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Every Little Thing/8thオリジナルアルバム「Door」

3月5日に、約1年半ぶりにEvery Little Thingの8番目のオリジナルアルバム「Door」がリリースされた。
前作の「Crispy Park」は10周年記念にリリースされたが、その後の超過密スケジュールゆえの声の不調に心配させられたものだった。
あれから時が経ち、彼女も声を取り戻したようだ。
4曲目の「パリの娘」の中に「さーさ/どうぞ/Doorを/開けてみて」という詞が出てくるが、今回はDoorを通して様々な世界を見て欲しいという意味が込められているようだ。
また、持田さんが言うには、自分の体の中にドアを持って、そのドアを開くことによって、自分の中に新鮮な風を通すことが出来たらという思いもあるようだ。
なかなか深い。

1.GATE #8(Instrumental)
伊藤さん作曲のインスト曲。
ドンドンとドアをたたくような音を織り交ぜて、アルバム「Door」の導入曲としての役割を担っている。
短い曲だが華やかでインパクトが強い。

2.まさかのTelepathy
曲は80年代歌謡曲へのオマージュという感じで魅力的(松田聖子の曲を思い出させる)。
歌詞も「懐かしい音ね」と始まる。
持田さんは爽やかなはきはきした歌い方で言葉がはっきりと伝わってくる。
サビのファルセットが印象的。

3.キラメキアワー(Door version)
歌は32ndシングルの使い回しではなく、アルバム用に歌い直したとのこと。
シングルの方はもっとはじけた懸命さが前面に出ていたが、今回は歌いこんだ余裕のようなものが感じられ、肩の力が抜けた感じだ。
楽しそうに歌っているのが聴いていて気持ちよい。
リアレンジはシングルを大きく外れることなく、若干手を加えた程度なので曲のイメージが変わってしまうことはない。

4.パリの娘
持田さんがパリの印象を描いたもの。
以前の「water(s)」のように声を重ねることによって可愛らしさが出て、時々原由子さんを思い出させる。
「フルーツ」と「プリーズ」のようなあからさまでない韻を踏むところは作詞家持田のセンスの良さを感じた。
フランス語の語りを混ぜたりして遊び心のある作品だった。

5.サクラビト
ELTにとってこれほど和風な曲は初めてだろう。
最初に聴いた時はそれほど強い印象を受けなかったが、繰り返し聴き続けるうちにやみつきになった。
何よりもヴォーカリストとしての持田さんの声の力を感じる。
以前だったらこれほどELTらしさを薄めた冒険的な曲はシングルでは出さなかっただろうが、アルバム先行曲としてあえてリリースしたのは彼らの自信のあらわれではないか。

6.WONDER LAND
今回のアルバム曲の中で個人的に最も気に入った曲。
「water(s)」や「スイミー」の早川さんの作曲。
シンセの細かい響きは初期のELTを彷彿とさせるが、曲調はあくまで現在のELTのもの。
サビの早口はインパクトが強い。
「WONDER LAND」というタイトル通り、めまぐるしく表情が変わる魅力的な曲。

7.冬がはじまるよ feat.槇原敬之
33rdシングル「恋をしている」のダブルA面として槇原敬之の「冬がはじまるよ」をカバーした作品。
槇原自身も多重録音による分厚いコーラスで参加している。
個人的には槇原のオリジナルのアレンジの方が好みだが、今回のELT用のアレンジも単なるカバーに終わらない意欲が感じられてなかなか良い感じだ(最後の方はチャイニーズな感じ?)。

8.B.L.V.D.(Instrumental)
伊藤さんのインストだが、1曲目とは異なり、ゆったりとしたBGM風の曲でギターも心地よく響く。

9.NEROLI
ネロリとはストレスからのリラックス作用があるアロマのことだそうだ。
ELTには時々かなりアグレッシブな曲調の作品があるが、これもそんな曲の一つ。
持田さんも曲調に合わせてかなりダークな響きを出していて、彼女の声の対応力のすごさをあらためて感じた。
伊藤さんのギターも前に前に出ている。

10.カラカラ
ELT初のレゲエは彼ら曰く「変化球」がほしくて取り入れたようだ。
歌のメロディーはいつものELTらしいポップスを保ちながら、バックに心地よいレゲエが流れる。
ソーダ水の氷が「カラカラ」鳴る夏の幸せな恋の歌。
けだるい持田さん自身のコーラスも効果的。

11.恋をしている
33rdシングルとして発売された「恋をしている」はELTの王道バラードのためか、ここ数年の中ではかなり売り上げも良かった。
無条件に心に沁みてくるような菊池さんの曲はさすがというほかない。
歌も真摯で感動的だ。
PVでの持田さんを見ると彼女の表情の美しさをあらためて思わずにいられない。

12.gladiolus
ELTにとって初めての女性の作曲家の作品とのこと(もちろん持田さんの作曲は除いて)。
グラジオラスという花がタイトルに付けられ、まろやかだが強い力をもった感動的なバラードになっていた。

13.オフェリア_act2
オフェリアというタイトルは当初ファンの間でシェイクスピアの「ハムレット」の登場人物を歌ったものと予想されていたが、持田さんによれば「バンズ・ラビリンス」という映画の主人公オフェリアのことだそうだ。
私はこの映画を見ていないのだが、act(幕)という言葉が使われているのは「ハムレット」に引っ掛けていると考えてもいいのではないか。
34thシングル「サクラビト」のカップリングだった「オフェリア_act1」はヴォカリーズだったが、このact2は同じ旋律に歌詞が付けられ、より幻想的な曲になっている。

全く異なった表情をもった作品が1つにつながり、表現力を増した持田さんの歌と、平然と細かいパッセージもこなしてしまう伊藤さんのギターによって、印象深いアルバムに仕上がっていると思う。
しばらくヘビーローテーションで聴くことになるだろう。

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コメント

歌曲ですか?
毛色が違っておもしろそう!

投稿: Auty | 2008年3月 9日 (日曜日) 08時50分

Autyさん、おはようございます。
ELTはクラシックのアーティストではなく、J-popの2人組ユニットです。
個人的にファンなので、歌曲ではないのですが、とりあげてみました。

投稿: フランツ | 2008年3月 9日 (日曜日) 11時57分

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