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ルチア・ポップ没後15年に寄せて:歌曲ディスコグラフィ

ソプラノ歌手のルチア・ポップ(Lucia Popp: 1939.11.12, Uhorška Veš (Bratislava) - 1993.11.16, München)が1993年に亡くなったことを記した新聞記事を読んだ時はまさに青天の霹靂だった。
というのもその前年に彼女の東京初の歌曲リサイタルを聴いたばかりだったから。
井上直幸(彼も故人となってしまった!)との初共演はR.シュトラウスやマーラー、それにシューマン「女の愛と生涯」などポップの十八番ばかりだった。
サントリーホールに響き渡った美しい声とチャーミングな笑顔からはその翌年の早逝を予感させるものは全くなかった。
F=ディースカウとともにサヴァリシュ指揮でブラームス「ドイツ・レクイエム」も歌ったが、あまりにもリートのコンサートのラッシュ時期だったため聴かなかったのが惜しまれる。
1993年はアーリーン・オジェーとルチア・ポップ、2人の偉大なリート歌手を失った年だった。
奇しくも2人ともグレアム・ジョンソンがハイペリオン・レーベルで進めていたシューベルト歌曲全集でそれぞれ1枚ずつ担当して素敵な録音を残してくれた。
あれから15年も経ってしまったが、彼女の歌唱の魅力は全く色あせることがない。

ルチア・ポップの没後15年を記念して彼女の歌曲を歌った録音をまとめてみた。
彼女の歌はきめの細かいヴィブラートを伴った細身の搾り出すような声が浮世離れした透明感をもっていて、澄んで美しく、しかし理知的で誇張のない表現力は聴き手の心にそっと忍び込む。
女優出身であることが頷けるほどの愛らしい美貌も含めて魅力的な歌手だった。
リートではブラームスやマーラー、シュトラウスあたりが彼女のお気に入りのようだが、お国物のドヴォジャークの歌曲も多くの機会に歌っているのが目を惹く。
ピアニストはオーストラリア出身でイギリスを本拠に活動したジェフリー・パーソンズ(1929-1995)と、スラヴ系米国人のアーウィン・ゲイジ(1939-)と共演する機会が多かったようだ。
日本では関西で初のリサイタルをサヴァリシュと行い、後に東京初のリサイタル(同時に最後にもなってしまった)を井上直幸と行った。
ここで作成したディスコグラフィはピアノ共演による録音に絞ったが、オケ共演のシュトラウス「4つの最後の歌」(テンシュテットとティルソン・トマス指揮の2種類)やマーラー「少年の魔法の角笛」なども彼女の代表作として忘れてはならないだろう。
また、N響と日本でも披露したオルフ「カルミナ・ブラーナ」も録音を残しており、彼女の美声が堪能出来る(PAL方式ならDVDで音に合わせた映像を見ることが出来る。YouTubeにもアップされているので興味のある方はご覧になってください)。

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●Recital Covent Garden 1975
Popp_fischer_1975Gala: GL 336
録音:1975年4月13日, Covent Garden

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Georg Fischer(ゲオルク・フィッシャー)(P)

Dvořák(ドヴォジャーク)

Five Evening Songs, Op.31(5つの夕べの歌)
1. No.1:Visions of heaven I fondly paint(私が空を見たら)
2. No.2:This I would ask each tiny bird(小さなお前たち、小鳥よ)
3. No.3:Like a limetree am I(私は茂った菩提樹のように)
4. No.4:All ye that labour, come to me(お前たち悩める者は私のもとに来なさい)
5. No.5:All through the night a bird will sing(鳥は夜を通して歌いつづける)

Wolf(ヴォルフ)

Mörike-Lieder(メーリケの詩による歌曲) 
6. Nimmersatte Liebe(飽くことのない愛) 
7. Bei einer Trauung(ある結婚式で)
8. Verborgenheit(世を逃れて)
9. Im Frühling(春に)
10. Agnes(アグネス)
11. Mausfallensprüchlein(ねずみ捕りのおまじない)

Schubert(シューベルト)
 
12. Non t'accostar all'urna, D688-1(骨壷に近よるな)
13. Mio ben ricordati, D688-4(愛しき者よ、思い出して)
14. Da quel sembiante apprèsi, D688-3(顔でわかった)
15. Der Alpenjäger, D524b(アルプスの狩人)
16. Der blinde Knabe, D833(盲目の少年)
17. Lachen und Weinen, D777(笑ったり泣いたり)
18. Die junge Nonne, D828(若い尼僧)
19. Klage an der Mond, D436(月に寄せる嘆き)
20. Lied der Anne Lyle, D830(アン・ライルの歌)
21. Ganymed, D544(ガニュメデス)

22. An die Musik, D547(音楽に寄せて)

スタジオ録音で聴けないような珍しいレパートリーを多数聴ける貴重なライヴ音源。
若きポップの素直な表現もみずみずしく、彼女には珍しいヴォルフのメーリケ歌曲が聴けるのがうれしい。
「春に」でのファンタジーは素晴らしかった。
またお国もののドヴォジャークは作品の魅力を彼女の真に迫った名唱で堪能できる。
フィッシャーもポップと一体となった演奏を聴かせている。

●スラヴ歌曲集
Popp_parsons_dvorakクラウンレコード: PALETTE/ACANTA: PAL-1092
録音:1979年8月24-26日, Bavaria Studio, München

ルチア・ポップ(Lucia Popp)(S)
ジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)(P)

ドヴォルザーク(Dvořák)作曲

“民謡の調べで”作品73(Im Volkston) 
1. No.2:娘が草を刈っていた(Žalo dievča, žalo trávu)
2. No.3:ああ、ここにはないの(Ach, není tu)
3. No.4:エイ、俺の馬は天下一(Ej, mám já koňa faku)
4. No.1:おやすみ(Dobrú noc)

プロコフィエフ(Prokofieff)作曲

“ロシア民謡(独唱用編曲)”作品104より(Aus "Russische Volkslieder")
5. No.10:茶色の瞳(Кари глазки)
6. No.2:緑の木立(Зелёная рощица)
7. No.12:修道僧(Чернец)
8. No.5:白い小雪(Снежки булыу)

コダーイ(Kodály)作曲

“ピアノと声楽のためのハンガリー民俗音楽”より(Aus "Ungarische Volksmusik")
9. 森は緑の時がきれい(Akkor szép az erdö mikor zöld)
10. 若さはあの鷹のよう(Ifjúság mint sólyom madár)
11. 馬車、荷車、馬車、橇(Kocsi szekér, kosci szán)
12. 恋人を呼ぶ(Elkiáltom magamat)

ヤナーチェク(Janáček)作曲

“モラヴィアの民俗詩による歌曲”より(Aus "Mährische Volkspoesie in Liedern")
13. 恋(Łáska)
14. 分からないの(Nejistota)
15. 歌う娘(Zpĕvulenka)
16. あの人の馬(Koníčky milého)
17. ムギナデシコ(Koukol)
18. ハシバミの実(Oříšek léskový)
19. 花の魔力(Kvítí milodĕjné)
20. 手紙(Psaníčko)
21. 慰めの涙(Slzy útěchou)

パーソンズの絶妙な演奏と共に知られざるスラヴ系歌曲の魅力を教えてくれた名盤。
プロコフィエフの「修道僧」はそのコミカルで早口な表現が印象的だが、ドヴォルザークのほの暗い「おやすみ」は胸に迫ってくる。
過去にこの盤を扱った記事を書いているので興味のある方はそちらもどうぞ。

●シューマン歌曲集
Popp_parsons_schumann日本コロムビア: DENON: CO-1866
録音:1980年5月20,22日, バイエルン放送第3スタジオ

ルチア・ポップ(Lucia Popp)(S)
ジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)(P)

シューマン(Schumann)作曲

「女の愛と生涯」作品42(Frauenliebe und -leben)
1. No.1:あの方にはじめてお会いして以来(Seit ich ihn gesehen, glaub ich blind zu sein) 
2. No.2:だれよりもすばらしいお方!(Er, der Herrlichste von allen) 
3. No.3:なにがどうなっているのやらわかりません(Ich kann's nicht fassen, nicht glauben) 
4. No.4:わたしの指にはまっている指環よ(Du Ring an meinem Finger) 
5. No.5:手伝ってちょうだい、妹たち(Helft mir, ihr Schwestern) 
6. No.6:親しい友、あなたは(Süßer Freund, du blickest mich verwundert an) 
7. No.7:わたしの心に、わたしの胸に(An meinem Herzen, an meiner Brust) 
8. No.8:あなたはわたしにはじめて苦しみをお与えになりました(Nun hast du mir den ersten Schmerz getan) 

9. もう春だ 作品79の24(Er ist's) 
10. 春のよろこび 作品125の5(Frühlingslust) 
11. 春の挨拶 作品79の4(Frühlingsgruß) 
12. ゆきのはな 作品79の27(Schneeglöckchen) 
13. はじめての緑 作品35の4(Erstes Grün) 
14. わたしの庭 作品77の2(Mein Garten) 
15. ばらよ、かわいいばらよ! 作品89の6(Röselein, Röselein!) 
16. 愛らしく、やさしいばらやミルテで 作品24の9(Mit Myrten und Rosen) 
17. ミニョン 作品79の29(Mignon "Kennst du das Land") 
18. わたしの手をのばして、ああ雲よ 作品104の5(Reich mir die Hand, o Wolke)

ポップの録音した唯一の「女の愛と生涯」が聴けるが、それ以外のレパートリーの選曲もよく考えられている。
「わたしの手をのばして、ああ雲よ」での壮大な歌いぶりは印象的である。

●Popp: Schubert, Schoenberg, Strauss, Dvořák, Brahms
Popp_bbc_1983_1980BBC LEGENDS: BBCL 4148-2
録音:1983年8月30日, Queen's Hall, Edinburgh(1-16)
1980年8月13日, Queen Elizabeth Hall, Edinburgh(17-29)

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Irwin Gage(アーウィン・ゲイジ)(P)(1-16)
Geoffrey Parsons(ジェフリー・パーソンズ)(P)(17-29)

Schubert(シューベルト)

1. An mein Herz, D860(わが心に)
2. Der Jüngling an der Quelle, D300(泉のほとりの若者)
3. Jägers Abendlied, 368(狩人の夕べの歌)
4. Der Einsame, D800(独りずまい)

Schoenberg(シェーンベルク)

Vier Lieder, Op.2(4つの歌)
5. No.1: Erwartung(期待)
6. No.2: Schenk mir deinen goldenen Kamm(あなたの金の櫛を私にください)
7. No.3: Erhebung(高揚)
8. No.4: Waldsonne(森の日射し)

Strauss(シュトラウス)

Drei Lieder der Ophelia, Op.67/1(オフィーリアの3つの歌)
9. No.1: Wie erkenn' ich mein Treulieb vor andern nun?(私の恋人を見分けるしるしはなんでしょう)
10. No.2: Guten Morgen, 's ist Sankt Valentinstag(おはよう、今日は聖ヴァレンタインさまの日)
11. No.3: Sie trugen ihn auf der Bahre bloß(あのひとはむき出しの顔のまま棺にいれられた)

12. Mein Auge, Op.37 No.4(私の目)
13. Meinem Kinde, Op.37 No.3(わが子に)
14. Die Zeitlose, Op.10 No.7(いぬさふらん)
15. Hat gesagt - bleibt's nicht dabei, Op.36 No.3(言いました-それだけでは済みません)
16. Allerseelen, Op.10 No.8(万霊節)

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Dvořák(ドヴォジャーク)

V národním tónu, Op.73(「民謡の調べで」)
17. No.1: Dobrú noc, má mila(おやすみ)
18. No.2: Žalo dievča, žalo trávu(娘が草を刈っていた)
19. No.3: Ach, niní, niní tu, co by mě těšilo(ああ、ここにはないの)
20. No.4: Ej, mám já koňa faku(エイ、俺の馬は天下一)

Mahler(マーラー)

Aus "Lieder und Gesänge"(「歌曲集」より)
21. Starke Einbildungskraft(たくましい想像力)
22. Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald(私は喜んで緑の森を歩いた)
23. Ablösung im Sommer(夏の交代)
24. Um schlimme Kinder artig zu machen(いたずらっ子をしつけるために)

Brahms(ブラームス)

25. Es steht ein Lind, Wo033 No.41(菩提樹が立っている)
26. Sehnsucht, Op.49 No.3(あこがれ)
27. We kumm ich dann de Pooz erenn?, Wo033 No.34(どうやってドアを入ったらいい)
28. Die Trauernde, Op.7 No.5(なげく娘)
29. In stiller Nacht, Wo033 No.42(静かな夜に)

来日公演でも披露したシェーンベルクの「4つの歌」が聴けるのが貴重。
お馴染みのレパートリーに加えて、シューベルトの「狩人の夕べの歌」のような珍しい作品も混ざっているのがうれしい。

●PROKOFJEW, KODÁLY, DVOŘÁK, MAHLER, BRAHMS
Popp_parsons_salzburgORFEO: C 363 941 B
録音:1981年8月18日, Mozarteum Großer Saal, Salzburg (live)

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Geoffrey Parsons(ジェフリー・パーソンズ)(P)

Prokofjew(プロコフィエフ)

Aus "Russkie narodnye pesni, Op. 104" (「ロシア民謡」より)
1. Zelënaâ roŝica(緑の木立)
2. Snežki belya(白い小雪)
3. Černec(修道僧)

Kodály(コダーイ)

Aus "Magyar népzene"(「ハンガリー民俗音楽」より)
4. Akkor szép az erdö(森は緑の時がきれい)
5. Kocsi szekér(馬車、荷車、馬車、橇)
6. Ifjúság mint sólyommadár(若さはあの鷹のよう)

Dvořák(ドヴォジャーク)

"V národním tónu, Op. 73"(「民謡の調べで」) 
7. No.1:Dobrú noc(おやすみ)
8. No.2:Žalo dievča(娘が草を刈っていた)
9. No.3:Ach není, není tu(ああ、ここにはないの)
10. No.4:Ej, mám já koňa faku(エイ、俺の馬は天下一)

Mahler(マーラー)

Aus "Des Knaben Wunderhorn"(「少年の魔法の角笛」より)
11. Starke Einbildungskraft(たくましい想像力)
12. Ich ging mit Lust(私は喜んで緑の森を歩いた)
13. Ablösung im Sommer(夏の交代)
14. Nicht Wiedersehen(二度と会えない)
15. Um schlimme Kinder artig zu machen(いたずらっ子をしつけるために)

Brahms(ブラームス)

Aus "Deutsche Volkslieder"(ドイツ民謡より)
16. Es steht ein Lind [Wo033 No.41](菩提樹が立っている)
17. Sehnsucht [Op.49 No.3](あこがれ)
18. We komm ich denn zur Tr herein? [Wo033 No.34](どうやってドアを入ったらいい)
19. Die Trauernde [Op.7 No.5](なげく娘)
20. In stiller Nacht [Wo033 No.42](静かな夜に)

Mozart(モーツァルト)

21. Oiseaux, si tous les ans, KV284d(鳥よ、年ごとに)

Rachmaninov(ラフマニノフ)

22. Siren', Op. 21-5(ライラック)

Puccini(プッチーニ)

23. O mio babbino caro (aus "Gianni Schicci")(私のお父さん:「ジャンニ・スキッキ」より)

Dvořák(ドヴォジャーク)

24. Lied an den Mond (aus "Rusalka")(月に寄せる歌:「ルサルカ」より)

Lehár(レハール)

25. Vilja-Lied (aus "Die lustige Witwe")(ヴィリヤの歌:「メリー・ ウィドウ」より)

ライヴならではの熱気の感じられる録音である。
プロコフィエフのリズミカルな「修道僧」ではポップ、パーソンズともども気迫のこもった演奏を聴かせている。
それにしてもドヴォジャークの「おやすみ」の何と美しいこと!

●Popp: Schubert, Mozart, Dvořák, Mahler, R.Strauss
Popp_bbc_1982_1991BBC LEGENDS: BBCL 4025-2
録音:1982年3月1日, St. John's Smith Square, London(1-10)
1991年7月8日, St. John's Smth Square, London(11-22)

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Geoffrey Parsons(ジェフリー・パーソンズ)(P)(1-10)
Irwin Gage(アーウィン・ゲイジ)(P)(11-22)

Mozart(モーツァルト)

1. Ridente la calma, K.152(K210a)(静けさがほほえみながら)
2. Als Luise die Briefe ihres ungetreuen Liebhabers verbrannte, K. 520(ルイーゼがつれない恋人の手紙を焼いたとき)
3. An Chloe, K. 524(クローエに)

Schubert(シューベルト)

4 Canzonen, D688(4つのカンツォーネ)
4. No.1: Non t'accostar all'urna(骨壷に近よるな)
5. No.2: Guarda, che bianca luna(見よ、白き月)
6. No.3: Da quel sembiante appresi(顔でわかった)
7. No.4: Mioben ricordati, se avvien, ch'io mora(愛しき者よ、思い出して)

8. Daß sie hier gewesen, D775(ここにいたこと)
9. Wonne der Wehmut, D260(悲しみの喜び)
10. An Silvia, D891(シルヴィアに)

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Dvořák(ドヴォジャーク)

11. V tak mnohém srdci mrtvo jest, Op.83 No.2(死は多くの人の心を占める:「愛の歌」より)
12. Mé srdce často v bolesti (from "Cypřiše")(私の心は悲しみに沈む:「糸杉」より)
13. Ó byl to krásný zlatý sen (from "Cypřiše")(それは何とすばらしい夢だったことか:「糸杉」より)

Mahler(マーラー)

14. Rheinlegendchen(ラインの伝説)
15. Ablösung im Sommer(夏の交代)
16. Wo die schönen Trompeten blasen(美しいトランペットの鳴り響くところ)
17. Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald(私は喜んで緑の森を歩いた)
18. Wer hat dies Liedlein erdacht?(誰がこの歌をつくったの?)

Strauss(シュトラウス)

19. Himmelsboten zu Liebchens Himmelbett, Op.32 No.5(恋人への天の使者)
20. Ein Obdach gegen Sturm und Regen, Op.46 No.1(風雨をしのぐ宿)
21. Morgen! Op.27 No.4(明日!)
22. Wiegenliedchen, Op.49 No.3(子守歌)

パーソンズ、ゲイジといった頻繁に共演していた名パートナーたちとの実演の記録が聴けるのが貴重である。
彼女の歌うモーツァルトの歌曲というのは意外と珍しいのではないか。

●マーラー、ブラームス歌曲集
Popp_parsons_brahms_mahler日本フォノグラム: PHILIPS: 35CD-3138
録音:1983年1月, München

ルチア・ポップ(Lucia Popp)(S)
ジェフリー・パーソンズ(Geoffrey Parsons)(P)

ブラームス(Brahms)作曲

1. 娘の呪い 作品69の3(Mädchenfluch) 
2. 早まった誓い 作品95の5(Vorschneller Schwur) 
3. 娘の歌 作品107の5(Mädchenlied "Auf die Nacht in der Spinnstub'n") 
4. 娘の歌 作品95の6(Mädchenlied "Am jüngsten Tag ich aufersteh'") 
5. 娘の歌 作品85の3(Mädchenlied "Ach, und du mein kühles Wasser!") 
6. 娘は語る 作品107の3(Das Mädchen spricht) 
7. なげく娘 作品7の5(Die Trauernde) 
8. あこがれ 作品14の8(Sehnsucht "Mein Schatz ist nit da") 
9. どうやってドアを入ったらいい(Wie komm' ich denn zur Tür herein) 
10. 静かな夜に(In stiller Nacht) 
11. 菩提樹が立っている(Es steht ein Lind') 
12. 雨の歌(Regenlied "Regentropfen aus den Bäumen")

マーラー(Mahler)作曲

13. 春の朝(Frühlingsmorgen) 
14. 森の小鳥(Waldvögel "Ich ging mit Lust durch einen grünen Wald") 
15. 二度と会えない(Nicht Wiedersehen!) 
16. 別離(Scheiden und Meiden) 
17. いたずらっ子をしつけるために(Um schlimme Kinder artig zu machen) 
18. ハンスとグレーテ(Hans und Grete) 
19. たくましい想像力(Starke Einbildungskraft) 
20. 夏の交代(Ablösung im Sommer) 
21. つらなる想い(Erinnerung)

ブラームスが「娘」を歌った作品をずらっと並べたプログラミングは新鮮であり、ブラームスの多様性を楽しめる。
とりわけ「早まった誓い」の美しい歌いぶりは印象深い。
マーラーは彼女がしばしばリサイタルでも歌っていた十八番をスタジオ録音したものとして貴重である。

●幸福:シューベルト歌曲を歌う
Popp_gage_schubert_2東芝EMI: EMI Angel: EAC-90240 (LP)
録音:1983年11月1-6日, Abbey Road Studios

ルチア・ポップ(Lucia Popp)(S)
アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)(P)

シューベルト(Schubert)作曲

1. わが心にD.860(An mein Herz) 
2. 流れD.693(Der Fluss) 
3. 少年D.692(Der Knabe) 
4. ばらD.745(Die Rose) 
5. 蝶D.633(Der Schmetterling) 
6. ますD.550(Die Forelle) 
7. さすらい人が月に寄せてD.870(Der Wanderer an den Mond) 
8. 独りずまいD.800(Der Einsame) 
9. あふれる愛D.854(Fülle der Liebe) 
10. 若い尼僧D.828(Die junge Nonne) 
11. 水の上で歌うD.774(Auf dem Wasser zu singen) 
12. 糸を紡ぐグレートヒェンD.118(Gretchen am Spinnrade) 
13. 漁師のくらしD.881(Fischerweise) 
14. 泉のほとりの若者D.300(Der Jüngling an der Quelle) 
15. シルヴィアにD.891(An Sylvia) 
16. 幸福D.433(Seligkeit)

私がはじめて買ったポップのLPレコード。
そのジャケット写真の美しさにも惹かれたものだった。
F.シュレーゲルの詩による「流れ」という曲のこのうえない美しさを知ったのもこのレコードが最初だった(ゲイジの演奏もきわめて美しい)。
解説の原田茂生氏曰く「上品でありながら適度の甘さがあり、声のまろやかさと歌いくちの切れの良さとが両立しているところは、例えばアメリングの成熟とマティスの清雅を加え合わせたようなともいえよう。」

●R.シュトラウス:歌曲集
Popp_sawallisch_straussEMIミュージックジャパン: EMI CLASSICS: TOCE-14189
録音:1984年9月10-13日 Kloster Seeon, West Germany

ルチア・ポップ(Lucia Popp)(S)
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(Wolfgang Sawallisch)(P)

R.シュトラウス(Strauss)作曲

8つの歌 作品10(Acht Lieder)
1. No.1:献呈(Zueignung)
2. No.2:なにも(Nichts)
3. No.3:夜(Die Nacht)
4. No.4:ダリア(Die Georgine)
5. No.5:忍耐(Geduld)
6. No.6:もの言わぬものたち(Die Verschwiegenen)
7. No.7:いぬさふらん(Die Zeitlose)
8. No.8:万霊節(Allerseelen)
   
3つの愛の歌(Drei Liebeslieder)
9. 赤いばら(Rote Rosen)   
10. 目ざめたばら(Die erwachte Rose)   
11. 出会い(Begegnung)
   
12. 高鳴る胸 作品29-2(Schlagende Herzen)
13. 帰郷 作品15-5(Heimkehr)
14. 白いジャスミン 作品31-3(Weisser Jasmin)
15. 子守歌 作品41-1(Wiegenlied)
16. わが子に 作品37-3(Meinem Kinde)
17. ひそやかな歌 作品41-5(Leise Lieder)
18. ひそかな歌 作品39-1(Leises Lied)
19. 悪いお天気 作品69-5(Schlechtes Wetter)
20. 15ペニヒで 作品36-2(Für fünfzehn Pfennige)
21. 父が言いました 作品36-3(Hat gesagt - bleibt's nicht dabei)

R.シュトラウスの歌曲はやはり女声で聴くと一層映える。
古今のシュトラウス歌曲集の中で最も魅力的な1つだと思う。
ポップの聴き手の心をくすぐるような魅力と、サヴァリッシュの冴え渡った響きの相乗効果で最後まで一気に聴きとおしてしまう。
最近再発売されたのは有難いが、歌詞対訳が一切ついていないのは残念(最初にLP発売された時にはついていた筈だが)。

●ユーゲントシュティール時代の歌曲集(Jugendstil-Lieder)
BMGビクター: RCA Red Seal: BVCC-123
録音:1991年5月3-6日, Schloßpavillon Ismaning

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Irwin Gage(アーウィン・ゲイジ)(P)

ベルク(Berg)作曲

1. 7つの初期の歌(7 frühe Lieder)

シェーンベルク(Schönberg)作曲

2. 4つのリートop.2(4 Lieder)

プフィッツナー(Pfitzner)作曲

3. だから春の空はそんなに青いの?op.2-2(Ist der Himmel darum im Lenz so blau?)
4. 孤独な女op.9-2(Die Einsame)
5. 母なるヴィーナスop.11-4(Venus mater)
6. 捨てられた娘op.30-2(Das verlassene Mägdlein)
7. わたしのまどろみはしだいに浅くなりop.2-6(Immer leiser wird mein Schlummer)

シュレーカー(Schreker)作曲

8. ばらの死op.7-5(Rosentod)
9. 遊糸op.2-1(Sommerfäden)
10. おまえたちはかくも美しい(Sie sind so schön, die milden, sonnenreichen, certräumten Tage)
11. 無限の愛op.4-2(Unendliche Liebe)

R.シュトラウス(Strauss)作曲

12. オフィーリアの3つの歌op.67-1~3(3 Lieder der Ophelia)
13. 風雨をしのぐ宿op.46-1(Ein Obdach gegen Sturm und Regen)
14. 青い夏op.31-1(Blauer Sommer)
15. 子守歌op.49-3(Wiegenliedchen)
16. わたしはただようop.48-2(Ich schwebe)

爛熟した時代の歌の数々はレパートリー的にも貴重な録音であった。

●Schubert: The Complete Songs, Vol. 17
Popp_johnson_schubertHyperion: CDJ33017
録音:1992年4月7-9日, Rosslyn Hill Unitarian Chapel, Hampstead, London

Lucia Popp(ルチア・ポップ)(S)
Graham Johnson(グレアム・ジョンソン)(P)

Schubert(シューベルト)

1. Lied (Mutter geht durch ihre Kammern), D373(歌:母は部屋を通る) 
2. Lodas Gespenst, D150(ローダの亡霊)
3. Klage, D371(嘆き)
4. Lorma, D376(ロルマ)
5. Der Herbstabend, D405(秋の夕べ)
6. Die Einsiedlei, D393(隠棲)
7. Die Herbstnacht (Wehmut), D404(秋の夜:悲しみ)
8. Lied in der Abwesenheit, D416(不在の歌)
9. Frühlingslied, D398(春の歌)
10. Winterlied, D401(冬の歌)
11. Minnelied, D429(愛の歌)
12. Aus 'Diego Manzanares', Ilmerine, D458(「ディエゴ・マンツァナレス」より、イルメリーネ)
13. Pflicht und Liebe, D467(義務と愛)
14. An den Mond, D468(月に寄せて)
15. Am Tage aller Seelen (Litanei), D343(連祷)
16. Geheimnis (An Franz Schubert), D491(秘密:フランツ・シューベルトに)
17. Am Grabe Anselmo's, D504(アンゼルモの墓で)
18. An die Nachtigall, D497(ナイチンゲールに)
19. Klage um Ali Bey, D496a(アリ・ベイの嘆き)
20. Phidile, D500(フィディレ)
21. Herbstlied, D502(秋の歌)
22. Lebenslied, D508(人生の歌)
23. Leiden der Trennung, D509(別れのつらさ)
24. An mein Klavier, D342(私のピアノに寄せて)

亡くなる前年の録音。
そう思うと感慨深いが、彼女の歌唱はいつも通り緻密で美しい。
シューベルト全集の一環だからこその珍しい選曲も楽しめる。

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YouTubeでのルチア・ポップの映像
R.シュトラウス「4つの最後の歌」~夕映えの中で
http://jp.youtube.com/watch?v=Ur-Is-04SxU
(ショルティ指揮のオケが明るく元気すぎて、死を目前にした心境を綴ったこの曲とそぐわない感はあるものの、1977年の若く美しいポップの澄んだ表現を楽しめます。)

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コメント

ルチア・ポップ!
私は「フィガロの結婚」でよく聞いたと思います、あのプライがフィガロでヤノヴィッツが伯爵夫人の...ということは、スザンナ?

このあたりの人をラジオやレコードやCDで聞いていました。フランツさんのように幅広くはとても聞いてませんが、耳に残ってます。

そうだ、昨日、近所を散歩していたら、冬の旅の「足の裏が熱い」という歌が流れました。けさテレビを見たら、メゾの女声で「白鳥の歌」やってました。途中で別のことをしたかったので、「別れ」で消しました。ここのタイトルの「Taubenpost」まで聞かなかったのが残念です。
「Taubenpost」はとてもいい名前ですね。昔エクスブログでホルニストさんが「Ausdrucksvoll」というタイトルを付けていたけれど、それと同じくらい感動!です。

投稿: Auty | 2008年12月14日 (日曜日) 18時22分

Autyさんもポップを聴かれていたのですね。
私も最近1980年のウィーン国立歌劇場の来日公演でプライやヤノヴィッツとともに「フィガロの結婚」に参加しているDVDを入手しました(まだ見ていませんが)。ポップがスザンナで、ヤノヴィッツが伯爵夫人です。

「足の裏が熱い」という歌は"Rueckblick"ですね。メゾの女声による「白鳥の歌」、シュトゥッツマンあたりでしょうか。私も見たかったですが、BSだとしたら契約していないので知っていても見ることは出来ませんでした。

ブログ名、気に入っていただけてうれしいです。「Ausdrucksvoll」というブログ名も、素敵ですね。

投稿: フランツ | 2008年12月14日 (日曜日) 19時34分

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