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ハネケン氏を偲んで

ピアニスト、作・編曲者などとしてマルチに大活躍されていた羽田 健太郎さん(1949年1月12日、東京生まれ)が6月2日に58歳で病死したというニュースはあまりにも突然のことだった。日曜日の朝、早起きできた時だけではあったが、「題名のない音楽会21」の軽妙で穏やかな名司会と演奏を見ていたので、まさか病魔に冒されていたなどとは想像すらしていなかった。

今朝は番組で羽田さんを偲んで名場面がまとめられていたが、あらためてこのピアニストのポピュラー、ジャズからクラシックまでジャンルの垣根を越えた活動の広さと、どのジャンルにおいても中途半端にならず、しっかりとした音楽を聴かせていた能力を再認識させられた。「ラプソディ・イン・ブルー」など弾き振りをされていて、一見したところピアノと指揮であわただしいほどだが、曲を知り尽くしておられ、破綻がないどころか、軽妙でたっぷりとした歌心もあった素晴らしい演奏だった。ミッシェル・ルグランと共演した「シェルブールの雨傘」ではこの巨匠への限りない敬意に満ちていて、演奏だけでなく、その人間味に心あたたまるものを感じずにはいられなかった。番組スタッフの彼に対する愛情も感じられ、感動的な30分だった。

思えば、かなり昔にFM東京で故立川清登さんの後を継いで「音楽の森」という番組の司会をされた時に羽田さんの名前をはじめて知ったのだが、ジェラルド・ムーアの珍しい「音楽に寄せて」のソロ録音のSPが放送された時に「さすが歌にあふれた演奏ですね」ということをおっしゃっていたことを今でも覚えている。常にあたたかい視点で音楽と接してこられた人という印象が強く、残念このうえない。

別れは本当に突然にやってくるものだと訃報に接するたびに感じさせられる。どうぞゆっくりお休みください。

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コメント

こんばんは。ハネケン氏の早すぎる死は本当にショックです。
まだまだこれから活躍が期待できる方だったのに、
さぞや心残りも大きく、悔しかったことだろうと思うと胸が痛みます。
フランツさんの紹介されているエピソードもさすがと思います。

投稿: 甲斐貴也 | 2007年6月14日 (木曜日) 00時57分

甲斐さん、コメントを有難うございます。
ハネケン氏の訃報もまたあまりにも突然でびっくりしました。
おっしゃる通り、ご本人が一番悔しがっているのかもしれません。
今はただゆっくりと休んでいただきたいと思います。
この人の多大な功績は決して忘れ去られることはないでしょうね。

投稿: フランツ | 2007年6月15日 (金曜日) 00時16分

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