プライ日本公演曲目1994年(第11回来日)
第11回来日:1994年10月
ヘルマン・プライ(Hermann Prey)(BR)
岡原慎也(Shinya Okahara)(P)
ウィーン国立歌劇場(Wiener Staatsoper)
ウルフ・シルマー(Ulf Schirmer)(C)
10月9日(日)15:00 東京・NHKホール ウィーン国立歌劇場「こうもり」
10月13日(木)18:00 東京・NHKホール ウィーン国立歌劇場「こうもり」
10月16日(日)15:00 東京・NHKホール ウィーン国立歌劇場「こうもり」
10月17日(月)大阪・イシハラホール 「冬の旅」
10月19日(水)18:00 東京・NHKホール ウィーン国立歌劇場「こうもり」
10月21日(金)19:00 東京・オーチャード・ホール 「冬の旅」
●ウィーン国立歌劇場
ヨハン・シュトラウス「こうもり」(Die Fledermaus)(アイゼンシュタイン役)
ロザリンデ:カリタ・マッティラ(Karita Mattila)
アデーレ:エーディット・リーンバッハー(Edith Lienbacher)
イーダ:ロッテ・ライトナー(Lotte Leitner)
オルロフスキー公爵:ヨッヘン・コワルスキー(Jochen Kowalski)
アイゼンシュタイン:ヘルマン・プライ(Hermann Prey)
ファルケ博士:ハンス・ヘルム(Hans Helm)
アルフレート:ヨーゼフ・ホップファーヴィーザー(Josef Hopferwieser)/リヒャルト・ブルンナー(Richard Brunner)
フランク:ワルター・ベリー(Walter Berry)
フロッシュ:ハンス・クレイマー(Hans Kraemmer)
ブリント博士:ヴァルデマー・クメント(Waldemar Kmentt)
ウィーン国立歌劇場合唱団(Chor der Wiener Staatsoper)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団(Orchester der Wiener Staatsoper)
指揮:ウルフ・シルマー(Ulf Schirmer)
演出:オットー・シェンク(Otto Schenk)
装置:ギュンター・シュナイダー=ジームセン(Günther Schneider-Siemssen)
衣装:ミレーナ・カノネーロ(Milena Canonero)
合唱指揮:ディートリッヒ・ゲルファイデ(Dietrich Gerpheide)
●「冬の旅」 共演:岡原慎也(P)
シューベルト/歌曲集「冬の旅」(Winterreise) D911
(おやすみ/風見/凍った涙/氷結/菩提樹/増水/川の上で/かえりみ/鬼火/休息/春の夢/孤独/郵便馬車/白い頭/鴉/最後の希望/村にて/嵐の朝/幻/道しるべ/宿屋/勇気を!/幻日/ライアー回し)
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ヘルマン・プライ11回目の来日は、前回の翌年の1994年。
今回はウィーン国立歌劇場の「こうもり」公演のアイゼンシュタインを歌うための来日で、その合間に2回「冬の旅」を歌った。
ピアニストとして予定されていたミヒャエル・エンドレスが来日できず、代役に岡原慎也(福岡出身)が抜擢された。
彼はソリストでありながらもともとリートの演奏にも積極的で、後にテーオ・アーダムやディートリヒ・ヘンシェル、シュテファン・ゲンツとも共演して、大歌手たちの信頼を得ている。
それにしても16日に「こうもり」を東京で歌い、その翌日には大阪で「冬の旅」を歌い、さらに2日後には再び東京で「こうもり」というようにオペラとリートが交差しており、切り替えが大変そうに思えるが、もはやそんなことはこの老大家には大したことではないのかもしれない。
私はオーチャード・ホールでの「冬の旅」を聴いたが、イシハラホールでの公演はNHKでも放映されたので、録画したビデオが残っているはずである。
探して久しぶりに聴いてみたいと思う。
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コメント
フランツさん、おはようございます。今回もまた素敵な記事を掲載してくださいまして、ありがとうございます。とても嬉しいです。私は1994年のプライ来日を聴いていないのですが、岡原慎也さんと知り合いで、つい先日もお会いしたばかり。プライがたいへんな酒飲みで、5リットルもの酒を飲んだとか、楽しいお話を伺いました。インターネット上で、プライと岡原さんによる演奏中の写真の上に、プライが「慎也へ、限りない感謝を」と書いた色紙を見ることができ、何度も見ては喜んでいました。写真は、岡原さんの手の形から、「おやすみ」ではないかと思っているのですが、今度確認してみます。岡原さんは、国際的活動をしているピアニストで、プラハでは指揮もしており、ドイツ・リートに対しては、限りない愛情と、深い解釈の持ち主、ミュンヘンでの国際ドイツ・リート講習会を隔年で主催しています。今年で4回目。気さくで優しいお人柄も魅力です。知り合ってまもなく私が発した言葉はもちろん「プライのピアノ伴奏をされたなんて、いいですねえ」でした。今朝もフランツさんの記事で心が温まる思いがします。フランツさんは、これほど素晴らしい記事を書き、優れた解説をされているので、むしろ実名を出されてはどうかとも思います。
投稿: goethe-schubert | 2008年7月13日 (日曜日) 09時41分
goethe-schubertさん、いつも心温まるコメントをいただき、有難うございます。
岡原慎也さんとお知り合いとはすごいですね。
goethe-schubertさんのお人柄が素敵な縁につながっているのでしょう。
「気さくで優しいお人柄」というのは演奏している姿からも想像できました。
とてもきれいな音でプライと完全に一体になっていたのを記憶しています。
ヘンシェルとR.シュトラウスを共演した時も歌手と対等に音楽に向き合っていて素晴らしかったと思います。
海外で講習会を開いたり、指揮もしたりと広く活躍されているのですね。
またぜひ実演を聴きたいと思いました。
それから実名についてですが、ブログをはじめた時点でハンドルネームで通すことを決めたので、せっかくのご助言なのですが、今のところ公表はしないつもりです。本来はほかの人のことを話題にするからには、自分の身分も明らかにすべきなのかもしれませんが、素人の道楽と思って読んでいただければ幸いです。
投稿: フランツ | 2008年7月13日 (日曜日) 11時16分
フランツさん。フランツさんの解説が優れているので、余計なことを申し上げ、すみませんでした。
なお、岡原さんはチェコで指揮者デビューをされたのは確かですが、プラハかどうか確認していませんでした。ごめんなさい。岡原さんとの出会いは、ドイツリートの詩に関する私の小論がきっかけです。いかに岡原さんが、ドイツ文学にも深い関心を抱き、詳細に調べていらっしゃるか、権威にとらわれない方かわかると思います。
投稿: goethe-schubert | 2008年7月13日 (日曜日) 16時47分
いえいえ、全く余計なこととは思っていませんよ。goethe-schubertさんが私の文を評価してくださったことが伝わってきて、むしろうれしく思っているくらいです。
岡原さんは文学への関心をもって調査をしておられたことが、goethe-schubertさんとの出会いのきっかけとなったのですね。そのような地道な準備があってこそ、あのような素晴らしい演奏に結びついているのですね。
goethe-schubertさんのHPはとても充実していて、すごい研究をなさっているのだなぁと頭が下がります。私も少しずつ拝見させていただきたいと思います。
投稿: フランツ | 2008年7月13日 (日曜日) 19時42分
ほんとに広く深く聞いていらっしゃいますね。
私もプライは大好きでした!
投稿: Auty | 2008年7月14日 (月曜日) 06時22分
Autyさん、こんばんは。
ご返事が遅くなりすみません。
私はほとんどリートばかり聴いているので、実は狭い聴き方です。ただ、当時はディースカウやプライといった大歌手がまだ現役でしたから、来日するたびに聴きたいという気持ちになりました。こういう気持ちは最近は随分薄れてしまっていますが。
話が変わりますが、以前Autyさんに紹介していただいたヘッセの「クヌルプ」、ようやく読了しました(私は読書のスピードがかなり遅いので)。このアウトサイダーの心情に最初のうちは入り込めなかったのですが、美しい田園風景の中で自らの気持ちの赴くままに生き生きと流浪の旅を続けるクヌルプの生き方も悪くないなぁと徐々に感じるようになりました。最後の神との対話は感動的で、こんなに美しい文芸作品を作り出すヘッセはやはり詩人なのだなぁと感心しました。
投稿: フランツ | 2008年7月14日 (月曜日) 21時32分
フランツさん、こんばんは。
いつも、暖かいご返信をありがとうございます。
この年の「冬の旅」のコンサートは見逃してしまいました。
シュタッツオーパ一と緒に来日されるのは知っていましたが、会場が東京なので諦めていたのです。
後に、大阪にも来られて「冬の旅」を歌ってくださったことを知り悔しい思いをしました。
イシハラホールは「演奏旅行に持って回りたいホールだ」とおっしゃっていたそうです。
「こうもり」はNHKで放送されたものを録画し何度も何度も観ました。
そのテープはDVDにもおとし、今も大切に保存しています。
プライファンになったばかりの頃は、こんなにインターネットが普及していませんでしたから、情報を集めるのも、本当にアナログでした。
93年来日のところに書いてくださったように、本当にたくさんの映像が、YouTubeで観られますね。
シューマンの「献呈」など改めてほれぼれと聴いています。
シューベルトの三大歌曲集のDVDは持っていますが、シューマンもドイツ本国では出ているのかもしれませんね。
もし、あるのなら何とか、手に入れたいものです。
投稿: 真子 | 2013年1月16日 (水曜日) 18時33分
真子さん、こんばんは。
94年のプライ来日時の思い出を興味深く拝見しました。
この時は「冬の旅」の大阪公演を聴き逃してしまわれたとのこと、真子さんにとってさぞかし残念だったことでしょう。
私は関東在住ですのでまだイシハラホールには行ったことがないのですがプライが絶賛するほど素晴らしいホールなのですね。
いつか機会を見つけて出かけてみたいと思います。
この時の「こうもり」はテレビ放送されたのですね。
今回も真子さんのプライへの熱い思いがひしひしと伝わってきました。
ホカンソンとの「詩人の恋」や「リーダークライス」はYouTubeで見ることが出来ますが、いずれDVD化してほしいですね。
投稿: フランツ | 2013年1月17日 (木曜日) 23時28分