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アーメリング日本公演曲目1985年

第6回来日:1985年

Ameling_1985_japan11月19日(火)19:00 毎日ホール(大阪)(プログラムB)
11月21日(木)18:30 武蔵野市民文化会館(プログラムC)
11月22日(金)18:30 東京文化会館(プログラムA)
11月24日(日)19:00 京都府立文化芸術会館(プログラムA)
11月26日(火)18:45 聖徳学園川並記念講堂(千葉)(プログラムA)
11月29日(金)19:00 昭和女子大学人見記念講堂(東京)(プログラムB)

エリー・アメリング(Elly Ameling)(S)
ルドルフ・ヤンセン(Rudolf Jansen)(P)
佐藤豊彦(Toyohiko Satoh)(Lute)

●プログラムA 共演:ルドルフ・ヤンセン(P);佐藤豊彦(Lute:ダウランド、ホイヘンス、パーセル)

ダウランド(Dowland)/もう泣くな、悲しき泉(Weep you no more, sad fountains)
ホイヘンス(Huygens)/甘き死(Morte dolce);窓辺にかくれた乙女(Riposta dalla finestra)
パーセル(Purcell)/しばしの間の音楽(Music for a while);男は女のために(Man is for the woman made)

ブラームス(Brahms)/おお帰り道が分るならOp. 63-8;セレナーデOp. 106-1;あなたの青い目Op. 59-8;ぼくらはそぞろ歩いたOp. 96-2;少女は語るOp. 107-3;なまぬるい大気はOp. 57-8

~休憩~

ヴォルフ(Wolf)/ミニョンⅠ「語れとはいわないで」(Mignon I: Heiß mich nicht reden);ミニョンⅡ「ただあこがれを知る人だけが」(Mignon II: Nur wer die Sehnsucht kennt);ミニョンⅢ「この姿のままで」(Mignon III: So laßt mich scheinen);フィリーネ「悲しそうに歌わないで」(Philine: Singet nicht in Trauertönen);ミニョン「あの国をご存じでしょうか(君よ知るや南の国)」(Mignon: Kennst du das Land)

R.シュトラウス(Strauss)/母親の自慢話Op. 43-2;たそがれの中を行く夢Op. 29-1;恋人よ、さようならOp. 21-3;あらしの日Op. 69-5

●プログラムB 共演:ルドルフ・ヤンセン(P)

シューベルト(Schubert)/夕映えのなかでD. 799;愛らしい星D. 861;星D. 939;月に寄せてD. 296;夕べの情景D. 650

シューベルト/緑の中での歌D. 917;茂みD. 646;子守歌D. 867;セレナードD. 889

~休憩~

シューベルト/妹の挨拶D. 762;少女の嘆きD. 191;さすらい人の夜の歌D. 224;グレートヒェンの祈りD. 564;糸を紡ぐグレートヒェンD. 118

シューベルト/君こそは憩いD. 776;笑いと涙D. 777;美も愛もここにいたことをD. 775;私の挨拶をD. 741

●プログラムC 共演:ルドルフ・ヤンセン(P)

サティ(Satie)/あなたが好き(Je te veux)
作曲者不詳(Anoniem)/ママ、教えて(Maman, dites-moi)
アーン(Hahn)/人生は美しい(La vie est belle);友情(L'Amitié)
プーランク(Poulenc)/愛の小径(Les chemins de l'amour)
サティ/ランピールの歌姫(La diva de l'Empire)
アーン/最後のワルツ(La dernière valse)
コスマ(Kosma)/枯葉(Les feuilles mortes)
作曲者不詳(Anoniem)/オランダ民謡(Dutch Folksong)

~休憩~

シマグリア(Cimaglia)/ブエノスアイレスの霧(La Niebla Porteña)
ジョビム(Jobim)/イパネマの娘(Garôta de Ipanema)
シェーンベルク(Schönberg)/ギゲールレッテ(Gigerlette)
ジーツィンスキ(Sieczynski)/わが夢の町ウィーン(Wien, du Stadt meiner Träume)
ガーシュウィン(Gershwin)/シュトラウス讃歌(By Strauss);私の彼氏(The man I love);プレリュード第1番(Prelude nr. 1)(ピアノソロ)
エリントン(Ellington)/ソフィスティケイテッド・レディ(Sophisticated Lady)
ガーシュウィン/ミルウォーキーのいとこ(My cousin in Milwaukee)

(上記の日本語表記はすべてプログラム冊子の記載に従いました)

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アーメリング(Elly Ameling)6度目の来日公演では、はじめてルドルフ・ヤンセン(Rudolf Jansen:1940年生まれ)を迎えて3種類のプログラムを披露した。リサイタルAでは世界的なリュート奏者の佐藤豊彦(Toyohiko Satoh)との共演でまずダウランド、ホイヘンス、パーセルの歌曲が歌われている。この中ではパーセルの「男は女のために」以外はいずれも録音されている。ホイヘンスの2曲は歌曲集「聖と俗のパトディア(Pathodia Sacra et Profana)」に含まれる曲で、この歌曲集全曲をアーメリングはマックス・ファン・エグモント、佐藤豊彦らとかつてEMIに録音している。前半の締めはヤンセンとのブラームス6曲。後半はヴォルフのミニョンとフィリーネ歌曲(「ゲーテ歌曲集」より)、最後はR.シュトラウスの歌曲4曲である。ヴォルフはすべて1981年に録音されている(Etcetera / Globe)が、R.シュトラウスは「たそがれの中を行く夢」以外の3曲は結局スタジオ録音されることはなかった(その後、2008年にオランダでこの3曲を含む放送録音がリリースされた)。

リサイタルBは4回目の来日以来のオール・シューベルトである。今回の選曲はこれまでと少々異なり、円熟期を迎えた彼女の表現を聴かせるのにふさわしい奥行きの深いレパーリーが披露されているのが興味深い。前半が夕方、夜から、途中に自然の歌をはさみ、眠りの歌、朝のセレナーデという流れで時間の進行に沿って配置されているのが目を惹く。休憩後は娘の歌2曲(「妹の挨拶」は霊となった女性の歌だが)から、静謐なさすらい人の歌をはさみ、グレートヒェンの歌2曲と続き、最後はリュッケルトの詩による4曲で締めくくられる。後半の最初と最後が挨拶の歌になっているのも細部と全体の両方に目を配ったアーメリングの知的な構成といえるだろう。リュッケルトによる「美も愛もここにいたことを(Daß sie hier gewesen)」のみ録音が残されなかった。

プログラムCは彼女にとって日本ではじめてポピュラーソングとクラシックの肩肘はらない混合プログラムとなった。このようなコンサートは彼女の馴染みの町でのみ行うというようなことをどこかで言っていたような記憶がある。この時は、今も意欲的な自主公演を続けている武蔵野市民文化会館が会場に選ばれている。彼女は1982年、1984年と「アフターアワーズ」というポピュラー系の録音をしているが、これはレコード会社の奇抜な企画というわけではなく、1972年のオランダ音楽祭でもすでにジャズ・ピアニストのルイス・ファン・ダイクと共に披露しているし、1969年にも「私の彼氏」の録音を残している。サティも「枯葉」も「イパネマの娘」もガーシュウィンも彼女にとっては垣根のない歌なのであろう。この中では「ママ、教えて」と「わが夢の町ウィーン」だけが録音されていない。なお、ガーシュウィンのプレリュード第1番はヤンセンのソロ演奏である。

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コメント

こうも立て続けにコメントしていると、ストーカーと思われてもしかたありませんが、けっしてそのような意図でやっているのではありません。なんか、コメントせずにはいられない衝動みたいなものを感じるのです。そのわりにはたいしたことは書けませんが。

前回のコメントでフランス歌曲集のことに言及されていたので、あらためて聴いてみましたが、アーメリングの歌もさることながら、ヤンセンのピアノがすばらしいのに驚かされました。ボールドウィンの代役という以上のものがあると思います。

で、第六回目の日本公演ですが、オランダ民謡なんていうのも歌っていたのですね。彼女の歌うオランダ語の歌では、「~の芸術」にはいっているアムステルダムなんとかという曲が印象に残っています。これは一連のポピュラー・ソングのなかではハイライトではないでしょうか。

投稿: sbiaco | 2006年6月 4日 (日曜日) 22時48分

いえいえ、ストーカーなんて思いませんからご安心ください。
私もコメントをいただくと励みになりますので。

アーメリングは過去にオランダ民謡を2曲(「母(Moeke)」「冬に雨が降ると(Des winters als het regent)」)録音しているので、Cプロのオランダ民謡もこのどちらかではないかと思われます。以前東京文化会館の音楽資料室でパンフレットを閲覧した時も具体的な曲名が書いてありませんでした。

sbiacoさんのおっしゃる「アムステルダム~」は"Aan de Amsterdamse grachten"だと思いますが、これはポピュラーソングで最近の人が作った作品のようです。シャンソン風にしゃれていてオランダ語の"ch"の音も味があっていいなと思います。

フランス歌曲集のヤンセンの演奏、絶妙ですね。
アーメリングとはすでに1979年録音のメンデルスゾーン歌曲集で共演していて、スゼーとの共演などで多忙なボールドウィンに代わる共演者として抜擢されたのかもしれませんね。
ボールドウィンとは違った個性の持ち主ながら、技術も音楽性も全く遜色ないピアニストだと思います。アーメリングのピアニストを選ぶ目の確かさを実感します。

投稿: フランツ | 2006年6月 5日 (月曜日) 01時52分

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