アーメリング日本公演曲目1992年
第9回来日:1992年8月
8月20日(木)19:00 メルパルクホール(福岡)
8月25日(火)19:00 ザ・シンフォニー・ホール(大阪)
8月28日(金)19:00 東京芸術劇場
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●アジア・ユース・オーケストラ・コンサート 共演:諏訪内晶子(VLN);アジア・ユース・オーケストラ;ルーカス・フォス(C)
武満徹(Takemitsu)/鳥は星形の庭に降りる
バッハ(Bach)/ヴァイオリン協奏曲第2番ホ長調BWV 1042
~休憩~
マーラー(Mahler)/交響曲第4番ト長調
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第10回来日:1992年11月
11月21日(土)19:00 上越文化会館(リサイタルA)
11月24日(火)19:00 府中の森芸術劇場ウィーンホール(リサイタルB)
11月26日(木)19:00 津田ホール(リサイタルA)
11月28日(土)18:00 昭和女子大学人見記念講堂(リサイタルB)
11月30日(月)19:00 津田ホール(リサイタルB)
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●リサイタルA 共演:ルドルフ・ヤンセン(P)
シューベルト(Schubert)/春にD. 882;春の想いD. 686;はなだいこんD. 752;笑って、泣いてD. 777;エルラフ湖D. 586;水の上で歌うD. 774;娘の嘆きD. 191;恋人の近くD. 162;アマーリアD. 195;娘D. 652;若い尼僧D. 828
~休憩~
シューベルト/憧れ“ただ憧れを知る者だけが”D. 310;リアーネD. 298;ミノーナD. 152;イーピゲネイアD. 573;ガニュメデスD. 544;ギリシャの神々D. 677;ムーサの息子(ミューズの子)D. 764
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※11月26日津田ホールでのアンコール
シューベルト(Schubert)/アヴェ・マリアD839
シューベルト/幸福D433
シューベルト/ナイチンゲールにD497
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●リサイタルB 共演:ルドルフ・ヤンセン(P)
モーツァルト(Mozart)/別れの歌K. 519;ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時K. 520
ハイドン(Haydn)/さすらい人
モーツァルト/すみれK. 476
ハイドン/彼女は恋を語らなかった
モーツァルト/クローエにK. 524
ブラームス(Brahms)/「マゲローネのロマンス」~別れはなければならないものなのかOp. 33-12;あなたの青い目Op. 59-8;私たちは歩き回ったOp. 96-2;狩人Op. 95-4;「マゲローネのロマンス」~憩え、かわいい恋人よOp. 33-9;甲斐なきセレナーデOp. 84-4
~休憩~
プランク(Poulenc)/「くじびき」;矢車菊;C
ヴォルフ(Wolf)/ねえ、あなたなの、素敵な方;飽くことのない愛;捨てられた娘;フィリーネ;ミニョン“あの国を御存知ですか”
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※11月24日府中でのアンコール
モーツァルト/警告(男たちはいつもつまみ食いしたがる)K433
中田喜直(Nakada)/おやすみなさい
メンデルスゾーン(Mendelssohn)/歌の翼にOp. 34-2
※11月30日津田ホールでのアンコール
ハイドン/別れの歌
中田喜直/おやすみなさい
モーツァルト/警告(男たちはいつもつまみ食いしたがる)K433
ショソン(Chausson)/ハチドリOp. 2-7
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1992年はアーメリング(Elly Ameling)が唯一年に2回来日した年である。ルーカス・フォス(Lukas Foss)指揮アジア・ユース・オーケストラの独唱者として、アジア各国をめぐり、最終公演となった日本で3回マーラーの交響曲第4番第4楽章を歌っている。彼女は1967年12月にハイティンク指揮コンセルトヘボウ管(PHILIPS)と、1978年5月にプレヴィン指揮ピッツバーグ響(EMI)と録音を残しており、お得意のレパートリーである。しかし、池袋の天井桟敷で聴いた演奏は、彼女の実演に接してきた中で唯一残念な思い出となった。東京芸術劇場は、59歳の彼女の声にとってあまりにも大きすぎた。
それに比べて、適切な広さのホールで歌った秋の2種類のリサイタルは、レパートリーといい、純度の失われていない美しい声や表現といい、彼女の演奏を心ゆくまで満喫できた。リサイタルAはオール・シューベルトで、お得意の曲のほかに、1989年のハイペリオンへの録音で新たに加わったレパートリー(「憧れ」「リアーネ」「ミノーナ」)も早速披露された。特に「ミノーナ(Minona)」は10分以上かかるバラードで、なかなか耳に出来ない作品だが、彼女の巧妙な語りで聴くと、決して駄作ではないことが分かる。緊張感の持続した演奏で聴くと10分があっという間に過ぎていくのである。プログラムの前半は春と自然、若い女性の気持ちを歌ったもの、後半は1815年作曲の珍しい3曲に続き、最後のブロックはギリシャ神話に因んだ作品で締めくくっている。リサイタルBは、録音でも定評のあるハイドンとモーツァルトを交互に並べたブロックではじまり、1990年に録音されたレパートリーも含まれたブラームス6曲で前半を締めくくり、後半はプランクの愛嬌のある歌曲集「くじびき」と戦争の傷跡を刻んだ2曲、最後はヴォルフのスペイン、メーリケ、ゲーテ歌曲集から5曲という内容である。声のコントロールに若干苦心しているところもあったものの、全体的にとても満足できる演奏だったように記憶している。選曲も相変わらず意欲的で、新しい側面を惜しげもなく披露してくれたと思う。プランク(プーランク)の「矢車菊」「C」だけは彼女の録音で聴くことが出来ない。
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