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プライ日本公演曲目1978年(第4回来日)

第4回来日:1978年5月「シューベルト没後150周年記念」

ヘルマン・プライ(Hermann Prey)(BR)
ミヒャエル・クリスト(Michael Krist)(P)

5月14日(日)14:00 立川市市民会館:プログラムA
5月16日(火)18:30 名古屋市民会館:プログラムA
5月18日(木)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムC
5月19日(金)18:30 宮城県民会館:プログラムA
5月22日(月)19:00 大阪フェスティバルホール:プログラムB
5月26日(金)19:00 日比谷公会堂:プログラムA
5月27日(土)19:00 東京文化会館大ホール:プログラムB

●プログラムA 共演:ミヒャエル・クリスト(P)

シューベルト/歌曲集「冬の旅」(Winterreise)D911

●プログラムB「シラーとゲーテの詩による歌曲」 共演:ミヒャエル・クリスト(P)

シューベルト/あこがれ(Sehnsucht)D636
 タルタルスの群れ(Gruppe aus dem Tartarus)D583
 巡礼(Der Pilgrim)D794
 潜水者(Der Taucher)D111

シューベルト/プロメテウス(Prometheus)D674
 ガニメード(Ganymed)D544
 馭者クロノスに(An Schwager Kronos)D369
 3曲のハープひきの歌
  Ⅰ孤独に身をゆだねる者は(Wer sich der Einsamkeit ergibt)D478
  Ⅱ家々の門辺に歩み寄って(An die Türen will ich schleichen)D479
  Ⅲ涙を流しながらパンを喰べたことのない者(Wer nie sein Brot mit Tränen aß)D480
 憩いなき恋(Rastlose Liebe)D138
 羊飼いの歎きの歌(Schäfers Klagelied)D121
 逢う瀬と別れ(Willkommen und Abschied)D767

●プログラムC 共演:ミヒャエル・クリスト(P)

シューベルト/歌曲集「美しい水車屋の娘」(Die schöne Müllerin)D795

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ヘルマン・プライ4回目の来日は、前回から5年後の1978年。
プログラムはシューベルトの没後150周年を記念して、シューベルトのみ3種類が組まれ、オーケストラとの共演はなかったようだ。
ピアニストはホカンソンの体調不良のため、代役をミヒャエル・クリスト(1946年Linz生まれ)が務めている。
前回までの来日公演では、公演の間に必ず1日以上オフの日が挟まれていたが、今回は、5月18~19日と、26~27日で連続して公演が行われている。2日連続でも問題ないほど喉が強くなったということなのだろうか。また、18日と19日は東京から宮崎への遠距離移動をしたことになるが体調管理は大丈夫だったのだろうか。
今回も7公演中過半数の4公演で「冬の旅」が演奏され、これまでの4回の来日すべてで歌われたことになる。
プログラムBは前半をシラー歌曲、後半をゲーテ歌曲でまとめた魅力的な選曲である。
前回の来日時にも披露された長大な「潜水者」を除くと、日本初披露の曲ばかりで組まれているのが興味深い。
プログラムCの「美しい水車屋の娘」は東京で1回のみの公演だが、1971年来日時も同じ会場で1回披露しただけだったので、今回までに東京の会場でしか歌っていないことになり、「冬の旅」の場合とは大違いである。
ピアニストのミヒャエル・クリストとはPhilipsの現代歌曲集の録音で共演済みだが、日本公演のパートナーとしては初めてである。

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コメント

楽しみに待っていました!
今回はオールシューベルトですか。
冬の旅が多いですね。潜水者をまたやっているのも注目されます。

投稿: たか | 2008年3月29日 (土曜日) 00時58分

たかさん、こんばんは。
いつも応援ありがとうございます。
シューベルト記念の年ということで、今回はオケ定期の出演もなく、純粋にシューベルトのみだったようです。「冬の旅」は日本人が好きだというだけでなく、プライもきっと好きなのでしょうね。そうでなければこれほど歌わないでしょうから。「潜水者」もプライの十八番だと思います。

投稿: フランツ | 2008年3月29日 (土曜日) 01時26分

フランツさん、こんばんは。
これらのシューベルトをフィリップス盤にまとめて残してくれていますね。
全盛期の滴る様な美声でのシューベルトをどれほど聞いたことでしょう。
また、62年にデッカに録音した、この年のプログラムとほぼ重なるシューベルトも忘れられません。

何度も繰り返し録音し、公演でも歌っているところを見ると、これらを曲を好きなのでしょうね。、
「羊飼いの嘆きの歌」(62年レコ)では、長調に転調したところが、とても物悲しいです。明るい響き故に余計悲しいというか。

シューベルト特有の描き方だと思いますが、プライさんの歌は、シューベルトの気持ちと一つになってその物悲しさを見事に歌いだしています(こういうところ、シューベルトには涙を隠した微笑みがあると、確か自伝に書いてありました)。
78年の公演でもそうだったのかと、想像しながらフランツさんの記事を読みました。

投稿: | 2013年5月21日 (火曜日) 20時05分

フランツさん、こんにちは。
2013年5月21日 (火曜日) 20時05分に投稿したのは私です。
記名し忘れ、失礼しました。

投稿: 真子 | 2013年5月22日 (水曜日) 16時37分

真子さん、こんばんは。
シューベルトの没後150年の1978年にはきっと世界各地でシューベルトの音楽が鳴り響いていたことでしょう。
プライも日本のファンのために3種類のプログラムを披露してくれたのですから有難いことですね。
「羊飼いの嘆きの歌」について全く同感です。長調で哀しみを滲ませるところはシューベルトの凄さであり、それをプライも感じ取って、歌ってくれているのでしょうね。プライでシューベルトを聴く素晴らしさがこれからも伝わるといいですね。

投稿: フランツ | 2013年5月22日 (水曜日) 21時02分

フランツさん、こんばんは。
「羊飼いの嘆きの歌」と同じように、明るい調なのに(明るい故に)哀しい曲が、「白鳥の歌」(6曲目:遠い地にて、12曲目:海辺にて )にありますね。

遠い地にて では、3回目の曲想が変わるのところから。
海辺にて では冒頭から。

一時期、この2曲をどれだけ物悲しく歌ってくれるかが、この曲集を聴く(私の中での)鍵になっていて、オラフベーアやアンドレアス・シュミットといった、当時若手だったリート歌手を聴き比べたりしていました。

それにしてもヘルマン・プライという人は、表現豊かに歌うというより、感情を声に乗せて、崩れるギリギリのところで聴かせてくれるすごい業を持った歌手だと改めて思います。

投稿: 真子 | 2013年5月24日 (金曜日) 19時56分

真子さん、こんばんは。
「遠い国で」「海辺にて」はいずれもゆるやかなテンポで重々しく進行していく作品ですね。
後者など長調であることを意識させない独特の世界に達しているように感じます。
前者の長調へ移った箇所も明るさとは異なりますよね。
シューベルト晩年の作品には知らないうちに新しい境地に足を踏み入れてしまったような意外性がありますね。
そのあたりをプライは語るように聞かせてくれているように思います。

投稿: フランツ | 2013年5月25日 (土曜日) 22時27分

>重々しく・・
長調であることを意識させない独特の世界に達しているように感じます。
本当にそうですね。

>シューベルト晩年の作品には知らないうちに新しい境地に足を踏み入れてしまったような意外性・・
シューベルトは深いですね。
本当にシューベルトの魅力はつきません。

投稿: 真子 | 2013年5月26日 (日曜日) 09時36分

真子さん、おっしゃるとおりですね。
シューベルトの尽きない魅力をこれからも楽しんでいきたいと思います。

投稿: フランツ | 2013年5月26日 (日曜日) 11時37分

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