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アーメリングのバイオグラフィー(3)

モンテヴェルディ、ハイヘンスからメノッティ、ダッラピッコラまで幅広いレパートリーを持つアーメリングだが、最も得意とした歌曲の分野では数々の名舞台、名録音を残し、ハイドン、モーツァルトからシューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、ヴォルフなどのドイツ歌曲や、フォレ、ドビュッシー、ラヴェル、プランク、サティなどのフランス歌曲、さらにムソルクスキーの歌曲集「子供部屋」や中田喜直の歌曲まで歌っている。

 

オーケストラ歌曲では、ラヴェル「シェエラザード」、ベルリオーズ「夏の夜」、R.シュトラウス「4つの最後の歌」、ベルク「ワイン」「アルテンベルク歌曲集」などを歌っている。

 

1980年代に2枚のポピュラー・ソング・アルバムをリリースして驚きをもって迎えられたが、実はレコード会社の奇抜な企画というわけではなく、すでに1969年にガーシュウィンの「私の彼氏(The Man I Love)」を録音しており、1972年7月にはオランダ・フェスティヴァルでルイ・ファン・デイク(Louis van Dijk)のトリオと共演してコール・ポーターやガーシュウィンなどを歌っているのである。

 

共演者は数多く、指揮者はフェーリクス・ドゥ・ノーブル(Felix de Nobel)、エルネスト・アンセルメ、カール・ミュンヒンガー、クレメンス・ホルトハウス、アルベルト・ケッテラレイ、ヤン・ドゥ・ヴァールト、イシュトヴァン・ケルテス、アントン・ファン・デル・ホルスト(Anthon van der Horst)、レイモンド・レッパード、クルト・ザンダーリング、ベルナルト・ハイティンク、ヴォルフガング・サヴァリシュ、カルロ・マリア・ジュリーニ、ジョン・エリオット・ガーディナー、トマス・シッパーズ、ヨーゼフ・クリップス、ロリン・マゼール、ヴォルフガング・ゲンネンヴァイン、モーシェ・アツモン、エド・ドゥ・ヴァールト、カール・リヒター、ベンジャミン・ブリテン、ポール・スタイニッツ、ヘルムート・ヴィンシャーマン、フィリップ・レッジャー、アントン・ケルシェス、ネヴィル・マリナー、オイゲン・ヨッフム、ラファエル・クーベリック、ヴィットーリオ・ネグリ、ジャン・フルネ、ミッシェル・コルボ、ミヒャエル・ギーレン、ユーリウス・ルーデル、アンドレ・プレヴィン、アンタル・ドラティ、小澤征爾、エーリヒ・ラインスドルフ、フェルディナント・ライトナー、テーオドール・グシュルバウアー、ニコラウス・アルノンクール、ズデニェク・マーカル、ロバート・ショー、クルト・マズア、ハンス・フォンク、セルジュ・コミッシオーナ、ジェラード・シュウォーツ、ルーカス・フォス、エト・スパンヤールト、ミッシェル・プラッソン、Iskar Aribo、Franz Paul Decker、Herman Strategier、Kurt Thomas、Frederic Waldman、Gerhardt Zimmermannなど、

ピアニストは初期のヘルマン・ウルホルン(Herman Uhlhorn)(1932-1996)、フェーリクス・ドゥ・ノーブル(Felix de Nobel)(1907-1981)や、イェルク・デームス(Jörg Demus)(1928-2019)、ノーマン・シェトラー(Norman Shetler)(1931-)、ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)(1931-2019)、アーウィン・ゲイジ(Irwin Gage)(1939-2018)、トマス・シッパーズ(Thomas Schippers)(1930-1977)、トマス・グラッブ(Thomas Grubb)(1951-2014)、ルイ・ファン・デイク(Louis van Dijk)(1941-2020)、ルドルフ・ヤンセン(Rudolf Jansen)(1940-)、ロジャー・ヴィニョールズ(Roger Vignoles)(1945-)、小林道夫(Michio Kobayashi)(1933-)、Elyakim Taussig(1944-)、ミケル・エリアセン(Mikael Eliasen)(1944-)、ハンス・スハウマン(Hans Schouwman)(1902-1967)、ハンス・ヘンケマンス(Hans Henkemans)(1913-1995)、ヴィルヘルム・ノイハウス(Wilhelm Neuhaus)、デイヴィッド・シーリグ(David Selig)、それに録音ではジェラルド・ムーア(Gerald Moore)(1899-1987)やグレアム・ジョンソン(Graham Johnson)(1950-)、フランク・マルタン(Frank Martin)(1890-1974)などとも共演している。

 

アーメリングは1995年4月2、9日にニューヨーク(リンカン・センター)、1996年にヨーロッパ各地で引退公演を行い、歌手活動から引退した。最後に地元アムステルダムのコンセルトヘボウで1996年1月29日に行われたさよならコンサートではボールドウィン、ヤンセン、ファン・デイクといった歴代の共演者たちが顔を揃え、盛大に行われたようだ。

 

日本では、1996年4月に紀尾井ホールなど4会場でオール・シューベルト・プログラムによるさよなら公演を行ったが、翌年5月にも再度アンコール公演として来日し、横浜、熊本でシューマン「女の愛と生涯」とシューベルトの歌曲を歌った(ボールドウィンのピアノ)。

 

※以下、(4)に続く

 

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(2010年5月1日追記)

 

1996年1月29日アムステルダム・コンセルトヘボウ(Concertgebouw Amsterdam)でのフェアウェル・コンサートの共演者は以下のとおり。

 

ニュー・シンフォニエッタ・アムステルダム(Nieuw Sinfonietta Amsterdam)
エト・スパンヤールト(Ed Spanjaard)(指揮)
ロベルト・ホル(Robert Holl)(バス)
ドルトン・ボールドウィン(Dalton Baldwin)(ピアノ)
ルドルフ・ヤンセン(Rudolf Jansen)(ピアノ)
ルイ・ファン・デイク(Louis van Dijk)(ピアノ)
ジャニーヌ・ファン・メファー(Janine van Mever)(ピアノ)
ペペ・ロメロ(Pepe Romero)(ギター)
レオナルド・デ・リージ(Leonardo de Lisi)(テノール)
ミッシェル・ディスパ(Michel Dispa)(チェロ)

 

参考にしたサイトはこちら

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