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シューマン「きみの顔」(詩:ハイネ)

シューマンがハイネの詩により「詩人の恋」というツィクルスを編もうとした際にもともと20曲を想定していたものの、最終的に4曲が省かれて現在の16曲になった。省かれた4曲はいずれも優れた作品だが、「詩人の恋」の中ではその居場所がなかったのかもしれない。
うち2曲は作品127の2、3曲目("Dein Angesicht"と"Es leuchtet meine Liebe")、残りの2曲は作品142の2、4曲目("Lehn' deine Wang'"と"Mein Wagen rollet langsam")で、すべて1840年(シューマンの歌の年)の作品である。

「きみの顔」の詩は、愛らしく美しい恋人の顔を夢に見るが、その中で死が恋人の瞳の光を奪ってしまうという内容で、主人公の心に潜む恋人との別れの不安があらわれているのかもしれない。4分の2拍子、変ホ長調で、Langsam(ゆっくりと)と指示されている。簡素なピアノの分散和音に乗って、優美な旋律が歌われるが、第2節のあとに再び第1節が歌われ、A-B-A’の構造をとる。シューマンは、この曲のように、詩の主人公の辛い心情を一見穏やかな長調で貫くことがあるが、詩を読み違えているのではなく、あえて穏やかさという仮面をかぶせているように思えてならない。例えば「でもとても蒼ざめて、とても苦痛に満ちているんだ」の箇所でリズムをわずかに遅らせて歌わせているのはシューマンの詩の読みが反映されていると考えてもいいのではないだろうか。

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Dein Angesicht, Op. 127-2
 きみの顔

Dein Angesicht so lieb und schön,
Das hab' ich jüngst im Traum gesehn,
Es ist so mild und engelgleich,
Und doch so bleich, so schmerzenreich.
 きみの顔はこんなに愛らしく美しい、
 このあいだきみの顔を夢で見た。
 それはとても穏やかで天使のよう、
 でもとても蒼ざめて、とても苦痛に満ちているんだ。

Und nur die Lippen, die sind rot;
Bald aber küßt sie bleich der Tod.
Erlöschen wird das Himmelslicht,
Das aus den frommen Augen bricht.
 そして唇だけは赤みを帯びているのだが、
 すぐに死がくちづけをして蒼ざめてしまう。
 天の光は消えてしまうことだろう、
 やさしい瞳から発していた光は。

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コメント

日本というと「イジメ」で有名な国だ。
日本人の「イジメ」には島国の根性がそのまま現れている。
日本人が一生にかけて読む本といえば、暴力的でレベルの低い漫画がほとんどで、
だから日本人のレベルがあれだけ低く、まともな人格が形成されていないのではな
いだろうか。
日本人のうち、宗教や哲学、瞑想にかかわる書物を1冊でも呼んで
見た人は一体どのくらいいるのだろう。
まともな人格を持つ人なら「イジメ」などはするはずがない。
「イジメ」は他人の人格を踏みにじり、人格を虐殺する行為である。
小学校の時からクラスメートをいじめることに喜びを感じている
日本人をどうして先進国民と呼べよう。
3才の時に身に付いた習慣は80才になっても変わらないという。
日本人は死ぬ時までイジメを楽しみながら一生を終えたいのか。
日本航空(JAL)の乗務員だちは、彼らが育ってきた環境がそうだから
「イジメ」が身についているのか。フライトの度に、乗客を一人
選んでその乗客が歩行機を降りるまでみんなでいじめている。
サービス業に携わっているにもかかわらず、JALの乗務員が働く目的は
「イジメ」を楽しむためである。
何の罪もない韓国人乗客をいじめると一日の疲れが取れるとでもいうのか。
JALの乗務員だちのあの面をみよ。

醜い心がそのまま反映している」のである。

kim

投稿: 日本というと「イジメ」で有名な国だ。 | 2006年11月 8日 (水曜日) 08時01分

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