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鳩の便り-シューベルト210回目の誕生日を祝して

Die Taubenpost, D965A
 鳩の便り

Ich hab' eine Brieftaub' in meinem Sold,
Die ist gar ergeben und treu,
Sie nimmt mir nie das Ziel zu kurz,
Und fliegt auch nie vorbei.
 私は1羽の伝書鳩を雇っている。
 それは全く従順で信頼の置ける鳩だ。
 行き先にたどり着かないこともないし、
 通り過ぎてしまうことも決してない。

Ich sende sie vieltausendmal
Auf Kundschaft täglich hinaus,
Vorbei an manchem lieben Ort,
Bis zu der Liebsten Haus.
 私はその鳩を毎日何千回と放ち、
 偵察に行かせている。
 鳩はいくつかの大好きな場所を通り、
 私の恋人の家に向かっていく。

Dort schaut sie zum Fenster heimlich hinein,
Belauscht ihren Blick und Schritt,
Gibt meine Grüße scherzend ab
Und nimmt die ihren mit.
 そこの窓から鳩はこっそりと中を覗き、
 彼女のまなざしや足取りをうかがう。
 私からの挨拶をじゃれながら彼女に伝え、
 そして彼女の返事を持ち帰ってくる。

Kein Briefchen brauch' ich zu schreiben mehr,
Die Träne selbst geb' ich ihr,
O sie verträgt sie sicher nicht,
Gar eifrig dient sie mir.
 もう手紙を書く必要などないのだ、
 涙すら鳩に預けられるのだから。
 おお、鳩は涙も確実に届けてくれる、
 全く熱心に私に仕えてくれるのだ。

Bei Tag, bei Nacht, im Wachen, im Traum,
Ihr gilt das alles gleich:
Wenn sie nur wandern, wandern kann,
Dann ist sie überreich!
 昼も夜も、目覚めていても夢の中でも、
 鳩にとっては同じことなのだ。
 鳩はただ飛んで、飛んでいられるだけで
 満ち足りているのだ!

Sie wird nicht müd', sie wird nicht matt,
Der Weg ist stets ihr neu;
Sie braucht nicht Lockung, braucht nicht Lohn,
Die Taub' ist so mir treu.
 鳩は疲れたり弱ったりしない、
 空の道はいつも新鮮なのだ。
 無理に誘い出したり、褒美を用意する必要はない、
 この鳩はそれほど私に忠実なのだ。

Drum heg' ich sie auch so treu an der Brust,
Versichert des schönsten Gewinns;
Sie heißt - die Sehnsucht! Kennt ihr sie? -
Die Botin treuen Sinns.
 だから私も忠実に鳩を胸に抱いてやるのだ、
 素晴らしいお土産を確信しながら。
 その鳩の名は-あこがれ!御存知だろうか。
 忠実な気質を持った使者を。

詩:Johann Gabriel Seidl (1804.6.21-1875.7.18)
曲:Franz Peter Schubert (1797.1.31-1828.11.19):1828年10月作曲

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