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ハイドン/人魚の歌

The Mermaid's Song, Hob. XXVIa no. 25
 人魚の歌

Now the dancing sunbeams play
On the green and glassy sea,
Come, and I will lead the way
Where the pearly treasures be.
 今、踊る日の光が
 緑映える鏡さながらの海に戯れています。
 いらっしゃい、私が道案内しましょう、
 真珠の宝のあるところへ。

Come with me, and we will go
Where the rocks of coral grow.
Follow, follow, follow me.
 私といっしょにいらっしゃい、行きましょう、
 珊瑚礁が広がるところへ。
 ついて、ついて、ついていらっしゃい。

Come, behold what treasures lie
Far below the rolling waves,
Riches, hid from human eye,
Dimly shine in ocean's caves.
Ebbing tides bear no delay,
Stormy winds are far away.
 来て、ご覧なさいな、どんな宝物が
 うねる波のはるか下にあるのかを。
 宝は、人の目からかくれて、
 かすかに海の洞穴に輝いているのです。
 遅れると引き潮になるし、
 嵐の風ははるかかなたです。

Come with me, and we will go
Where the rocks of coral grow.
Follow, follow, follow me.
 私といっしょにいらっしゃい、行きましょう、
 珊瑚礁が広がるところへ。
 ついて、ついて、ついていらっしゃい。

詩:Anne Hunter (née Home: 1742-1821)
曲:Franz Joseph Haydn (1732-1809)

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ハイドンの歌曲の中でも最も魅力的な作品の一つ。
アン・ハンターの英語詩による「6つのオリジナル・カンツォネッタ 第1集」の第1曲。
人魚が宝物を餌に人間を海底へと誘うという内容である。
ハイドンの音楽はハ長調の天真爛漫な明るさで描かれ、人間を誘い込む妖艶さとはほど遠い。
しかし「北風と太陽」の話ではないが、明るさはしばしば人を油断させる。
ハイドンの意図がその心理をついているとしたらなかなかの確信犯ではないか!
規模の大きいピアノ前奏(21小節!)は細かい音型がコロコロ踊り、水面が陽光にきらめいている様や、人魚がすいすい泳ぐ様を模しているかのようだ。
歌が入る直前には歌のリフレイン(Follow, follow, follow me)が先駆けて演奏される。
歌は2節の有節形式で、音程の跳躍や装飾が多く、歌い手にとってかなりの技巧が要求されるように思われる。
ピアノの高音はほぼ歌をなぞるが、かなり装飾されて生き生きと雄弁に響く。
4分の2拍子、Allegretto。歌声部の最高音は2点ト音、最低音は1点ハ音。

アーメリング(S)ボールドウィン(P):EMI:1972年録音:1980年の全集における味わいのある歌もいいが、このオムニバス盤での歌唱はどこまでも伸びる美声が最高に魅力的。ボールドウィンも速めのテンポで生き生きと演奏している。

オージェー(S)オルベルツ(P):BERLIN Classics:1980年録音:オージェーは光沢のある声で丁寧に歌い素晴らしい。オルベルツのどの音にも気を配ったデリケートな演奏はオージェーの歌とぴったり合致している。

ミルン(S)ヴィニョールズ(P):Hyperion:2001年録音:ミルンは細かい表情の付け方がうまい。2回目のリフレインで簡素な装飾を加えているのが興味深い。ヴィニョールズはさりげなさの中に味わいを盛り込んでいる。

YouTubeでこの曲を聴くことが出来ます。
http://jp.youtube.com/watch?v=WOWvJuo5CgQ

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コメント

私はアーメリンクでこの歌詞の歌を聞いたことがありますが、ハイドンだったかな? アップテンポでいい歌でした。
Come with me and we will go /where the rocks of coral glow (2 times)...follow, follow, follow me! follow, follow, follow me!

投稿: Auty | 2009年1月25日 (日曜日) 11時43分

Autyさん、こんにちは。
アーメリングはこの曲を2回スタジオ録音しているので、Autyさんがお聴きになったのはそのどちらかではないでしょうか。
2回の録音で趣が随分異なるので、比較すると興味深いです。

投稿: フランツ | 2009年1月25日 (日曜日) 12時53分

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