだ楽団員を信用しているように感じた。
たまに不揃いに感じられる箇所もあったが、気になるほどではなく、奏者たちの熱意が伝わってくる積極的な演奏だったと思う。
ノンビブラートの清潔感のある響きも心地よかった。

最初に演奏された第102番は第1楽章序奏での弦の繊細なハーモニーが美しい。静と動、明と暗が交錯する充実した楽章であった。
終楽章のたたみかけるような細かな動きは気持ちを高揚させる。
ほかの2曲と違い、この曲ではクラリネットが使われていなかった。

第103番に付けられている「太鼓連打」というニックネームは那須田務氏のプログラムノートによると冒頭のティンパニのトレモロに由来するようで、今回のティンパニ奏者は装飾を加えていたようだ。
民族色の濃厚さゆえに親しみやすい音楽になっていたと感じた。

ハイドン最後の交響曲となった第104番は第1楽章冒頭の暗く重々しい序奏が主部の明るい主題と好対照をなしていてハイドンにもこんな深刻な表情があるのかと気付かされた。
ケルト風(?)舞曲調の最終楽章が聴いていて楽しく、アンコールでも再び演奏され喝采を浴びていた。

ただ素朴で明るく軽快なだけでないハイドンの多彩な側面を今回も知ることが出来て、とても充実した時間を過ごせた。
これだけハイドンばかりをコンサート会場で集中して聴く機会はなかなかないであろう。
今回の一連の企画と演奏の成功に心から拍手を贈りたいと思う。

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コメント

今晩は。ブリュッヘンの実演は聴いたことがないのですけれど、CDでは、ハイドンの交響曲を18世紀Orc.の演奏で時折聴くようにしています。何か清涼剤のようなものがほしいときに。
 古楽器演奏やその影響は、この数十年で当然のようになったようですが、ブリュッヘンの指揮では彼のリコーダーの響きと同じ透明感と、何ともいえない柔らかさ(ふにゃふにゃではない!)というか、味わいがあるように思っております。彼のシューベルトの「ザ・グレイト」も愛聴盤のひとつ。もう74歳になられたのですねえ。昔で言えば大御所ですね。
 因みにハイドンはパパ・ハイドンと呼ばれる割には日本では(外国ではどうか知らないくせにいいますが)、いささか等閑にされている作曲家かもしれません。という私もよくは知らないのだからさらに困ったものですが。

投稿: tujimori | 2009年3月 2日 (月曜日) 18時04分

tujimoriさん、こんばんは。
私はtujimoriさんとは逆にCDではブリュッヘンの録音を聴いたことがなく、いきなり生の演奏を聴いたことになります。
18世紀オーケストラはかつて随分話題になったようで、私の同級生も「グレイト」の演奏を推していたのを覚えています。
ブリュッヘンの指揮は指揮棒も持たずに両手を使って表現していましたが、曲がはじまる時いつも右手を掲げ、親指とほかの4本の指との間隔を鋭角で保ちながらスタートする姿を何度も見て、絵になるなぁと思いながら聴いていました。
昔はリコーダーも吹いていたんですよね。YouTubeに若い頃の白黒の映像があって、とても生き生きと演奏していました。
今年はハイドンの音楽が見直されるといいですね。「清涼剤」とはいい例えですね。私も同感です。

投稿: フランツ | 2009年3月 2日 (月曜日) 22時08分

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