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アーメリングに寄せて

今日2月8日はソプラノ歌手エリー・アーメリング(Elly Ameling:1933.2.8−)の誕生日である。モーツァルト、シューベルトと記念日ネタばかり続いているが、やはりアーメリング信者としては外すわけにはいかないので一言触れておきたい。彼女が1996年に公式に歌手活動を引退してから早くも10年たってしまったが、その後も精力的に世界中で後進の指導をし続けている。彼女はリサイタルなどでも世界各地の様々な言語の歌を組み合わせて歌ったりしていたものだが、かつてCBSレーベルに録音された"SOUVENIRS"と題された1枚のLPレコードはまさに彼女の多才さを存分に味わえる楽しいものだった。こういう歌の数々を聴いていると彼女の温かく語りかけてくる音楽にいつまでも浸っていたくなる。最後の「アフリカーンスの子守歌」を聴き終えた時、心地よい余韻に包まれているのを感じずにはいられない。CDで復活する兆しも全くないが、図書館に置いてあることもあるので、ご紹介したいと思う。全曲原語での歌唱である。中田喜直の「おやすみなさい」の旋律美は彼女の声と表現を待っていたかのようだ。日本語の発音も重箱の隅をつつかなければ、充分音の特徴と心をとらえた見事な出来だと思う。共演は、彼女と最も緊密な関係を築いたアメリカの名ピアニスト、ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin:1931.12.19−)が担当している。

Elly Ameling(S) Dalton Baldwin(P)

1977年11月ニューヨーク録音

1)ロッシーニ(Rossini)/踊り(La danza)(伊)

2)カントルーブ(Canteloube)/「オーベルニュの歌」〜子守歌(Brezairola)(仏・オーベルニュ地方方言)

3)ロドリーゴ(Rodrigo)/お母さん、ポプラの林へ行ってきたよ(De los álamos vengo madre)(西)

4)ヴュイエルモズ(Vuillermoz)/愛の庭(Jardin d'amour)(仏)

5)ラフマニノフ(Rachmaninoff)/春の洪水(Весенние воды, Op. 14-11)(露)

6)アーン(Hahn)/最後のワルツ(La dernière valse)(仏)

7)アイヴズ(Ives)/追憶(Memories)(英)

8)シェーンベルク(Schönberg)/ギーゲルレッテ(Gigerlette)(独)

9)中田喜直/おやすみなさい(日)

10)パーセル(Purcell)/しばしの間の音楽(Music for a while)(英)

11)ウェルドン(Weldon)/目覚めている夜鳴き鶯(The Wakeful Nightingale)(英)

12)ブリテン(Britten)/おお、あわれよ(O Waly, Waly)(英)

13)マルタン(Martin)/菩提樹の下で(Unter der Linden)(独)

14)リスト(Liszt)/おお愛しうる限り愛してください(O lieb, so lang du lieben kannst, S. 298)(独)

15)シベリウス(Sibelius)/春は飛ぶが如く足早に(Våren flyktar hastigt, Op. 13-4)(スウェーデン)

16)オランダ民謡/母(Moeke)(蘭)

17)ヒュレブルック(Hullebroeck)/アフリカーンスの子守歌(Afrikaans Wiegeliedjie)(アフリカーンス)

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コメント

初めて書き込ませていただきます。アメリンクは私と誕生日が1日違いの水瓶座なのですね。アメリンクは私のことなど知らないと思いますが(笑)。
冗談はさておき、アメリンクというとスゼーと収録したフォーレ歌曲全集(EMI)がまず頭に浮かびます。このディスク、スゼーも良いですが何と言ってもアメリンクの魅力全開ですね。「イヴの歌」などはもう最高です。ボールドウィンのピアノも素晴らしい!
廉価で評判のブリリアントからこの全集が最近発売されましたね。EMIで持っていながらも買ってしまうと思います。
フランツさんの挙げられたこのLP、是非聴いてみたいですね。凄い作曲家がズラリ並んでいます。その中で4)ヴュイエルモズが分からなかったのですが、これはフォーレの弟子で著書も出している、あのヴュイエルモズでしょうか?

投稿: ひさと | 2006年2月10日 (金曜日) 00時00分

ひさと様、ご訪問とコメントを有難うございます。
それからお誕生日おめでとうございます。
アーメリングと1日違いなんですね。

Emile Vuillermoz(1878-1960)はおっしゃる通り、フォーレの弟子で、伝記も記し、主に批評家として活躍した人のようですね。作曲家としてはオペレッタで名声を博した時期があったそうです。「愛の庭」は素朴なサロン風音楽という感じで、リサイタルのアンコールにぴったり合いそうです。クロワザも歌っているようです。

ブリリアントからのフォーレ全集、印象派の絵がジャケットを飾った薄型のボックスで、2000円ぐらいなので、コレクター心をくすぐりますね。「イヴの歌」はボールドウィンのピアノ共々原初のういういしさに満ちて魅力的ですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: フランツ | 2006年2月10日 (金曜日) 21時52分

どうも、はじめまして。
いきなりですけど、アーメリングを正面からあつかったサイトってありそうでないのですね(ホームページも含めて)。ですから、このブログを見つけたときは嬉しかったです。自分がやりたくてできなかったことを、自分よりもはるかに適任のかたがやってらっしゃるということでね。
2月から更新がないのでちょっと寂しい思いをしています。欲をいえば毎日でも読みたいくらいですから(笑)
ご自身でも「とほうもない計画」とお書きですが、そのとほうもなさに激しく期待してしまいます。追加記事を楽しみにしています。

投稿: sbiaco | 2006年5月 6日 (土曜日) 01時15分

sbiaco様、はじめまして。
コメントを有難うございました。

ブログを更新したい気持ちはあるのですが、まとまった時間がなかなかとれないので、随分ご無沙汰になってしまいました。
すみません。

アーメリングのファンの方のご訪問はとても励みになります。
これからも遅々たるペースになるとは思いますが、
アーメリングについての記事は継続していきたいと思っています。
sbiacoさんのアーメリング論もお聞かせいただけたら幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: フランツ | 2006年5月 6日 (土曜日) 21時08分

なんだかせかしているような書き方になってしまって恐縮しています。ブログの基本は「書きたいときに書く」だと思いますから、気が向かれたときにでも、ぜひお願いします。CD評でも、来日のおりの感想でも、パンフのことでも、なんでもけっこうです。

私はアーメリングの魅力をうまく自分の言葉で伝えられないんですよ。ましてや論じるなんてとてもとても……

そういえば、ヤニー・デ・ヨングの本、私も去年オランダから取り寄せましたけど、そのなかに日本の料理屋でてんぷらかなにか食べている写真がありますね。あの彼女の表情が大好きです。

投稿: sbiaco | 2006年5月 7日 (日曜日) 01時07分

sbiaco様、こんばんは。

ご返事を有難うございます。
お言葉に甘えて「書きたいときに書く」という方針でいきたいと思います(ますます怠惰になってしまうかもしれませんが)。

私も音楽について言葉で表現する難しさを常に感じています。つい、マンネリな表現になりがちですが、感じたことを出来るだけ忠実に書きあらわしたいと思っています。

Janny de Jongの本はいろいろな貴重な写真が楽しめますね。私も天ぷらを食べるアーメリングの茶目っ気のある笑顔は気に入っています。彼女の表情や、もちろん歌にも温かい人柄が滲み出ているような気がします。

投稿: フランツ | 2006年5月 8日 (月曜日) 01時04分

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