« 歌曲ピアニスト、三浦洋一逝去 | トップページ | シューベルティアーデ2008のFM放送予定 »

ブリュッヘン&新日本フィル/ハイドン「ロンドン・セット」第3回(2009年2月20日 すみだトリフォニーホール)

フランス・ブリュッヘン・プロデュース
HAYDN PROJECT
「ロンドン・セット」全曲演奏会 第3回

2009年2月20日(金)19:15開演 すみだトリフォニーホール(1階12列28番)

新日本フィルハーモニー交響楽団(New Japan Philharmonic)
フランス・ブリュッヘン(Frans Brüggen)(C)

ハイドン(Franz Joseph Haydn: 1732-1809)作曲

交響曲第99番変ホ長調Hob.I-99
 I.  Adagio - Vivace assai
 II. Adagio
 III.Menuetto: Allegretto
 IV. Finale: Vivace

交響曲第100番ト長調「軍隊」Hob.I-100
 I.  Adagio - Allegro
 II. Allegretto
 III.Menuetto: Moderato
 IV. Finale: Presto

~休憩~

交響曲第101番ニ長調「時計」Hob.I-101
 I.  Adagio - Presto
 II. Andante
 III.Menuetto: Allegretto
 IV. Finale: Vivace

~アンコール~
交響曲第101番ニ長調「時計」~第2楽章

-------------------------

ハイドン没後200年を記念してオランダの名指揮者ブリュッヘンのプロデュースによるハイドン・プロジェクトが進行中である。
2月上旬の「天地創造」は聴けなくて残念だったが、交響曲シリーズのうち1度は聴いておこうと思い、全4回シリーズの第3回に出かけた。
会場のすみだトリフォニーホールは私にとってはじめてのホールだが、錦糸町駅から5分ぐらいの分かりやすい場所にあった。
また開演時間が7時15分というのも余裕が出来るので平日には好ましい設定だと思う。

登場したブリュッヘンは随分お年を召しておられる印象。
長身、痩身で足取りも覚束ない感じで、ゆっくりと中央までたどり着き、しっかりとお辞儀をしていたが、指揮台にのぼらずにお辞儀をしていたのは好感がもてた。
指揮台では椅子に座りながら指揮をしていたが、椅子に座って低くなっているうえに、譜面台が体の前に置かれているため、管楽器奏者はブリュッヘンの指揮を見ることが出来るのだろうかという気がしたが、その辺は練習時にあらかじめ了解しているのかもしれない。
また、オケの奏者も、譜面台が比較的高い位置に置かれているので、特に正面を向いている管楽器奏者は楽器が殆ど見えず、どの奏者が何を演奏しているのか音から推測するしかないという感じだった(ほかの席から見たら違ったのかもしれないが)。

ハイドンの「ロンドン・セット」は、ザロモンという人の委嘱によりロンドンで書かれて演奏された12曲の交響曲だが、今回のシリーズではそれをホーボーケンの番号順ではなく、ハロルド・ロビンソンによる作曲年順に並べて4回に分けて演奏しようという企画とのことだ。
今回はその3回目で第99番から第101番までの3曲が演奏された。
第100番「軍隊」や第101番「時計」はニックネームが付いているためによく知られるにいたった作品だが、ニックネームのない第99番もそれらに劣らず魅力的な作品であった(ニックネームの有無が知名度に大きな影響を与えるというのは興味深い事実ではある)。

新日本フィルはおそらくブリュッヘンの指示によるのだろうが、ノンビブラートで演奏していて、すっきりとした清潔感があった。
「時計」の第2楽章(最近やたらとTV番組のBGMに多用されている)ではヴィオラ奏者にアルペッジョでピツィカートさせていたのが珍しく興味深かった。
「軍隊」はトルコ風軍楽隊の音楽をとりいれた第2、4楽章に由来したニックネームのようだが、特に第4楽章の後半では、いったん舞台袖に引っ込んでいた打楽器チームが、ねじ回しのおもちゃの軍楽隊のように無表情で足を高くあげながら舞台上手から行進してきて、下手に消えていくという演出が面白かった。
軍楽隊を先導した人が床をたたいてリズムをとっていた指揮杖は、リュリが足に刺してそれがもとで亡くなったというあの杖だろうか。
また、第2楽章では、シンバル奏者がデクレッシェンドをしながら連打しているのを見て、この楽器に単なるアクセントとしてではない音楽的な要素を求めているハイドンという作曲家をあらためて見直した気持ちになった。

後半の「時計」も良かったが、それ以上に前半の2曲がオケの演奏にもまとまりと生気があって魅力的な演奏だったように感じた。

ハイドンの朴訥さ、清潔感、温かさ、切れの良さ、楽想の豊富さ、コントラスト、ユーモア、古典性、大胆さ、等々様々な要素がこれらの作品に混在していて、単にシンフォニーコンサートの前座的な扱いにとどまらない独自の魅力を感じることの出来た充実した時間だった。
私個人としてはモーツァルトの交響曲よりもこちらの方が好きかもしれない。
意欲的な企画を実行したブリュッヘンと新日本フィルに感謝したい。
28日(土)がこのシリーズの最終回である。

|

« 歌曲ピアニスト、三浦洋一逝去 | トップページ | シューベルティアーデ2008のFM放送予定 »

ハイドン」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/150976/44130540

この記事へのトラックバック一覧です: ブリュッヘン&新日本フィル/ハイドン「ロンドン・セット」第3回(2009年2月20日 すみだトリフォニーホール):

« 歌曲ピアニスト、三浦洋一逝去 | トップページ | シューベルティアーデ2008のFM放送予定 »